ライフプランについて

ママアスリートのロールモデルとして影響を受けたのは誰ですか

荒木絵里香さん(バレーボール)の場合

海外や日本のママアスリートを見てイメージができた

海外でプレーをしていた時にママアスリートの姿を見ていたし、バレーボール女子元日本代表の大友愛さんを近くで見ていたので、私もそのようになりたいと考えていた。

兼松由香さん(7人制ラグビー)の場合

海外ママアスリートを見て価値観が変わった

19歳でワールドカップに出場した時、海外にママアスリートが多くいることを初めて知った。その後、ニュージーランドにラグビー留学した時もクラブチームの中にママアスリートが多くいて、一緒にプレーをした。結婚や出産を期にラグビーを辞めるものだと考えていたが、一気に180度価値観が変わり、ママアスリートとしてワールドカップに出場することが目標となった。

千葉麻美さん(陸上短距離)の場合

海外ママアスリートを見て20代でママアスリートになることを考えた

海外の陸上選手で妊娠・出産を経験し競技復帰する選手は多く、日常的に競技場や遠征先で子どもと一緒にいるママアスリートの姿を見かける機会も多かった。20代のうちに出産し競技復帰するというイメージができていた。

宮本ともみさん(女子サッカー)の場合

1999年W杯アメリカ代表選手に憧れを抱いた

1999年のW杯宿泊先で、子どもを持つアメリカ代表選手が家族と過ごしている姿を見てカルチャーショックを受けた。アメリカは当時、とても強いチームだったので、その中で選手としても活躍しながら女性の幸せも手に入れている姿に憧れ、いつか私も目指したいと思うようになった。

本橋麻里さん(カーリング)の場合

海外や日本の先輩ママアスリートを見て競技を続ける道を考えた

ジュニア時代から海外遠征先で、お腹が大きくなっても氷上に乗っている選手や、生後3~4ヶ月の赤ちゃんを会場に連れてきてプレーしている選手を見ていた。また、日本では、先輩2名(小笠原歩選手・船山弓枝選手)が出産後復帰しており、会えば子どもを交えて話を聞ける環境にあり、連絡すれば気軽に情報を聞けた。先輩方が先に道を作って下さったので、悩みを相談することも出来た。競技で出会った日本やカナダのママアスリートの姿を見て、挑戦してみたいと憧れていた。“結婚や出産がきっかけで競技を辞める”ではなく、“結婚や出産しても競技を続ける”という道を進みたいと思っていた。

ママアスリートになるためにライフプランはどのように立てましたか。また、誰かに相談しましたか

荒木絵里香さん(バレーボール)の場合

ライフプランを主人や母親と共有した

なるべく早く子どもを出産し、できるだけ長く競技を続けたいと考えていた。また、主人が“出産してからリオデジャネイロオリンピックを目指せば良い”と提案してくれ、主人や自分の母親の後押しがあって出産し競技復帰することを決意した。

佐藤希望さん(フェンシング)の場合

オリンピックサイクルに合わせてライフプランを考えていた

20代で子どもを欲しいと考えていて、ロンドンオリンピックが終わったタイミングで妊娠・出産し、次のリオデジャネイロオリンピック選考シーズンに間に合うよう復帰できるように逆算してプランを立てた。

千葉麻美さん(陸上短距離)の場合

競技復帰について主人と監督に相談した

妊娠が分かった時は、出産しても競技に復帰したいと考えていて、出産してからどのくらいの期間で競技に復帰できるのか、妊娠中のトレーニングはどうしたらよいのかを1番に考えた。主人に相談したところ、「やりたいなら競技を続けていい」と言ってくれた。監督は、「一緒にトレーニングを考えよう」と言ってくれた。

宮本ともみさん(女子サッカー)の場合

監督やスタッフに子どもを持ちたいという考えを伝えた

2002年に23歳で結婚。2004年シーズンが始まる前には、監督やスタッフに“アテネオリンピックが終わったら、子どもを持ちたい”という考えを伝えた。アテネオリンピック時(25歳)、競技者として良い状態だったので、妊娠をきっかけに第一線から一旦離れることにすごく不安があったが、海外のママアスリートの姿を見ていたので、復帰してからも選手としての活動と子育てを両立する良いイメージができていたため産むことを決意した。

【産婦人科医よりコメント】

妊娠出産を経験したアスリートは国内ではまだ少ないのが現状です。いままでアスリートの妊娠出産に関する情報は少なかったため、今回アスリートの皆さんが語ってくださったロールモデルやライフプランは、これから妊娠出産を考えるアスリートにとって自分の将来をイメージするのに助けになるかもしれません。


妊娠するまでに苦労はありましたか

本橋麻里さん(カーリング)の場合

妊娠までに時間がかかった

2012年25歳の時に結婚。最初の2年くらいで1人目の妊娠を希望していたが、欲しい時にできず、諦めようかと思っていた時にやっと妊娠。出産は2015年29歳の時なので、結婚から妊娠・出産までは時間が空いている。 月経不順になりやすく、シーズン中は3ヶ月に1回のペースでしか月経が来ていなかった。医師より妊娠が難しいと言われ、薬の服用で調整していた。原因は、海外遠征の時差ボケ・ストレス・プレッシャー・冷え等が考えられる、と医者から指摘を受けていた。

【産婦人科医よりコメント】

身体管理の一環として、初経があったところから月経周期の把握や月経トラブルへの対処を継続して行なっていきましょう。


出産を考えた時に準備したことはありますか

荒木絵里香さん(バレーボール)の場合

妊娠を望んだ段階から通院

出産して復帰しようと思って計画していたので、年齢のことを考えると早く妊娠した方がいいと思っていた。また、21歳頃からピルを飲み続けていたので、妊娠する前から産婦人科へ行き、妊娠できるタイミングをコントロールしていた。

【産婦人科医よりコメント】

妊娠や出産は人生のイベントの中でも大きなものですが、最も大切なことはアスリートが自分のライフスタイルの中で妊娠する意思(または妊娠しないで競技継続する意思)を尊重できることだと思います。


出産後も競技を続けるためのライフプランはどのように考えたら良いですか

競技適齢期、各種大会の時期、結婚、妊娠、出産、サポートの有無など、多くのことを加味してライフプランを考えていくことは大切です。しかし、十分に考えたからといってすべて思い通りにいくとは限りません。ある程度の理想を持ちつつも柔軟に対応していけるよう、ゆとりを持って考えていくことが大切です。 先輩ママアスリートの事例も参考にしてみてください。 (JISS心理グループより)

※自分自身のライフプランを考えるためのプランニングシートです。ご活用ください。

  1. MANライフプランニングシート
  2. MANライフプランニングシート記入例

アスリートとしてのライフプランを考えるときに気をつけるべきことは何ですか

ママアスリートを目指す/目指さない、出産する/しない、産みたいけど産めない、性の多様性に関すること(LGBT※)など、人によってライフプランを考える上で重要な事柄は多々あります。固定観念にとらわれ過ぎず、多くの選択肢、可能性を模索し、自分にとって一番大切なことは、大事に思うことは何なのかを考えていくことが大切です。 (JISS心理グループより)

※LGBT:女性同性愛者(Lesbian)、男性同性愛者(Gay)、両性愛者(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の各語の頭文字文


“妊娠したい”“競技には関わりたい”という思いはあるけれどどうすればいいですか

妊娠の有無にかかわらず、家族、競技団体などと話し、周囲がどのような考えでいるのか、またサポートがあるのか、受けられそうなのかなどを確認してみましょう。また、居住地域にどのような子育て支援(保育園、託児、保育ママ制度など)があるのかを事前に調べておくのも良いでしょう。子育てをしながら、どう競技に関わっていけるかをイメージしやすくなります。妊娠・出産を機に競技の継続を諦めるのではなく、どのような形で関わっていけるかを模索していくことが大切です。JISSでも産前産後のサポートを実施しています。詳しくはJISSのHP( 女性アスリート支援プログラム)をご確認下さい。 (JISS心理グループより)

ママアスリートとして復帰するには誰に相談をしたらいいですか

競技を継続したい思いを、家族や競技団体に相談することは大切です。子育てについてママ友に相談することはできても、より専門的にアスリートとしての視点で競技復帰に向けた相談をしたいということもあるかもしれません。JISSの女性アスリートの戦略的支援プログラムでは、さまざまな女性アスリート支援プログラムを実施しています。また、JISS心理グループでも、ライフプラン・妊娠・出産についての相談を受けることができます。詳しくはJISSのHPをご確認ください。 (JISS心理グループより)

  1.  女性アスリート支援プログラム
  2.  メディカルセンター 女性アスリート相談窓口
  3.  心理グループ

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