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カロテノイド

項目 内容
名称 カプシエイト・カプサイシン・アスタキサンチン
概要
  • 抗酸化性を有する数百種の天然色素の総称(①)。
  • カプシエイトは辛くないトウガラシから抽出された成分である。
  • カプサイシンはトウガラシの辛味成分である(②)。
  • アスタキサンチンは主にエビ・カニ等甲殻類、サケ・マスの身、タイ・コイの表皮等に含まれる天然色素の一種である(②)。
有効性
<脂肪燃焼効果>
カプシエイト
  • アスリートを対象とした効果について、信頼に足るデータは乏しく、引き続き検討が必要である。
カプサイシン
  • アスリートを対象とした効果について、信頼に足るデータは乏しく、引き続き検討が必要である。
<視神経機能・抗炎症作用>
アスタキサンチン
  • アスリートを対象とした研究では、
    1. (1)男性ハンドボール選手18名を対象に、アスタキサンチン6mg/日を4週間摂取させたところ、プラセボ群と比較して運動後の深視力(立体視機能の指標)とフリッカー値(視覚の疲労度の指標)が向上した(③)。
    2. (2)男性陸上長距離選手16名を対象に、アスタキサンチン6mg/日を4週間摂取させたところ、プラセボ群と比較して運動(1200m走)後の血中乳酸濃度は低値を示した(③)。
    3. (3)男性サッカー選手18名を対象に、アスタキサンチン4mg/日を90日間摂取させたところ、プラセボ群と比較して運動後の炎症(血清CK、AST濃度)は減少がみられた(④)。
    4. (4)自転車競技選手16名を対象に、アスタキサンチン20㎎/日を4週間摂取させたところ、筋損傷や炎症に関する指標に影響は認められなかった (⑤)。
  • アスリートを対象とした効果について、視神経機能を向上させるかもしれないが、パフォーマンスにはおそらく影響しない。ただし、現時点では信頼できる十分なデータは見当たらない。
安全性
  • カプサイシンは過剰に用いると胃腸炎を起こしたり、肝臓や腎臓に障害を与えることもある(②)。
  • アスタキサンチンは甲殻類アレルギー症状として気道炎症、喘息患者の気道炎症の悪化等が挙げられる (②)。
備考
参考文献
  1. ①下村吉治:サプリメントのほんととウソ―エビデンスに基づいたサプリメントの有効性―, ナップ, 東京, pp9-15, 2013.
  2. ②国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所、「健康食品」の安全性・有効性情報、https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail42.html(2018年10月)
  3. ③澤木啓祐、吉儀宏、青木和浩、鯉川なつえ、東根明人、金子今朝秋、山口正弘: アスタキサンチンのスポーツパフォーマンスに及ぼす影響―運動選手の視機能と筋肉疲労回復に対する効果について―, 臨床医薬, 18(9): 1085-1100, 2002.
  4. ④Djordjevic B, Baralic I, Kotur-Stevuljevic J, Stefanovic A, Ivanisevic J, Radivojevic N, Andjelkovic M, Dikic N: Effect of astaxanthin supplementation on muscle damage and oxidative stress markers in elite young soccer players. J Sports Med Phys Fitness. 52(4): 382-392, 2012.
  5. ⑤Klinkenberg LJ, Res PT, Haenen GR, Bast A, van Loon LJ, van Dieijen-Visser MP, Meex SJ: Effect of antioxidant supplementation on exercise-induced cardiac troponin release in cyclists: A randomized trial. PLoS One. 8(11): e79280, 2013.

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