兼松 由香さん


子セブンスユースアカデミー ヘッドコーチ

 7人制ラグビー日本代表として、2016年リオデジャネイロオリンピック出場。2006年に妊娠・2007年に出産を経て競技復帰し、ママアスリートとしても第一線で活躍。2018年からは、コーチとしてユース世代の育成に従事し、2019年からは女子セブンスユースアカデミーのヘッドコーチを務めている。また、スポーツ庁委託事業「女性アスリート戦略的支援プログラム」で実施している「ママアスリートネットワーク」のメンバーとして、女性アスリートへの発信も行っている。

              

1.コーチを始めたきっかけ

 2018年の春、オリンピック(リオデジャネイロ大会)女子セブンズ日本代表ヘッドコーチの浅見さんからいただいた一本の電話がコーチを始めたきっかけです。電話の内容は、女子セブンズ日本選抜チームの試合にスタッフとして帯同してみないかというものでした。浅見さんは、かつてのヘッドコーチであり、尊敬するチームメイトでもあります。当時、浅見さんはユース世代のコーチを務められており、数か月前の指導中に大けがをされたことを耳にしていました。私は大学院で研究を始めたばかりだったので、コーチになりたいという気持ちはありませんでしたが、けがで思うように動けない浅見さんを助けたいという一心で、帯同させていただくことにしました。その後、日本ラグビーフットボール協会の3つの育成・強化カテゴリーのコーチを経験させていただきました。そして2019年から女子セブンズユースアカデミーのヘッドコーチを務め、現在に至っています。

2.コーチング哲学

 昨年、女子セブンズユースアカデミーのヘッドコーチとして、初めて世界一を目指すことになりました。コーチとしての経験の浅さから、初めは自分自身のコーチングに自信が持てず、毎合宿教えることやチームをまとめることの難しさを感じていました。しかし、アカデミーの活動と並行しながら、JOCナショナルコーチアカデミーを受講させていただき、常に新しいことを学びながら実践することができました。また、大学院で女子ラグビーに関する研究をしたり、ラグビーの普及活動をしたりする中で、さまざまな視点からコーチングについて考えられるようになりました。
 この一年間で習得したコーチングの原点は、『指導者=教育者+研究者』です。競技を通して人を育みながら選手たちと共に成長し続けること、目標に向かう過程を選手たちと共に楽しみながら探求し続けることを、これからも大切にしたいです。

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