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発生のメカニズムを知る
熱中症とは熱に中(あた)るという意味で、暑熱環境によって生じる障害の総称です。暑熱環境では体温上昇を防ぐために皮膚血流を増し、汗をかいて体表面からの熱放散を高めようとします。その際、血液の循環調節がうまくいかなかったり、脱水や塩分不足に陥ったり、熱の収支バランスがとれなくなって異常に体温が上昇することで熱中症が起こります。深部体温が異常に上昇(40℃以上)すると意識障害が起こり、処置が遅れると命に関わります(重症熱中症)。
学校の管理下における熱中症死亡事故は、ほとんどが体育・スポーツによるもので、それほど高くない気温(25~30℃)でも湿度が高い場合に発生しています。
正しく理解し、学校の管理下における熱中症事故を予防しましょう!
熱中症が発生しやすい条件
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熱中症を疑う症状
・めまい、失神
・四肢の筋や腹筋がつり、筋肉痛が起こる。
・全身倦怠感、脱力感、めまい、吐き気、嘔吐、頭痛等が起こる。
・足がもつれる。ふらつく。転倒する。突然座り込む。立ち上がれない。 等
★応答が鈍い、言動がおかしいなど、少しでも意識障害がある場合には、重症熱中症を疑います。
対策を知る「熱中症予防の原則5か条」
①環境条件を把握し、それに応じた運動、水分補給を行う
暑い時期の運動はなるべく涼しい時間帯にするようにし、休憩を頻繁に入れ、こまめに水分を補給しましょう。WBGT 等により環境温度の測定を行い、「熱中症予防運動指針」を参考に運動を行います。汗には塩分も含まれているので水分補給は0.1 ~0.2%程度の食塩水がよいです。運動前後の体重を測定すると水分補給の適切さが分かります。体重の3%以上の水分が失われると体温調節に影響すると言われており、運動前後の体重減少が2%以内に収まるように水分補給を行いましょう。
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②暑さに徐々に慣らしていく
熱中症は梅雨明け等、急に暑くなった時に多く発生する傾向があります。また、夏以外でも急に暑くなると熱中症が発生します。これは体が暑さに慣れていないためで、急に暑くなった時は運動を軽くして、1週間程度で徐々に慣らしていく必要があります。週間予報等の気象情報を活用して気温の変化を考慮した1週間の活動計画等を作成することも大事です。
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③個人の条件を考慮する
肥満傾向の人、体力が低い人、暑さに慣れていない人等は暑さに弱いため、運動を軽減します。特に肥満傾向の人は熱中症になりやすいので、トレーニングの軽減、水分補給、休憩等、十分な予防措置をとる必要があります。また、運動前の体調のチェックや運動中の健康観察を行い、下痢、発熱、疲労等、体調の悪い人は暑い中で無理に運動をしない、させないようにしましょう。
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④服装に気を付ける
服装は軽装とし、吸湿性や通気性のよい素材にします。直射日光は帽子で防ぐようにします。剣道やアメリカンフットボールなど、防具をつける競技では、休憩中に防具をはずして熱を逃がすようにします。
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⑤具合が悪くなった場合は早めに運動を中止し、必要な処置をする
児童・生徒には体調が悪い時には申し出るよう、あらかじめ伝えておくことが重要です。また指導者は児童・生徒の様子を観察し、具合が悪そうな場合には、早めに運動を中止させ、必要な処置をします。
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対応を知る
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体育活動・スポーツによる熱中症について、有識者が分かりやすくまとめた『スポーツ事故防止・対応ハンドブック』があります。
フローチャート編は、緊急時に確認しながら対応できるよう救急箱に入れて、解説編はいざという時に備え日頃から確認するなど、セットでご活用ください。
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