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学校現場での取組(事故防止対策) 東京第92号(2022.01)

令和3年度第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会における
災害共済給付データ及び事故防止支援資料の活用促進について

独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「JSC」という。)では、学校関係者・教育委員会担当者等の学校現場に関わる方を対象として、講習会・説明会を開催しております。 JSCが作成した事故防止に資する資料の活用方法を幅広く周知し、資料の活用促進を図ることで、学校の管理下における事故防止の支援や、円滑な学校教育の実施に積極的に貢献していきたいと考えております。

今回は、令和3年10月13日(水)(会場:ポートプラザちば)にて開催された「第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会」(千葉県高等学校体育連盟主催)に講師派遣依頼を受け、JSCが作成した災害共済給付データや事故防止に関する情報提供を行いましたので、その様子を紹介します。

第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会の発表舞台写真。千葉県高等学校体育連盟主催で、令和3年10月13日(水)(会場:ポートプラザちば)に開催された「第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会」に講師派遣依頼を受け、JSCが作成した災害共済給付データや事故防止に関する情報提供を行った様子。  第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会の発表舞台写真。千葉県高等学校体育連盟主催で、令和3年10月13日(水)(会場:ポートプラザちば)に開催された「第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会」に講師派遣依頼を受け、JSCが作成した災害共済給付データや事故防止に関する情報提供を行った様子。
                                                  研究大会での講演の様子

第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会の紹介

千葉県高等学校体育連盟に加盟する各高等学校運動部顧問の参集を得て、当面する問題についての情報交換を行い、日頃の研究の成果を発表し、指導者としての資質向上を図り、高等学校体育・スポーツの振興発展に寄与することを目的として、千葉県教育委員会の後援を受けて開催されました(参加者120名)。

●研究発表
 研究大会では、「千葉県の運動部活動の現状」というテーマで、2つの研究発表がありました。
発表1 研究部競技力向上班 「生徒の体力低下について」
発表2 普及振興班 「部活動ガイドラインに対するアンケートについて」  
 令和元年度末(令和2年2月5日)に実施したアンケート調査の結果の発表をするとともに、本研究大会の参加者に対して新たに同様のアンケート用紙を配布して調査を実施しました。

●資料 
・平成21年度~令和元年度までに、全国高等学校体育連盟研究大会の分科会において千葉県が発表した内容(全7発表)について、紙媒体の資料として取り纏め(表紙のみ)本研究大会にて参加者に配布・共有されました。
・安心・安全な部活動運営の一助とする目的で作成された「運動部活動サポートブック(改定版)」(表紙のみ)が紹介・配布されました。改訂版には、平成17年度から平成30年度に災害共済給付の見舞金を給付した、全国高等学校での運動部活動と関係がある死亡・障害事例も掲載されています。

JSCの講演内容の紹介

●「千葉県内高校生の運動部活動中における事故の状況」の情報提供について

「千葉県内高校生の運動部活動中における事故の状況」として、災害共済給付オンライン請求システム統計情報システムより取得した令和元年度の統計データを用いて情報共有しました。

・運動部活動別の発生状況としては、全国では143,159件の災害が発生した。 内訳は一番多いのは球技の、120,615件、次いで武道等で8,952件、陸上競技部で7,690件と続く
・千葉県では全体で6,162件の災害が発生した。内訳は一番多いのが球技の、5,148件、次いで陸上競技部で424件、武道等で372件。球技が一番多いのは全国と同じで陸上競技部と武道等が発生件数の上位を占める傾向も全国と同じ
・球技で一番多いのは、サッカー・フットサル部、次いでバスケットボール部、野球部。武道等で一番多いのは柔道部 ・千葉県の部活動ごとの負傷の種類別の内訳。負傷で一番多いのは、挫傷・打撲1,612件、次いで捻挫1,506件、次いで骨折1,392件

「千葉県内高校生の運動部活動中における事故の状況」として情報共有した統計データ(スライド)の一部
災害共済給付オンライン請求システム統計情報システムより令和元年度の統計データを提供・説明しました。部活動別災害発生状況①全国のデータです。
災害共済給付オンライン請求システム統計情報システムより令和元年度の統計データを提供・説明しました。部活動別災害発生状況②千葉県のデータです。
災害共済給付オンライン請求システム統計情報システムより令和元年度の統計データを提供・説明しました。部活動別災害発生状況④千葉県の負傷の種類別データです。
●頭部・頚部の事故の傾向と予防・対策について
「頭部・頚部事故」に着目して、平成12年~令和元年度の体育活動中の頭頚部事故による死亡・1~3級の障害事故の事故発生件数と傾向(出典:令和2年度スポーツ庁委託事業 学校における体育活動での事故防止対策推進事業成果報告書 参考資料)及びJSCが作成した映像資料により情報共有しました。

・死亡見舞金・1級~3級までの障害見舞金の給付を受けた件数は、頭部外傷91件、頚部外傷117件です。
・学校の管理下の体育活動における、頭部・頚部の重災害は、中学校・高等学校で災害発生件数が高いことが分かります。
・頭部よりも頚部を負傷したことによる件数が多く、約6割が頚部の外傷によるもの。競技別の割合では水泳、器械体操等、柔道とラグビーと続きます。


「頭部・頚部事故」に着目して、平成12年~令和元年度の体育活動中の頭頚部事故による死亡・1~3級の障害事故の事故発生件数と傾向。小学校全体及び、中学1年~高校3年までの学年別データ(出典:令和2年度スポーツ庁委託事業 学校における体育活動での事故防止対策推進事業成果報告書 参考資料)の紹介

「頭部・頚部事故」に着目して、平成12年~令和元年度の体育活動中の頭頚部事故による死亡・1~3級の障害事故の事故発生件数と傾向。頭部・頸部の運動競技別データ(出典:令和2年度スポーツ庁委託事業 学校における体育活動での事故防止対策推進事業成果報告書 参考資料)の紹介
●映像資料による事故防止情報の提供について
JSCの学校安全支援に関する業務の説明として、学校安全Webで提供している事故防止資料・教材の紹介と、スポーツ庁委託事業の成果物である映像資料(DVD)のうち、①「運命の5分間 その時あなたは~突然死を防ぐために~」及び②「体育活動による頭部・頸部の外傷~発生時の対応~」を視聴しました。

① 「運命の5分間 その時あなたは~突然死を防ぐために~」 心停止のサインである心室細動と死戦期呼吸についてCGとドラマで分かりやすく表現しています。また、心肺蘇生とAEDの使用の必要性を認知させる構成となっています。

② 「体育活動による頭部・頸部の外傷~発生時の対応~」 頭頚部外傷の発生メカニズムをアニメーションで解説し、頭頚部外傷発生時の対応をフローチャートに基づいて紹介しています。また、脳震盪の診断の方法や「教師のための頭頚部外傷の10か条」を収録しています。

映像資料(DVD)「体育活動による頭部・頸部の外傷~発生時の対応~」より一部抜粋


スポーツ庁委託事業の成果物である映像資料(DVD)を視聴しました。「体育活動による頭部・頸部の外傷~発生時の対応~」の映像の一部。

学校安全Webで閲覧できる刊行物2種の紹介。1つ目は学校の管理下の災害令和2年版。2つ目は学校安全ナビ43号

JSCホームページ「学校安全Web」では、刊行物をはじめ、学校の管理下における災害防止のための情報、調査研究の成果等を掲載していることを説明し、ぜひ参考・活用していただきたいとお願いしました。


講演の感想

講演の受講者からご感想をいただきましたので、一部をご紹介します。

・学校事故事例データベースはどのような場面転換で事故が起こるのかわかりやすく参考になった。ショッキングな内容もあるので教員間で共有したい。
・今回拝見した動画のような、事故・受傷場所別の短い動画は、生徒への指導に有効であると思います。

今後作成を希望する資料・教材

・競技別、動作別に起きやすい事故発生の状況についてわかりやすく紹介した資料
・児童生徒等の怪我について、発達段階に合わせた事故防止のための資料
・学校のどういった場所でどのような事故が起きやすいかをまとめた学校事故危険箇所マップのようなもの
・活動等の前に確認・点検すべきポイント実際に起こりうる事例を使った教材・気がつきにくい事例
・簡易的なVRを用いた事故体験

取材を終えて

 多くの部活動顧問の先生方が参加され、第34回千葉県高等学校体育連盟研究大会は盛会に開催されました。参加者は講演に熱心に耳を傾けていただき、参加者同士でも活発な意見交換がされていました。
 今回講演で紹介したように、災害共済給付データを基に事故の傾向や対策等の資料を参加者と共有しましたが、その内容について職場においても教職員間で共有及び活用していただきながら、児童生徒等が安心して学校生活を送れるよう事故防止に取り組んでいただければ幸いと思っております。

  また、今回の講演で実施したアンケートにより、学校現場が希望する資料・教材についても知ることができましたので、今後の資料・教材作成の参考とさせていただきたいと思います。アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

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