大阪かわら版 第65号(2014.01)

スマイルアップ、体力アップ!!~大阪府寝屋川市立第十中学校~

 全国体力テスト(全国の小学校5年生と中学校2年生が対象:平成20年度より実施)では、50m走や反復横とびなどの8種目を行い、全国平均値や都道府県別順位が発表されています。わが近畿は・・・残念ながら、大半が全国平均を下回る結果となっています。
 体力テストとは・・・
 国民の運動能力を調査するために、文部科学省が実施している「体力・運動能力調査」の通称である。平成11年度に大幅な改定が実施され、昭和39年度から平成10年度までを、通称で「旧体力テスト」、平成11年度からは「新体力テスト」と呼んでいる。
 さらに平成20年度から、全国の小学5年生と中学2年生全員の体力・運動能力調査(通称:全国体力テスト)も実施している。
 
 特に大阪府は、平成24年度に続き今回も40位台と低迷しています。大阪府教育委員会なども、なわとびの励行や駅伝大会の開催など、さまざまな対策に乗り出していますが、なかなかすぐには結果に結びつかない状況です。
 そんな中、確実に成果を上げている学校があると聞いて、大阪府の寝屋川市立第十中学校の小野校長先生、体育科の夏目先生、田辺先生に話を伺ってきました。
センター:
先  生:
体力アップのために、どんなことをされていますか?
「十中体操」を体育の時間の準備体操として、全学年で行っています。 
センター:
先  生:
「十中体操」とは、どんな体操なのですか?
「D2ライン」と呼ばれる肩関節と股関節を対角に結んだ体のラインを意識した動きを多く 取り入れたもので、回転や回旋を伴った動きを上肢・下肢別々に組み合わせた運動となっ ています。 
「D2ダンス」を提唱し、実業団女子バレー部監督だった草野健次さんの講座に、本校の教員が通い、学んだ体操にいろいろなアレンジを加え、「十中体操」ができました。
 まずは、バレー部から実践し始めて、効果が感じられたため、全校で体育の準備体操と して行うようになりました。  
 ひじを寄せ、足を前にクロスし、股関節を閉じる  ハイ!ハイ!太ももをしっかりあげて
 肩をぐるぐる~っと回す  最後は思いっきりジャンプ
センター:
先  生:
「十中体操」を取り入れた経緯を教えてください。
以前の体力テストの結果で、ハンドボール投げや50m走などで、半数以上の生徒が、全国平均を下回ったことがきっかけで、この事態を何とかしようと思って始めました。
センター:

先  生:

センター:
先  生:
実際に授業中、体操しているところを見せてもらいましたが、なかなか複雑な動きで、しかも速いですよね。
最初は生徒たちの中でもできない子もいましたが、続けていくうちにできるようになりました。今の3年生が1年生の時に始めたので、3年生はスムーズに動けますね。
ドリカムの「大阪LOVER」に合わせて、男子も女子も本当に楽しそうでしたね。
何よりも続けないと効果が出ないので、生徒たちに楽しんでやってもらうために、音楽や掛け声、新たなステップなど、生徒たちの意見をいろいろ取り入れて、アレンジしています。
センター:
先  生: 
「十中体操」の成果はどうでしょうか?
出てます!(笑)
「十中体操」の独特の動きは、運動能力を高める狙いがあります。
肩や股関節の筋肉をほぐし、可動域を広げ、体の深いところにあるインナーマッスルを鍛えていきます。体幹トレーニングの要素が含まれているんですよ。
 以前の体力テストでは、8種目のほとんどが全国平均以下だったのが、24年度より各学年とも全国平均を上回るようになりました。3年生にいたっては、8種目すべてが全国平均を上回っています。
センター:
先  生: 
その他に、学校で行っている体力アップの取組みはありますか?
 「8SD(ハチ エス ディ)」という取組みをしています。Sは秒(second)、Dはダッシュ(dash)の頭文字からで、8秒間ダッシュのことで、全速力で走る機会が減ってきているため、実践しています。
 第十中学校だけでなく、校区の三井小学校と宇谷小学校でも行っています。ダッシュというと走るのが苦手な子は敬遠しますが、生徒たちは「長いのはしんどいけど、8秒なら頑張ってみようかな」と思ってくれているようです。
 寝屋川市のキャラクター「はちかづきちゃん」の「はち」ともかけているんですよ(笑)。
 また、朝食摂取率アップも、第十中学校区で取組んでいます。 保護者の協力もあって、摂取率は確実に上がってきています。 嬉しいことに学力もアップしてきました。やはり関係があるのでしょうね。
はちかづきちゃん 
センター:
いろいろ工夫して取組まれているのですね。
先生も言われたとおり、「継続は力なり」です。体力は全ての源ですので、生徒たちが楽しみながら、体力がアップする取組みを続けてくださいね。
本日はありがとうございました。
 おまけ  
 男子は「十中体操」の後、2人ペアになってシャトルランを行っていました。ペアの相方だけでなく、みんなで応援していた姿に、見ていたこちらが嬉しくなりました。 
 みんなで応援「まだまだいけるぞ~」  もう、あかん・・・
 女子も小雨が降る中、ダンスを披露してくれました。部活動ではなく、クラス単位で参加の、年末に行われる全国規模のダンスコンテストに出場とのこと。「フットルース」の曲にあわせた気合の入ったダンスに感動!!
 後日、自由曲部門で文部科学大臣賞を受賞と嬉しい知らせもありました!
 まさに若さはじけて、元気ハツラツ。その勢い、私も欲しいです。
 勢いつけて上げる!  元気いっぱいのラインダンス
 この他に、寝屋川市立第十中学校は、持続発展教育に力を入れる学校として、「ユネスコスクール」に認定され(平成23年度認定)、多言語学習や異文化交流のほか、外国にルーツを持つ生徒のための日本語教室も開設しています。
 また、十中校区の地域の方々による学校支援活動が、学校・家庭・地域の連携協力に貢献したとのことで文部科学大臣賞も受賞しています。
 十中、十中校区は各方面で、すばらしい功績を残されていますね。
 ちなみに、十中の卒業生には、大リーグレッドソックスの上原浩治選手がいるそうですよ。
文部科学大臣賞の表彰と一緒に 
※ ユネスコスクール:ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実現する学校
 取材を終えて シャトルランで勢い余って脱げたシューズ
 取材に行ってまず感じたのが、生徒たちが実に楽しそうに、そして元気に動いていたこと。
伺ったのは、2学期終業式前日の小雨が降る寒い日でしたが、体育館の男子も、運動場の女子も元気いっぱいで、また同時に仲のよさも伝わってきました。
 小・中学生の体力低下が問題になっています。文部科学省が昭和39年から行っている 『体力・運動能力調査』によると、「走る・跳ぶ・投げる」といった基礎的な運動能力が、昭和60年頃より低下の一途をたどっているとの結果が出ています。
 体格は以前にも増して立派になっているにもかかわらず、体力が追いついていない状況です。最近の小・中学生に多く見られる、すぐ「疲れた・・・」と言う、授業中じっとしていられない、姿勢が悪い・・・。「体力がない」ことが原因といわれている中で、楽しみながら、無理なく体力づくりができる「十中体操」は、とてもよい取組みだと思いました。
 これからも生徒たちの笑顔あふれる取組みに期待しています。
平成24年度 給付事例より 
校種 学年 性別 事例(災害発生状況)
 小学校 3年 女子 下校時、通学路(学校横の下りの坂道)でバランスを崩して転倒する。 手を前につけず顔から地面にこけてしまった。
 小学校 4年 男子 友達とおにごっこをして遊んでいた。友達を追いかけるのに夢中になり、目の前の鉄棒に気づくのが遅れて,前額部を鉄棒にぶつけて負傷した。
 中学校 1年  男子 7段の跳び箱の練習中、箱に着いた腕を離す前に自分の体が乗りかかるような状態になり、強い力がかかり左腕を骨折した。
※ これらの事例は、寝屋川市立第十中学校区のものではありません。

 昔は遊びを通して、いろんな経験をしたものですが、今は「時・空・仲」の3間がなく、遊ぶ機会も減ってきているようです。子どもたちは、実際に(小さな)けがなどを経験しながら、危険を予測し、回避する能力が身につくと思います。
 危険因子をすべて取り除くのではなく、いろいろな体験・経験をさせてあげるのが、大人の役割なのかもしれませんね。

 

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