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学校現場での取組(事故防止対策) 仙台第62号(2021.07)

高等学校における事故防止情報の活用事例
~教職員研修及び野球部の取組~

独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「JSC」)では、学校安全に対する取組に活用できる教材や資料を学校安全Webで提供しています。今回は、岩手県花巻市にある岩手県立花巻南高等学校(以下「花巻南高校」)で行われた職員研修とその後、職員研修の資料を利用して行われた野球部のけが・事故防止講座(以下「講座」)について、職員研修と講座を担当されたそれぞれの先生方へお話を伺いましたのでご紹介します。

職員研修の目的

今までスポーツ健康科学学系の生徒や部活動のリーダーに対して研修を行っていましたが、実際には、教職員全員が、生徒の事故防止と安全管理に努めなければいけないと考え職員研修を実施しました。
学校の管理下における事故発生時の初期対応等に関する職員向け研修の様子
職員研修の様子

職員研修で紹介したJSCの事故防止資料でその後利用したもの

映像資料(DVD)で、中でも『スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応』、『熱中症を予防しよう』、『その時あなたは』の3つは、部活動を行うにあたって全て関係するため、野球部員に対し講座を行いました。
映像資料(DVD)『スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応』の画像
DVD 『スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応』(9分38秒)
眼のけがはスポーツ活動中に多く発生しており、障害が残るようなけがが多いのが特徴です。アニメーションによる眼のけが発生メカニズムのわかりやすい解説をまじえ、スポーツ活動中に眼をけがから守ることの重要性や、けがをした時の対応について詳しく説明しています。
映像資料(DVD)『熱中症を予防しよう』の画像
DVD 『熱中症を予防しよう』(11分18秒)
学校の管理下における熱中症死亡事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるもので、それほど高くない気温(25~30℃)でも湿度が高い場合に発生しています。「熱中症発生のメカニズム」、「発生してしまった場合の処置の留意点」、「熱中症予防のための5つの原則」、「学校や競技団体が実施している取組事例」等について、分かりやすく解説しています。
映像資料(DVD)『その時あなたは』の画像
DVD 『その時あなたは』(9分08秒)
心停止のサインである心室細動と死戦期呼吸についてCGとドラマでわかりやすく表現しています。
また、心肺蘇生とAEDの使用の必要性を認知させる構成となっています。

講座を受けた野球部員の意識の変化

実際、野球部員に対しDVDを視聴させましたが、事故防止やけが予防の知識が意外とないことがわかりました。講座後の感想を見ると、「勉強になった」という感想の他、危機管理の重要性についての記述が多くあり、生徒の意識を維持するには、継続して研修を行うことが大切だと思いました。
また、養護教諭から、講座後の野球部のけがが激減したと報告があり、実際に数字で示されたことで、講座を実施して良かったと実感しています。
職員向け研修の資料を利用して行われた野球部のけが・事故防止講座の様子
野球部 けが・事故防止講座の様子

野球部員の感想

野球部のけが・事故防止講座後の感想。スポーツ活動中の事故と発生時の対応について学ぼう!部活動名軟式野球。1DVDを見て感想を書いてください。眼の事故が1番多く、スポーツで最もケガをしやすいのは野球であることを初めて知った。自分が生活している中で起こっていた症状があてはまっていたのでおどろいた。今自分達が使用しているネットも、ボロボロになっていてケガのリスクが高いので、チーム全体でチェック・修理をしていき安全に取り組める環境を整備していきたい。2日々の練習での怪我・事故防止では何が大切ですか?万が一に備えた対応(ヘルメット、フェイスガード等)。集中力や意識。練習前後のアップ、ストレッチ。3毎日の部活動の練習前に行っている「練習前の自己健康チェック表」の記入について、自分で気をつけていることは何ですか?自分の体温や体重を知り、毎日変わる身体の状態を理解してから練習にのぞむ。身体で違和感がある所がないかのチェック。 野球部のけが・事故防止講座後の感想。スポーツ活動中の事故と発生時の対応について学ぼう!部活動名野球部。1DVDを見て感想を書いてください。眼の事故が1番多く、野球部が1番事故件数が多いということから自ら事故防止しなければいけないと思いました。眼のケガは時間がたってから症状が出ることがあるということを初めて知りました。なので自分が当たったとしてもチームメイトが当たったとしてもすぐに応急処置をして病院で見てもらうことが大事だと思いました。また、道具の整備・点検、グラウンドの整備、集中して練習することで事故が減るということから、整備の時間を大切にしていきたいと思いました。2日々の練習での怪我・事故防止では何が大切ですか?用具を整備する(点検)。ネットの破れたところの修復。防球ネットはすきまをなくす。集中して練習(波線)。グラウンド整備でイレギュラーをなくす。眼を守る道具の準備も必要。トスする人に当たらないためにネットを設置。3毎日の部活動の練習前に行っている「練習前の自己健康チェック表」の記入について、自分で気をつけていることは何ですか?自分は前日の夜に体の痛いところをマッサージしたり、ストレッチして次の日の学校、練習にそなえるようにしています。痛いところをそのままにしないためにも必要だと思い毎日やっています。

教職員全員が学校安全に取り組む上で大切だと思うこと

生徒の命を預かっていることを自覚し、事故やけが防止の職員研修を継続して実施することです。また、日頃からけがや事故が起こらないように施設設備の点検を行うことはもちろんのこと、生徒の健康観察も重要と考えます。
また、教職員の温度差がないよう、ひとりひとりの意識の向上を図ることも大切だと思います。
教職員ひとりひとりの意識の向上は、1番難しい課題かもしれませんが、1番大切なことですね。

取材を終えて

花巻南高校では、日頃から教職員全員が安全の知識を高めており、また、必要に応じて生徒へ情報提供を行い、生徒ひとりひとりが安全に学校生活を送ることができるよう安全教育にも力を入れています。このような前向きな取組を行っていただける学校が増え、児童生徒等の重災害が少しでも減ることを願っております。
JSCで提供している事故防止情報の資料の中には、今回紹介した映像資料(DVD)だけでなく、統計情報や印刷するだけで使用できる教材カードなど、学校で加工しなくてもそのまま使える資料がたくさんあります。短時間の教職員研修や職員会議でもご利用いただける資料となっておりますので、是非ご活用ください。
最後に、お忙しい中取材にご協力いただきました花巻南高校の皆様、ありがとうございました。

お願い

JSCが提供している事故防止情報を活用している先生方がおられましたら、ウェブサイトなどで共有したいと考えておりますので、担当地域事務所にご一報ください。お待ちしております。

 

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