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学校現場での取組(事故防止対策) 広島第76号(2021.12)

徳島市徳島中学校の取組について

独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「JSC」)では、学校安全に対する取組に活用できる教材や資料を学校安全Web等で提供しています。
今回、徳島県の徳島市徳島中学校(以下「徳島中学校」)からの依頼で、スポーツ事故防止ハンドブックや突然死の防止に関する映像資料(DVD)、熱中症のポスター等、複数のスポーツ事故防止資料を提供しました。それらを利用して、4月のアレルギー対応研修と8月のAED(PUSH)講習の2回にわたって実施された職員研修の様子や、学校での取組について、武市養護教諭からお話を伺ったのでご紹介します。

1.アレルギー対応の研修(4月実施)

(1)研修の概要
毎年度当初に、給食関係・保健関係両面からアレルギーを有している生徒(個別)について、教職員全員で共通理解を図っています。
春休み中に提出された学校生活管理指導表(徳島県版)を基に、学校生活をする上での留意点等について、保護者からの聞き取りに基づいて確認をしています。また、エピペン練習用キットを使ってエピペンの使い方の説明をした後、脚に打つ練習をしています。(実際に相手の脚に打つ感覚を体験)
生徒が内服薬やエピペンを携帯している場合には、担任が薬の保管(携帯)場所の確認を行っています。年度初めに使用期限の確認や保管(携帯)場所の確認をしたのち、共通理解をしています。
アナフィラキシーを疑う症状等については、スポーツ事故対応ハンドブック(フローチャート編)を活用しました。
今年度は、職員会議後の研修の時間に実施しました。
スポーツ事故防止ハンドブック(解説編)
スポーツ事故防止ハンドブック(解説編)
食物依存性運動誘発アナフィラキシーへの対応フローチャート
食物依存性運動誘発アナフィラキシーへの対応フローチャート
(2)研修の対象者
本校に在籍する全教職員としています。
(3)研修開催の理由
アレルギーと診断されていなくても、体調によってアレルギー症状が出現するといったヒヤリ・ハット事例もあるため、予測の難しいアレルギー症状の対応や注意点について知っていただく機会としました。また、エピペン投与後の対応などについても研修しています。
(4)受講された先生方の感想
・ハンドブックを使って説明をしてくれて、フローチャートになっているため、わかりやすい。解説編もあり、読んでおきたい。
・エピペンは、思った以上に力が必要だと感じた。
(5)研修後の教職員の学校安全への意識や取組みの変化について
食物アレルギー対応の共通理解と応急処置対応について、研修前の状況、研修後の先生方の反応、理解度や気づきなどについては、次のような感想をお聞きしました。
・アレルギー症状に関する対応の注意事項について共通理解することで、複数人体制での対応がより適切でスムーズになり、ヒヤリ・ハットをなくしていけるよう、皆の意識が高まっています。救急対応については、倒れている人の周りだけでなく、救急要請や救急車の誘導等、大勢の協力が必要であることを再確認できました。
・エピペンを使用したときに、研修をしていたので落ち着いて使用することができました。

2.AED(PUSH)講習(8月実施)

(1)研修の概要
夏休みを活用し、全教職員を対象として、救命講習(PUSH講習)の職員研修を実施しました。
①救急車の現場到着までにかかる平均時間や心肺停止後時間が経つにつれて生存率が低下すること等を説明
②学校におけるAEDや物品(毛布、車椅子、担架など)の場所について共有、確認
③DVD「運命の5分間 その時あなたは ~突然死を防ぐために~」を視聴
④心肺蘇生の手順やAED使用時の注意点について確認
・電源を入れてAEDの声をよく聞く、パッドは指示通りに胸に貼る、ショックが必要なら、安全確認後ショックボタンを押す等
・体が濡れている場合、タオルなどで拭く、パッドが大人用か確認、心電図解析中と電気ショック時以外は、絶え間なく胸骨圧迫を!
⑤胸骨圧迫の実習
・「あっぱくん」を使って救急隊到着までの約5分間ペアになってプッシュする
⑥人が倒れたときの役割分担について
・記録・協力者の依頼、救急隊への連絡、AEDや担架等持ってくる、居合わせた生徒の誘導・救急車・救急隊の誘導等
⑦ハイムリック法
⑧熱中症についてJSCの「学校での事故を防ぐために~熱中症の事故の傾向と予防・対策~」で説明
(2)研修開催の理由
毎年、救急法等の一次救命処置の確認をするために研修を実施しています。
2学期には、体育祭を控えているため、救命講習と熱中症対策(ハンドブックより)、異物除去法についても講義を行いました。
(3)開催時期
昨年度より、長期休業期間を活用し、危機管理意識を高めるための実践的な研修に取り組んでいます。昨年度は、二部構成で研修を行いました。
一部では、アレルギー(エピペン)や胸骨圧迫、救急隊連絡方法について説明を行い、二部では、養護教諭がヒヤリ・ハット事例から想定したロールプレイでのシミュレーション研修を実施しました。傷病者役の先生には、想定事例を伝えておき、チームの先生にはあらかじめ配役(教師役・生徒役・隣の学級の先生等)を決めてもらい、養護教諭不在時の教室で体調不良となった場合の対応について、研修を行いました。
また、救急隊の誘導や要請なども訓練しました。
(4)受講された先生方の感想
・パワーポイントを使った研修資料や映像などもわかりやすかったし、実際に5分間胸骨圧迫(PUSH)すると、とても一人では続けられないことがわかった。(複数)
・倒れてからの1分1秒がすごく重要で、その時間で生死が分かれること知った。
・胸骨圧迫をするときには、たくさんの人で協力して行わないといけないことがわかった。いざ子ども(生徒)が倒れた時に一人だと対応(指示)できるか不安である。

3.学校で行っている学校安全・事故防止に関する取組

・毎月、学校安全の日を設けており、校舎内の安全点検などをしています。
・来室者の状況から、ケガをした場所が危険箇所ではないか現場へ行き、さらなる点検も実施しています。

4.研修の様子

【写真1】
DVD視聴 運命の5分間 そのときあなたは~突然死を防ぐために~
運命の5分間 そのときあなたは~突然死を防ぐために~のDVDを講習会場で視聴している教員
【写真2】
PUSH講習
講習会場で胸骨圧迫の練習をしている教員
【写真3】
ペアになって救急車到着までの約8分間のうち5分間協力してPUSH中。
押す速さや強さなどもお互いに確認しながら練習しました。
講習会場で教員がペアになって、救急車到着までの約8分間のうち5分間協力して胸骨圧迫を行っている様子
【写真4】
熱中症への対応について
講習会場でスクリーンに投影された熱中症対応フローを見ている教員

5.センターの提供する事故防止資料について

・ハンドブックが学校に配布されたときに救急箱に入れやすく便利だと感じました。内容も研修で説明するときにもわかりやすかったので、活用しようと思いました。
・映像資料も分かりやすく、研修に参加してくださった先生方から好評でした。
徳島中学校の取組をご紹介させていただきました。

徳島中学校では、学校の管理下で実際にあったヒヤリ・ハット事例に基づいた研修や、事故発生場所の再点検など、過去事例を振り返り、定期的に研修を行うことで職員の危機管理意識の向上を図り、生徒が安心して学校生活を送れるように、学校全体で積極的に取組みをされていました。
JSCでは今後も、報告いただいた感想や取組を参考に、危険の予測、けがの防止につなげられるよう、事故の傾向や過去事例等の情報の発信に努めて参ります。
■JSCが提供した事故防止の資料
スポーツ事故防止ハンドブック解説編・フローチャート編
スポーツ事故防止ハンドブック(解説編)
スポーツ事故対応ハンドブック(フローチャート編)

映像資料「運命の5分間その時あなたは~突然死を防ぐために~」
映像資料「運命の5分間その時あなたは~突然死を防ぐために~」

ポスター 熱中症対応フロー
ポスター 熱中症対応フロー

 

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