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第35回 学校の活動場所における安全チェック

 学校での事故を防ぐためには、日頃の児童生徒への指導だけではなく、学校内の施設・設備の点検・修繕等も重要です。
 JSCでは今回、ある公立中学校で行っている安全チェック後の対策について伺いました。この安全チェックの特徴は、各部活動毎の担当教諭が行っており、見つかった課題については学校内で報告し、まとめているところです。
 その結果、グラウンドで15項目、体育館で16項目、その他の場所4項目の計35項目の課題が上がったそうです。
 ここでは、その一部を抜粋して、見つかった課題と実際に学校が実施した対策をご紹介します。
 
■グラウンド(一部抜粋)
                                                             
競技名 課題 当初対策案(担当教諭)   実施した対策
野球  ネットが強風で倒れる可能性がある。  強風時は使用を止め、壊れている箇所は修繕を依頼する。 ・強風時は複数名の教職員で使用の可否を判断する。
・壊れている箇所は修繕済み。
野球  台風対策時の防球ネットレバーの空転の可能性がある。  作業の手順を事前に確認し、3~4名を1組として作業を行う。  ・作業時は教職員が必ずついて作業する。
・なるべく教職員の手で行う。
サッカー  サッカーゴールが強風で倒れる可能性がある。  4つの杭を打ち込んで固定する。  ・ゴールの移動で杭がすぐに弱ってしまうため、約20kgの土嚢複数個で固定するよう徹底した。
・サッカーゴール下部のパイプをアルミ製から鉄製のものに変更した。 (※1)
ソフトボール  側溝のふたが劣化により落ちる可能性がある。  目印になるような物を置くなど、近づかないようにする。修繕を依頼する。  ・修繕し改善した。 
ソフトボール  武道場横の側溝にふたがないため、落ちる可能性がある。  目印などを置き注意喚起を行う。  ・厚手の板でふたをした。 
 (※1)サッカーゴールの転倒防止対策例
 サッカーゴールの固定

■体育館(一部抜粋) 
                                                                                                                         
競技名 課題 当初対策案(担当教諭)   実施した対策
バスケット
ボール
バスケットボール用ゴールの上下操作時 (電動式)に、ゴール落下の危険性がある。  ゴール上下操作時にゴールが落下する恐れがあることを伝え、付近に近寄らないようにする。ワイヤーなどの確認をする。 ・外部の大会等にも使用されるため、教育委員会が定期点検を行っている。
・生徒には都度指導を行っている。
バスケット
ボール 
床の劣化によるささくれ等による怪我や、バスケットボール用ゴール下の床の劣化による変色と大きな揺れがある。 業者において確認及び修繕を必要とする。  ・業者が修繕し改善した。
バスケット
ボール
舞台左側に設置されているジャンプメーターが外れている。 取り外すか、業者に固定を依頼する。 ・壊れていたものは取り外した。
バレーボール 体育館で雨漏りがしていた。 業者に修繕を依頼する。 ・業者が修繕し改善した。
卓球  卓球台を移動する際に転倒の恐れがある。 移動の際は職員がついたり、複数名で行う。 ・移動する際は最低2名で行うように指導した。
 
■その他の場所(一部抜粋) 
 
施設名 課題 当初対策案
(担当教諭) 
 実施した対策
音楽室横の靴箱  靴箱が強風で倒れる可能性が考えられる。 強風時は靴箱をあらかじめ倒しておく。 ・強風時は、音楽室担当の教職員が、あらかじめ靴箱を倒すかどうかを判断する。

 
 学校に伺った結果、普段何気なく使っている施設でも、あらためて安全チェックを行うと、これだけたくさんの課題が出てくるのだと驚きました。
この学校では他にも、
・校舎内は「走らない」
・ドアは「ゆっくり丁寧に閉める」
・“ガラス注意”の喚起表示(※2)の貼付(校舎にはガラスの面が多く、実際に怪我をした例もある。)
・安全対策委員会(毎月1回:校内点検作業)
・安全チェック(毎週火曜日の2校時)
などの事故防止の指導・対策を行っており、特にガラスへの注意喚起のビラは、それを貼ることで実際に事故が減少したと効果が実感できたそうです。 
(※2)窓ガラスの衝突防止対策例 
 ガラスに注意の貼り紙ガラスに手を突っ込むイラスト
 
  皆さんの学校でも、一度全教職員で学校内の安全チェックを行い話し合うことで、今まで気づかなかった新たな課題や、対策が見つかるかもしれません。
 
 安全チェックをするときは
  人は実際に事故が起こるまでは危険に気づかない、気づいていてもリスクを過小評価してしまうものです。
同様の事故を未然に防ぐにはどうしたらよいでしょうか?
 まずは、【自分の学校に当てはめた対策を立てる】ことです。
 そのために、「過去の事故事例を検索する」「他校の事故防止対策を調べる」ことなどが重要です。
 実際の事例
 なお、
事故事例が知りたいときは 学校事故事例検索データベース
  学校の管理下の災害 [平成28年版]
事故防止対策が知りたいときは 学校での事故防止対策集
  学校における固定遊具による事故防止対策 調査研究報告書
 をご活用ください。  この上をクリック!

 

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