ハンドボール

2016年03月14日

~プログラムの活用、展開に向けて~(ハンドボール)

平成25年度より3ヵ年のプロジェクトとして開始した本事業も本年が最終年度となりました。今回は、本事業において企画、開発した各プログラムを振返るとともに、今後の競技団体等での活用、展開にむけて、プログラムを通して得られた成果、課題もふまえ、まとめの報告をさせて頂きます。

 

「高水準な競争相手の確保」

本事業では、大きく3つのプログラムを実施し、国内外、様々な方法でハンドボールの課題の一つである「高水準な競争相手の確保」に対応する解決に向けたプログラムを実施しました。それぞれのプログラムにおける成果、課題について以下のようにまとめました。

 

1.個の海外強化プログラム@デンマーク

トップアスリート、育成アスリート、及び女性に関わるスポーツ指導者を対象に、長期、短期での海外派遣を実施しました。「トップアスリートの長期派遣」においては、日常的にハイレベルに身をおき、世界レベルの競争環境の中で「個」のスキルアップをはかるプログラムを実施することができました。

この活動から得た情報、ネットワークをもとに、「育成アスリート、及び女性に関わるスポーツ指導者」を対象とした「育成アスリート/スポーツ指導者の短期海外派遣」を実施し、育成年代で不足するハイレベルでの経験機会を創出するとともに、今後トップアスリートとして世界レベルで戦うための心構えを学ぶ機会も得ることができました。スポーツ指導者においても、育成年代の課題、世界との差を痛感しながら、今後この差をいかに埋め、更には日本が世界レベルに到達するために、個々の指導法や考え方などを海外の指導者から学び、意見交換する貴重な機会を得ることができました。

今後は、このプログラムに参加したアスリートや指導者が、この学び、経験をいかに「個」として発展、活用していくのか、またそれらを「チーム」の強化につなげるための仕組みづくりが必要だと考えています。

育成プログラムの様子
育成プログラムの様子>

2.チームの国内強化プログラム

 トップアスリートの国内合宿において、男子選手(高校・大学・大学院)をトレーニングパートナーとして活用することで、国内での「高水準な競争相手」を確保することができました。トレーニングパートナーを2タイプ(スペシャルチーム・ストレングスンチーム)に分けることで、戦術的・体力的なトレーニングへの対応と、試合期に合わせたより本番に近い実戦機会と、必要に応じてより効率的なトレーニングパートナーを得ることができました。

 今後は、さらに計画的にトレーニングパートナーを活用するためのトレーニングパートナーとの調整、また育成年代などアンダーカテゴリーへの活用の検討が必要だと考えています。

ストレングスンチームとのトレーニングの様子
<ストレングスンチームとのトレーニングの様子>

3.国内インターナショナルプログラム

 個の海外強化プログラム@デンマークにおける協力クラブ、SKオーフスを日本へ招聘し、約1週間の多角的な強化プログラムを実施することができました。このプログラムでは、トップアスリート(日本代表)の国際競技力向上に向けた強化活動を基盤に、育成アスリート、女性指導者及び女性チーム指導者、地域へのプログラム展開を並行して行うことで、国内の様々な場所、レベルでハンドボールに携る女性、そしてそれをサポートする男性に対し、各々のフェーズでの競技力、経験値、モチベーションの向上に繋げられるようなプログラムを実施することができました。

 今後は、定期的に国内で世界レベルを体感できる機会について、強化のみならず発掘・育成、指導や普及の面からも取組んでいく必要があると考えています。

国内インターナショナルプログラムの様子
<国内インターナショナルプログラムの様子>

3ヶ年のプロジェクトとして、本事業において企画、開発したプログラムは、今後競技団体が主体となって継続、活用していくために、実施における課題等の競技団体へのフィードバックや、更なる展開方法なども含め意見交換を進めています。

 プログラムの実施にあたり、多方面で協力いただいた競技団体、国内外の関係者の方々にこの場を借りてお礼申し上げます。



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