SPORTS JAPAN アンバサダー

活動NO.005-8、NO.008-5

SPORTS JAPANアンバサダー活動レポート

大日方邦子 スキー教室を開催~ 誰もが気軽にスキーを楽しめる環境を目指して ~

教室の様子はこちらからご覧いただけます。

日程:2016/3/27,28 場所:岩手
アンバサダー:大日方邦子、鶴岡剣太郎


 今回で3回目となった、大日方邦子さんによるスキー教室を開催しました。チェアスキー教室や視覚障がいをお持ちの方がパートナーの「声」をたよりにスキーを楽しむブラインドスキー教室も開催し、誰もが気軽にスキーを楽しめる環境を目指しました。
 また、現役のトップアスリートである森井大輝選手・狩野亮選手・夏目堅司選手にも特別講師としてご参加いただきました。

 初日の3/26(土)の午前中は指導者講習会を行いました。
地元岩手県や青森県、山形県の東北地方でスキー講師をされている方の他、東京都、長野県からもご参加いただきました。講習会は主にディスカッション形式で行い、障がい者スポーツを取り巻く環境について、それぞれの地域での現状、今後の課題など、さまざまな立場から意見交換されました。
 ディスカッションでは次のような意見が出されました。
 ・あくまで「障がい者」スポーツとして受け止められる
 ・障がい者本人がスポーツをしたいと思っても、周りが躊躇してしまう
 ・障がい者はもちろんのこと、同伴者が一緒に楽しめる環境整備が必要
 障がい者スポーツというと介助の負担が大きいと捉えられがちですが、それ以上に一緒にスポーツを楽しめるということをわかってほしい。そのための介助方法などを教えてもらえる場や環境整備が必要と感じている、という意見が印象的でした。

 また、今回はスノーボードでトリノオリンピックに出場されている鶴岡剣太郎さん、バルセロナから北京まで5大会連続でパラリンピック競泳に出場し5個の金メダルを獲得した河合純一さん(JSC職員)、ゴールボールで北京オリンピックに出場した高田朋枝さん(JSC職員)も参加し、種目を越えた意見交換がなされました。

 午後はレベル別実技講習とあわせて、バイスキー(スキー板が2本ついているチェアスキー)の体験を鶴岡さんに行っていただきました。
スノーボードとは目線の高さが変わり、体感スピードが異なるため、最初はぎこちないターンを見せていましたが、コツをつかんだ後は猛スピードで滑走し、さすがオリンピアンという滑りを見せてくれました。

  2日目の3/27(日)は前日に引き続きレベル別実技教室を行いました。
はじめに、大日方さん、森井さん、狩野さん、夏目さん、鶴岡さんによるデモンストレーションが披露されました。華麗で力強い圧巻の滑り、チェアスキーヤー2人で何度も交差しながら滑る迫力の滑走、スキーヤーとスノーボーダーの共演など、トップアスリートの魅せる滑りに吸い込まれるように参加者は見入っていました。
現在、世界でもトップレベルにある特別講師からの直接指導を受けた上級クラスの参加者はアドバイスを参考に一本一本を大事に滑っていました。

 また、初級クラスでは、初めて滑る参加者も安全に楽しむことを第一に講師・ボランティアとスキーを楽しみました。

 2日間の日程で行われたスキー教室ですが、講師・参加者・ボランティアみんなで楽しく作り上げる教室となり、別れを惜しみつつ参加者全員の笑顔で教室を締めくくりました。










<大日方さんの言葉>
 現在、日本のチェアスキーのレベルは世界のトップクラスにあるが、競技人口が少しずつ減っている現状があり、競技の裾野を広げる活動の重要性を感じている。スポーツの楽しさを伝え、より多くの人にスキーに触れ合っていただけるように、今後もアンバサダー活動を通して取り組んでいきたい。

<鶴岡さんの感想>
 違う競技の教室に参加させてもらうことはあまりなく、スノーボードとの環境の違いや健常者と障がい者の環境の違いなど、初めて知ることが多かった。スキーとスノーボードでは技術面でも近い面と少し異なる面があるのかなと感じることができた。異なる競技の方との情報交換ができ、今後の活動にとても参考になった。

<参加者の感想>
・数年前からスキーを始めたが1年に1回か2回しか滑っていない。毎年、レベルが初級に戻ってしまう感覚
 で、なかなか上達しなかったのでモチベーションが上がらなかった。今回の教室で素晴らしい講師陣に教え
 てもらって殻を破れた感じがする。本人の顔が今シーズンで一番楽しそうで、帰りたくないと言ってい
 る。(参加者の母)

・講師の人の教え方が上手で上手くなれた気がする。とても楽しかった。機会があれば、また参加したい。
 (参加者)

・(デモ滑走を見て)滑り方がカッコいい。あんな滑り方を目指している。
 (参加者)

・競技を始めたいと思った障がい者に環境を提供する、とても素晴らしい教室だと思う。(ボランティア)

・参加者は午前より午後、1日目より2日目と、どんどん上手くなりスキーを楽しめるようになっているのが
 うれしい。毎回参加させてもらっているが、この教室のおかげで、自分達も初心者への指導の仕方が上手
 くなっている気がする。
 障がい者は雪上に出ること自体が大変なので、こういった教室でその機会を与えてくれることがうれしい。
 また、1日同じ人と一緒に行動して指導する機会はあまりないので、1日の中での滑りの違いを見られ
 て、とても貴重な体験をさせてもらった。(講師)
 

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