SPORTS JAPAN アンバサダー

活動NO.004-1、003-1、
002-3、001-4

SPORTS JAPANアンバサダー活動レポート

SPORTS JAPANアンバサダー座談会を開催

日程:2012/06/15  場所:東京都

アンバサダー:谷本歩実、北澤豪、朝原宣治、柴田亜衣

国立競技場でアンバサダーと河野理事長 / 座談会の様子① / 座談会の様子②

 SPORTS JAPANアンバサダーの谷本歩実さん、北澤豪さん、朝原宣治さん、柴田亜衣さんによる「アンバサダー座談会」を開催しました。
 日本スポーツ振興センターのコーポレートメッセージである「未来を育てよう、スポーツの力で。」というテーマの下、素晴らしい競技成績、たくさんのご経験をお持ちのアンバサダーのみなさんから、貴重なご意見・想いをお聞きしました。(聞き手:当センター河野理事長)

SPORTS JAPANアンバサダーの役割
河野理事長  みなさん、お忙しいところありがとうございます。
今回のテーマは日本スポーツ振興センターのコーポレートメッセージである「未来を育てようスポーツの力で。」になります。よろしくお願いします。
谷本さん、北澤さんにはSPORTS JAPANアンバサダーとして既に活動していただいておりますが、当初は谷本さんと試行錯誤しながら活動をはじめました。まず、谷本さんからここまでの活動の感想をお願いします。
谷本氏  試行錯誤しましたね。今となっては懐かしいです。
河野理事長  「このようなことをやってください。」「こうしましょう。」というよりも、一緒に考えて進めた方がいいものができると思い、柔軟性のある谷本さんにご協力いただき正解でした。
谷本氏  アンバサダーをお引き受けした時は、引退して指導者になるという時期でした。ちょうどスポーツに対しての考え方が「勝ちたい!オリンピックに出場して勝つことが一番だ!」という価値観から、 「いろんな競技に挑戦してみたい、観客の一人として参加してみたい。」という気持ちが湧いてきた時でもあったので、アンバサダー活動としてマラソン大会にはじめて参加し、多くのみなさんと一緒に走ったり、 柔道大会観戦企画で子どもたちと観客席から一緒に応援することを体験でき、私自身のスポーツに対する価値観が変わり、色々な形でのスポーツへの参加があることがわかり、スポーツの魅力を改めて感じることができました。
河野理事長  スポーツへの参加には色々な形がありますね。
柔道のオリンピック最終選考会観戦企画は谷本さんからのご提案で親子を招待していただきました。そちらはいかがでしたか?
谷本氏  私自身が小さい頃、オリンピック選考会を生で見て「私もオリンピックに出られる選手になりたい!」と思うようになったので、子どもたちにも実際に見て、感じ取ってもらいたかったので企画しました。 子どもたちは感激してくれていたようですし、親御さんたちも、我が子に夢を託すというような気持ちになっていただいたようでした。
 
河野理事長  北澤さんにも、サッカークリニック、フットサルクリニックと2回活動していただきました。やはり、指導・子どもたちの気持ちをつかむのがお上手ですね。
北澤氏  元々子どもたちはサッカーが好きで、やりたいという想いが強いと思うのでついてきてくれます。また、低学年であればファミリーでそのスポーツに関わっていることが多いと思います。 競技を教えるだけではなく楽しめるかどうかを、まず目的としていかなければならないと思っています。
河野理事長  これまで活動していただいたクリニックの2回とも、親御さんが一所懸命ですよね。
北澤氏  僕もちょうど子育てをしている最中なので、親の気持ちはわかりますが、自分が競技者としてやってきたので、どうしても競技者思考になってしまうところもあります。しかし、そうであってはいけないとも思いながらやっています。
河野理事長  見事に実現されているように思います。
北澤氏  ただ、親の想いが強いのは感じます。
河野理事長  あまり親が全部準備して進めてしまうのは違う気がしますが、いかがですか。
北澤氏  世代的に親御さんたちと近いので、なるべくそのような話はしていきたいと思っています。子どもだけに発信をするのではなく、一番身近な家庭で子どもたちが何を学んでいくかが大きいと思います。 私も同じように悩みを抱える親という同じ立ち位置で話ができればと思っています。
 
河野理事長  朝原さんはいろいろなところで教室を開催されて、今の2人と重なるところがあるかと思いますが、いかがですか?
朝原氏  全く同じですね。特に私も子育て世代で、3人子どもがいます。今、基本は競技のトップの方をみていますが、普及の方では小学生を対象とした陸上クラブを自分自身で作って世話をしていますので、 親の気持ちも良くわかります。競技者を目指す子どももいれば、ただ単に楽しみに来ている子どもたちもいます。両方の気持ちがだいぶ分かってきました。 僕自身が子どもの時からオリンピック選手を目指すような子どもではなかったので、基本的には遊びの中で体を動かすのが楽しいということを目的にしています。 僕のクラブは陸上クラブですが、走ることはやらされると、これほど嫌なものはないですよね。グラウンド何周走れ、ダッシュ何本といわれるのは本当に楽しくないので、 まずは楽しんでいるうちに自然に「凄く走っていた」や「体を動かしていた」という状態にするのが良いと思っています。
河野理事長  朝原さんはこれからの指導者の新しい形を模索しているように感じます。昔の指導者はトップレベルがメインですが、朝原さんは両方されています。 おそらく今後そのような方向になっていくと、トップと楽しみとしてスポーツをする子どもたちとが上手く繋がるのではないかと思います。何か意識してやっておられるわけですね。
朝原氏  そうですね。トップはトップで目指したい人は目指してほしいですし、才能のある人はどんどん頑張って欲しいですが、そうでない子どもが大半なので、そちらを無視できないです。 スポーツの楽しさはトップだけでなく、一緒にする子どもたちにも味わってもらいたいと思っています。
クラブの子どもたちを先日の日本選手権にバスで連れて行きました。うちのクラブで教えているコーチがオリンピックの選考会に出場していたので、それを観て「コーチ凄いな」というのと「僕も頑張りたいな」と、 単に「陸上って楽しいな」など色々な形の応援や参加があって良かったと思いました。
河野理事長  コーチをやっている方と子どもたちが近くなりますね。
 
河野理事長  柴田さん、みなさんの話を伺ってどんな活動をしたいと思われましたか?
柴田氏  私もずっと水泳をやってきて、トップのことしか分からなかったのですが、辞めて色々なところで水泳教室に行ったときに思うのは、オリンピックを目指して始めた小学生や中学生もいれば、 単に泳ぐことを楽しんでいる人もいて、スポーツとの関わり方は色々あるということを凄く感じています。ただ、今私はトップへの指導よりは、底辺のところをもっともっと広げていきたいと思っています。 特に、小学校を回って1人でも水嫌いの子どもをなくすことができればいいなと思い活動しています。 これまで競技をしていた時はオリンピックを目指すのがスポーツをする上で当り前と思っていましたが、そのような考えは実は違っていたのだと今の活動をしながら思っています。
河野理事長  既にされている活動が十分アンバサダーとリンクしますね。
やはり水泳は陸の上で行うスポーツとは違った非日常性があるので、どのように指導されていますか。
柴田氏  小学校の授業は、泳げるようにさせなくてはならないと思っていました。そのため、泳ぐことができない子はますます嫌になってしまう。 でも始めはやはり水遊びから始めると自然に潜ることを覚えたり、走ったり鬼ごっこをしていたら急に泳ごうとしたりします。 私が学校へ行って活動を行う時は、水泳の基本を教えるのは20分くらいだけで、あとの30分・40分はゲームや水の中で遊んでいます。 まずは水に入ることは楽しいことだと思ってもらえるようにしています。
河野理事長  楽しいですか?
柴田氏  楽しいです、私が一番楽しんでいます。
 
河野理事長  やはり教える方が楽しまないと伝わらないですよね。
日本スポーツ振興センターのコーポレートメッセージである『未来を育てよう、スポーツの力で。』については、どのように感じますか。
谷本氏  私はアンバサダーに就任させていただいた一番最初からお話ししていましたが、三世代スポーツというのができたら良いなと思っています。 自分を基準にすると、自分の子ども、そして、お父さん、お母さんがいて、孫を応援しながら一緒にできるスポーツが形になればと思っています。 しかし現状、私の考えだけではマラソン大会やウォーキングなどに限られてしまっています。 それをアンバサダーの仲間たちが増えていったときに、みんなに協力してもらい、案を出してもらい色々な競技でできないだろうか、というのを最初から考えていました。
河野理事長  今、谷本さんがおっしゃったのは、まさにアンバサダーのある側面に重要なことだと思っています。固い言葉になってしまいますが、ソーシャル・キャピタルが重要であると思います。 それは三要素があり、「信頼」「規範」「ネットワーク(絆)」です。今のお話だと、家族を中心としたネットワークづくりですし、地域のネットワークもあります。 この三要素が上手く合わさっていくと、少しでも社会が良い方向にいくのではないかと思っています。 柔道は柔道、サッカーはサッカーと日本のスポーツ界はなりがちな部分もあるかもしれませんが、少しずつ変わりつつあると思います。 その1つとして「こころのプロジェクト」があります。これは今までサッカーだけ閉じていたものを広げました。素晴らしいと思います。 これから各競技の考え方をクローズドからオープンにしていき、競技間の壁を取り除くことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
北澤氏  まさしく、そのようにしていく必要があると思います。このアンバサダー活動がそのような場になれば良いと思います。
河野理事長  実は北澤さんには素晴らしいアイデアを出していただいています。「SPORTS JAPANオールスターズ」というお考えです。ちょっとお考えを教えて下さい。
北澤氏  僕がサッカーを教える活動をするだけでなく、僕自身が柴田さんに水泳を教えてもらったりなど、様々な競技を集めてイベントを開催できたら良いと思います。 また、それとは別に、トップでやる気がある子はどんどん表に出て支援され、応援される機会がたくさんあると思います。 しかし埋もれているというか、次にくる子どもたちがなかなかそのような場が与えられていません。 別の競技もやるきっかけがあったり、別の競技の人が子どもたちを見る機会があれば、新たな素質を発掘できる可能性もあります。 競技をミックスするだけではなく、子どもたちの資質を見る場というのも必要なのではないでしょうか。
 
河野理事長  素晴らしいと思います。みなさんがミックスされていくと、子どもたちもそうなります。このアンバサダーが日本を変えていってくれると期待が凄くあります。 3.11に大震災があり、スポーツの価値が、ある意味貢献できるのではないかと感じたのではないかと思います。この点についてはいかがでしょうか。
朝原氏  スポーツ選手の連携が素晴らしく、誰かに言われたわけでもなく、みんなで声を掛け合い、 まず何が必要かということで、まずお金が必要だろうということで、みんなで寄付し、たくさんの寄附金が集まりました。 そして復旧が進み今度は復興だということで、たくさんのスポーツ選手が現地に行き、子どもたちを元気にしようという活動をスポーツ選手が自主的に行い始めたので反応が大きいのだと思います。
河野理事長  そうですね。みなさん方が自ら声を出して色々なところの方と連携しながらやっていく、これこそソーシャル・キャピタルが厚くなっていると言えます。 ソーシャル・キャピタルが厚いところは、例えば孤独死も少ないし、あるいは寂しい事も少ないし、どんどん行っていくと医療費も少なくなるというのもあるので、チャレンジしていただければと思っています。
ロンドンオリンピック展望
河野理事長  次にロンドンオリンピックの展望を伺います。
谷本氏  私は初めて出場ではない形で携わるので、楽しみたいと思っています。色々な角度からスポーツを観てみたいです。どんな人がどんな気持ちで観ているのか感じ取りたいです。 自分がアテネ・北京と経験して、沢山手紙をいただいたのですが、そこに「ありがとうございました」「私も何かに挑戦したくなりました」「何か頑張りたくなりました」というコメントがほとんどでした。 確かに私も柔道が終わるとレスリング等テレビで放映されていて、吉田選手を観ていると「私も何か頑張りたい」と思いました。自分がその少し前にたとえ金メダルを獲ったとしてもそのような気持が湧いてくるのです。 同じような気持ちが生まれた人たちに何かできないか、活動の場を提供できないかという部分を今回のロンドン後には繋げていきたいと思っています。
河野理事長  サッカーは期待が高いようですが、いかがですか?
北澤氏  女子の活躍が大きく期待されていますが、男女ともにメダルを視野に入れていることができると思います。今回は震災後オリンピックを迎えた日本にとって、より1つになる大きな機会になるのではないかと思います。
河野理事長  陸上はいかがですか?
朝原氏  陸上ははっきりいって日本人がメダルを獲るのは、かなり難しい競技です。しかしシンプルな競技ゆえに、人間の限界みたいな感じでスター選手のパフォーマンスのすごさが分かります。 日本人だけではなく、世界のトップの人を観ることも非常に楽しい競技だと思います。また、陸上ではリレーがあります。リレーになると個人というよりも、国別対抗になりますので、またそれも楽しいです。
河野理事長  水泳は話題が多いと思いますが、いかがでしょうか?
柴田氏  メダルをいっぱい獲ってもらえると信じています。
今の記録が世界ランク何番か等とよく言われますが、意外とそこがくるってしまうのがオリンピックです。 急に速く泳ぐことができたり、速い人でもそこで記録が出なければメダルに届かないので、始まってみないと分からないのです。 ただ今回は北島君も出ますし、北京でメダルを獲っている松田君等、過去に実績を残した選手も出るので、その選手がメダルを獲れば競泳として盛り上がっていくと思います。 競泳が始まる前に柔道が始まっているので、そこでメダルを獲ってくれると、日本チームとして盛り上がります。選手村にメダリストが貼りだされるのですが、それを見ていると、こちらも「やるぞー!」と思います。 競泳としてもそうですが、チーム日本としてJAPANとして、いろいろな人が活躍してくれると、どんどんメダルの期待ができるのではないかと思います。
2020東京オリンピック招致について
河野理事長  オリンピック・パラリンピック招致活動のプレゼンテーターをした柴田さん、すばらしいスピーチでした。ご感想はいかがですか?
柴田氏  5月末に申請都市から立候補都市にしっかり変わることができたので、本当に良かったと思いますが、日本に足りないものは国民の支持率なのだと明らかになりました。
河野理事長  どのようにしたらよいですか?
柴田氏  賛成が47%、反対が20%くらいで、どちらでもよいが30%くらいありました。私もアンケートなどをすると、「どちらでもよい」や「普通」とよくしてしまいます。 ダメだったらダメに丸をするので、どちらでもないと思っている人たちは、良いと思っている人たちだと思います。 そこを何とかしたいと思っています。ただやはりまだ2020年の東京招致という言葉が意外と知られていません。もう少しアピールしたいです。
河野理事長  スポーツ界がもう少しメッセージをださなければいけないのではないか、と感じるのですが、いかがですか?
柴田氏  現役の方たちがメッセージを出してくれたら嬉しいと思ったりしていますが、自分がロンドンオリンピックに出るというという立場だったら、そこまで考えられるかといったらきっと考えられないと思います。 選手たちは結果でオリンピック招致を後押ししてくれるといいのではないか、と思います。
河野理事長  今話題なのはなぜ東京でやるのかということをいろいろな角度から指摘されていますが、それについては、先日のプレゼンテーションで何を話されたのですか?
柴田氏  私自身はやはり東京でしかできないのではないかと思っています。全世界の人たちが来ると考えると東京はアクセスが良いですし、宿泊施設が多いので。
河野理事長  オリンピック、サッカーもそうですが日本が運営などで世界から一番信用されています。今でも1991年の世界陸上は陸上界では「素晴らしかった!」と語り草になっていると聞きます。 またサッカーワールドカップもそうでしたし、そこをうまく数値化できるといいのかなと思います。
河野理事長  谷本さんはオリンピック招致についていかが思われますか?
谷本氏  オリンピックでメダルを獲ったら選手村に貼られるのですが、それを見ると私たちも頑張ろうとすごく思うものです。日本人は相乗効果が生まれやすいかなと感じます。 誰々が頑張っているから私も頑張ろうと思うものです。オリンピック招致に関しても、もっともっと仲間を増やしてスポーツの良さを知ってもらいたいです。 オリンピックが終わった後は柔道教室に非常に多くの子どもたちが集まります。しかしその半年後だと半分以下にガタっと下がってしまいます。 そういった後の環境もみんなが地域でやっていくという受入体制も大切ですし、それを継続して行い、その相乗効果をもっと活かしていくのがベストかなと考えます。
河野理事長  オリンピックは来年の9月に決定し、決まれば7年間東京が世界の主役になります。北京大会の前を思い出すと、ずっと中国の事ばかり報道されていました。 東京がオリンピックの開催都市になれば、7年間は世界中に東京のことが報道されます。こんなチャンスはないのではないでしょうか。まさにナショナル・プロジェクトとしてやるべきことだと思います。 ナショナル・プロジェクトといえば国立競技場を8万人規模のスタジアムへの建替えについて、どうするのかという話があります。 国立競技場は1964年のレガシーとして、50年以上たってもこんなにしっかりとしていて、きれいに使っている建物は無いと思いますが、陸上などのレーン数が世界基準より少なく厳しい状況です。
朝原氏  そうですね、レーン数が少ないですね。
河野理事長  サッカーも2002年の日韓ワールドカップでは使用できませんでした。
3月の初旬に有識者会議を開き、国もバックアップしてくれスタートしています。 スタジアム建設後どのように使用するかについて、サッカーも陸上も両立するようなものさらには、文化面でも活用できる施設になるよう検討していただいています。
発信力のあるみなさんに応援していただくことも重要だと思いますので、ぜひ、よろしくお願いします。

 SPORTS JAPANアンバサダーに今後は皆さんに推薦いただいて仲間を増やしていきたいと思います。そうなれば、オールスターズができます。9月のオリンピックの開催が決まる直前位にオールスターズからも発信できればと考えています。
時間となりました。今日はありがとうございました。
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