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Web杜のたより 第39号(2015.1)

― 何度も繰り返し訓練することが大事 ― 
仙台市立南光台北保育所
 今回の「Web杜のたより」は、まだ歩くこともできない0歳から小学校就学前の乳幼児を受け入れる保育所が、日頃どのような訓練を行い備えているのか、取材することとなりました。

取材に伺った仙台市立南光台北保育所では、東日本大震災前から、年間を通し避難訓練を実施しており、いつ起こるかわからない災害に対して、いざという時にみんなで迅速に適切な行動が取れるよう備えているそうです。
そこで昨年11月に、消防署の指導の下に行われた総合避難訓練の様子を取材してきました。
 京極久子施設長写真
京極 久子 施設長
■避難訓練実施計画について
  仙台市立南光台北保育所は、午前7時15分から午後8時15分までの13時間子どもたちを預かっています。そのため、職員全員がそろうことが少なく、また、施設長がいない時間帯もあるため、どの職員でも対応できるよう様々な非常事態を想定し、子どもたちの安全を第一に考え、年間の避難訓練実施計画を立てています。
年間実施計画一覧[PDF:55KB])
■避難訓練の流れ ~地震後、給食室から火災が発生したことを想定~
①施設長が、放送で地震が発生したことを知らせます。  
毛布の下にじっと隠れる子どもたちの写真 
「地震です。地震です。 
   まだ揺れが続いています。」 
                                                               
 職員は、子どもたちの安全確保のために毛布を広げ、子どもたちは、その中でじっとして揺れがおさまるのを待ちます。
②揺れが落ち着いた後、給食室から火災が発生したことを職員が大声で知らせます。

   「火事だ~!」
 
③避難開始から終了まで
 未満児(0歳から2歳)は1階、以上児(3歳以上)は2階から避難します。(今回は、給食室の火災なので、建物内の階段は使わず、外階段を使って避難しています。)
 0歳児は、おぶったり、抱っこしたり、避難車を利用したりと、職員が手分けして対応しています。
 子どもたちは、真剣な表情で園庭に避難していました。 
        保育所の外階段を使って避難訓練を行う様子の写真
 子どもたちと先生が園庭に無事避難した様子の写真
④避難終了後
 施設長からの「避難の時の大事なことは?」との問いかけに、子どもたちは、「おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない」と元気に答え、みんなしっかり覚えている様子でした。
 消防署の方に元気に敬礼をする写真  消防署の方からは、2階から避難するときに、階段の手すりをしっかり握って降りてきたことを褒められ、転んで怪我をしないためにも大事なことだと教わりました。
 最後は、元気に消防署の挨拶『敬礼!』で終了です。
 訓練が終わった後は、上手に避難することができたご褒美に、子ども向け防災DVDと消防車を見せてもらっていました。  ごほうびに消防車を見せてもらう子どもたちの写真
■東日本大震災時の対応について
 震災当日は、新年度の新入児入所説明会があり、ちょうどその会が終了した頃に大きな揺れが起きたそうですが、日頃から避難訓練を実施していたこともあり、誰一人怪我することもなく、全員無事に保護者と共に降園することができたそうです。
 しかし、沼地や盛土に建っていた周辺の建物は、震災の影響でほとんどが使えなくなり、南光台北保育所の建物も、震災から数日後に危険とみなされ、子どもたちは、近隣の3つの保育所に分かれて代替保育を行ったそうです。
 現在の保育所を建てる際には、基礎工事の状況から保護者に説明し、安全な建物であることを納得してもらった上で入所していただいたとのことでした。

■日頃から備えていること 
 ・ 備蓄食料品は、2箇所に分けて保管している
 ・ プラスチック製棚などは、落下防止のテープを貼っている
 ・ 布団を敷く際は、“もしも”を想定し、落下物等に気をつけて敷く
 ・ 防災マニュアル及び防災かばんを準備することはもちろんのこと、年1回職員全員が救急救命の講習を受講している
 防災マニュアル等防災グッズの写真
■おわりに
 「年度始めの訓練では、非常ベルが鳴るだけで泣いてしまう子どももいましたが、回を重ねることによって泣くこともなくなり、口を手やタオルで覆い、上手に避難できるようになるんですよ。」と何度も繰り返し訓練することの大切さを施設長から伺いました。
取材に行く前は、ある程度自分で考え、行動することができる小中学生とは違い、乳幼児の避難訓練は、職員が大きな声で叫びながら指示をし、子どもたちは言うとおりに行動するのだろうと思っていました。
しかし、実際はそんなことはなく、子どもたち自身で口に手をやり、手すりをつたいながらゆっくりと階段を降りてきて、小さい子どもでも、何度も訓練を重ねれば、こんなにもスムーズに避難できるのだと思いました。
 また、職員の皆さんがコミュニケーションをとり、どんな時でも子どもたちの安全を第一に考え行動できるように日頃から備えていることは、とても大切なことだと実感いたしました。
最後になりましたが、何度も「どこの保育所でもやっていますから。」とご謙遜されながら、お忙しい中ご対応いただいた京極施設長をはじめ、職員の皆様、この場をお借りしてお礼申し上げます。

★JSC教材カード(平成26年4月) 
  『こんな事故が起こっています(幼稚園・保育所編)』

♪こぼれ話♪
 最近では、朝食を食べない人が増えているとの話を耳にすることがありますが、南光台北保育所では食育にも力を入れ、子どもたちに、赤や緑の野菜の話などをするようになったら、現在は全員朝ごはんを食べるようになったそうです。“子どもを通じ親に伝える”子どもたちを第一に考えている、すばらしい愛(アイ)ディアですね。 

 

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