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Web杜のたより 第34号(2014.7)

 東日本大震災で甚大な被害を受けた地域を管轄する仙台事務所として、東日本大震災当時の体験談や日頃からの避難訓練の重要性、被災した経験をもとに事故防止に取組む学校を取材して、『地域たより』で紹介させていただいております。今回は、宮城県女川町立女川中学校に行き、津波の記録を残すことにより、事故防止に取組んでいる生徒たちを取材してきましたので、ご紹介いたします。被災した学校の経験を各地域での震災事故防止の参考にしていただければ幸いです。

~千年後の命を守るために~
『女川いのちの石碑』宮城県女川町立女川中学校
                     年に一度と言われた大震災、女川町は津波によって甚大な被害を受け震災当時は、6
生だった生徒たちが中心となり、津波がこなかった場所に石碑を建立しました。千年
の人たちにも津波の教訓を伝えたいという、この取組みを取材して、今後の各学校で
津波対策に役だててもらうため、地域たよりで紹介させていただきます。尊い大切な
を守るために、3つの柱を生徒達は、社会科の授業で考えました。「記録に残す」「絆
深める」「高台へ避難できるまちづくり」です。「記録に残す」では、津波から人々を
るためには、津波がこなかった所に石碑を建立すれば千年後も地域の方々の命を守れ
のではと考えたのです。この取組みの決定後に、女川中学校の生徒達は募金を集める
めに、色々な意見を出し合い議論したのでした。その結果、石碑の建立目標金額も早
に到達することができました。今後、成人式までに地権者と話し合いながら21地区
石碑を建立する予定です。現在、6基目の建立に向けて計画を立てています。 

    
 津波対策を考える!
 東日本大震災で、宮城県女川町は人口の1割近くが犠牲になってしまいました。高台にある女川中学校は、ぎりぎりのところで津波からまぬがれました。小学校6年生で被災した児童たちは、制服も鉛筆も揃わずに女川中学校に入学しました。1年生秋の社会科の授業で生徒達は、津波対策について考えました。千年に一度の大震災、女川は、どうしたら、次の被害を防げるだろうかと、みんなで意見を出し合いました。 
 石碑を建てよう! 
 そこで、意見が出たのが、避難の目印となる石碑を作ることでした。町内の21地区の浜に
津波が来たところよりも高い所に建てます。石碑を建てることによって、千年後まで津波の教訓を伝えることができるからです。石碑には、1年生の授業で震災の体験を詠んだ句を刻むことにしました。未来に向けて希望のある句をみんなで選びました。  
 石碑を建てるには!
 2年生の秋に自分たちの津波対策について町長や町議会議員に提案しました。これからの街づくりに生かしてほしいと思ったからです。しかし、この提案を実現するのは、簡単なことではありませんでした。21基の石碑を建てるには、1基あたり45万円が必要で全部建てるには、約1,000万円もかかるからです。生徒たちの胸に不安がよぎりました。
 100円募金で集める! 
 どうやったら、こんな大金を集めることできるか、生徒たちは議論をしました。時間がかかるかもしれないが、100円募金で集めたいという意見がでました。なぜ100円にこだわったのかというと、誰かに大口で募金を貰ってやるだけだと、自分たちでやる意味がないと思ったからです。自分たちで、できる限り集めて石碑を建てたい、それがみんなの願いでした。
 募金の開始! 
 2年生の3月に、まず町内の会社やお店を回り、募金を呼びかけました。1,000万円を集めるには、一人100円で10万人の募金が必要になります。募金のチラシのイラストも手作りで作りました。街頭やたくさんの人達が集まるお祭りの会場で、募金をしていただき、みなさんの気持ちを一つずつ受け取りました。
 修学旅行でも! 
 3年生の春に東京への修学旅行に行きました。文部科学省や復興支援に協力していただいた多くの企業や大学を手分けして回りました。震災当時の経験や「未来に笑顔を咲かせたい。」という希望を説明し、皆さんに募金のお願いをしました。 
 石碑を建てる場所探し! 
 3年生の夏休みは、石碑を建てるため、津波がこなかった場所を探し歩きました。大丈夫だと思うところがあれば、石碑の写真を持って立ちました。候補地の地権者に石碑建立の経緯を説明して、建立の許可をお願いしました。 
 第1基目建立! 
 全国からたくさんの支援を受けて予想よりも早く、半年で目標の1,000万円を集めることができました。生徒達は、21地区の石碑一つずつに、自分たちの想いを伝えるため、違う俳句を刻むことにしました。1基目は、もちろんみんなで決めたあの俳句です。平成25年11月23日、生徒達の願いが実現しました。1基目の設置場所は津波からまぬがれた、自分たちの中学校に決めました。中学校を卒業するまでには、1基目は建てたいというみんなの夢が実現しました。 
 石碑に刻まれた言葉!(抜粋)                   
 女川いのちの石碑 千年後の命を守るために
 千年後のあなたへ
 千年後 もし、大きな地震が来たら、この石碑よりも上へ逃げてください。
 逃げない人がいても無理やりにでも連れ出してください。
 家に戻ろうとしている人がいれば、絶対に引き止めてください。
 今、女川町は、どうなっていますか?
 悲しみで涙を流す人が少しでも減り、笑顔あふれる町になっていることを祈り、
 そして信じています。
最後にみんなで考えた、1基目の石碑に刻んだあの俳句(女川中学校 敷地内設置)を紹介して終わりにさせていただきます。  
 夢だけは 壊せなかった 大震災
 学校敷地内に立てられた1基目の石碑と石碑に刻まれた句の写真
 石碑裏側から校舎を撮影した写真と石碑横にある第一号碑建立記念植樹の写真
 ※石碑の裏側には、生徒達の発案で、英語・フランス語・中国語で同じ意味の言葉が刻まれています。

 近年、通学中の死亡事故が多くなってきており、センターでは、平成11年度から平成24年度までの死亡舞金・供花料等の支給を行った通学中の小学校、中学校及び高等学校の外因による死亡事故に係る事例877件について分析を行いましたので、紹介させていただきます。なお、詳しい内容をごらんになりたい方は、学校安全Webでもダウンロードが可能ですので、ご利用ください。  
 H11~24年度の通学中死亡事故の事故種別・学年別件数グラフ
 H11~24年度の通学中死亡事故の事故種別・学年別件数内訳表(突然死等を除く)
                                            「通学中の事故の現状と事故防止の留意点」調査研究報告書より
 全体877件の内訳は交通事故701件、地震・津波78件、転倒・転落33件、犯罪被害16件、鉄道事故15件、水面へ転落15件、大雨9件、物体と衝突7件、遊具、落雷、落雪が各1件で交通事故が約80%を占めた。
 また、学校種では高等学校が多く、学年別では、各学校種で1年に多く、学年があがるにつれて減少していた。
 これをみると、事故防止には交通安全、防犯、防災と幅広い観点からの対策が必要であることがわかる。 

 

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