大阪かわら版 第61号(2013.10)

通学路の安全について ~地域・保護者の方と一緒に~ 

 

日本の安全神話は、もう昔の話となってしまったのでしょうか・・・
 子どもや高齢者を狙った悪質な犯罪は後を絶たず、保護者は子どもたちの活動に、より一層注意しなければいけないのが現状です。
 また近年、全国で相次いだ通学路での傷ましい交通事故を受け、国土交通省、文部科学省、警察庁は、道路管理者、教育委員会、都道府県警察など関係機関に緊急合同点検の取り組みを要請し、全国各地でいろいろな安全対策がとられています。
 今回は、大阪府豊中市での取り組みについて、豊中市立寺内小学校 鈴木貴雄 校長先生と教育委員会の担当者にお話を伺ってきました。
 豊中市も国からの要請を受け、教育委員会及び関係機関が通学路の緊急合同点検を実施しました。市内の41小学校からは、歩道と車道の区別がなく危険、見通しが悪いなど、302の危険箇所が報告されました。

 
カーブミラーの設置や路面標示などの交通安全施設の整備を行うとともに、教育委員会において具体的な対策を検討した結果、登下校の安全確保のため、「通学路であること」をこれまで以上にアピールするために、「こども安全つうがくろ」の旗を作成することになりました。
 朝の登校風景

朝の登校風景
通学路脇のフェンスにはピンクの旗が並びます

 鮮やかなピンクにマチカネくん

 

 縦40cm、横30cmのやや縦長の旗には、豊中市のキャラクターである「マチカネくん」がランドセルを背負ったイラストが描かれています。そして、何よりも鮮やかなピンク色に目が行きます。豊中市は自然豊かな地域であり、緑の旗では樹木にまぎれてしまうため、目立つよう配色にも考慮されたようです。確かに、インパクトのある色彩です。

 各小学校41校に100本ずつ配布され、登下校の際の見守り活動やパトロールの際に使用されています。また、通学路に設置し、「ここが通学路であること」を印象づけています。

 

鮮やかなピンクにマチカネくん

 
ピンクの旗の具体的な取り組みについて、寺内小学校の鈴木校長先生にお話を伺いました。  

センター:

校  長:                                     

ピンクの旗をどのように活用していますか?

地域のボランティアの方々による「子どもの安全見まも り隊」という活動があります。登下校時に、通学路の交差点等で子どもたちを誘導したり、パトロールしてただいていますが、その際にピンクの旗を使ってもらっています。
 現在、約10名の方に協力いただいており、「できる時 にできる活動を」をモットーに、無理することなく、ボランティアというみなさんの気持ちを大事にしてお願いしております。
 また、PTAの方による交通指導(見守り) にも、このピンクの旗を使用してもらっています。
 鈴木貴雄校長先生

鈴木 貴雄校長先生
ピンクの旗と一緒に


センター:



校  長:

交通安全といえば、黄色い旗のイメージですが、新調されたピンクの旗の反響はいかがですか?

やはり、色にインパクトがありますね。
 通学路の交通安全という目的以外にも、ドライバーに対しての啓発があります。印象に残るため、ドライバーも無意識に気をつけようと思ってくれるのではないでしょうか。
 ピンク色を見たら安全運転をしようという意識づけになったり、子どもたちには、街のいたるところでみんなが見守っているよという安心感を感じてもらえたら・・・と思います。
     見まもり隊の方 
   見まもり隊の方
ついでだから…とおっしゃる優しさに感謝!
                     

 黄色の「こども110番」の旗もありますが、これは緊急時に子どもたちが立ち寄れる箇所の表示であり、防犯が目的であるため、今回のピンクの旗は交通安全に特化したものということで作成したとのことです。 

 
校      長: 

校区の一部が吹田市と隣接しており、設置者の異なる2校の児童が行き交う交差点があります。朝は交通量も多くカオス(混沌)状態となるのですが、両校のPTAが集まり、どちらの学校の子どもであっても、見守りや注意をしていこうという話し合いを持たれました。市は異なりますが、校長間でも連絡を取り合うようになりました。 
 
 PTAの見守り当番に関しても、次の方への受け渡しが問題点でしたが、旗を入れる箱を作って、終了後は旗を箱に戻すというアイデアがPTAより出てきました。箱の製作は学校用務員さんの協力がありましたが、その箱の設置に関する交渉はPTAの皆さんがされました。ちょっとした工夫ですが、いいアイデアですよね。 
 
 見まもり隊やPTAの方々をはじめ、地域のみなさんの力で進んでいくことは、すばらしいことだと思います。
 

           PTAによる見守り  旗の受け渡し箱
 

PTAによる見守り
毎朝、ありがとうございます

旗の受け渡し箱
見守り終了後は、黄色の箱へ戻します

           寺内小学校では交通安全以外にも、保護者や地域と協力して取組まれている行事・イベントがたくさんあります。 
 昔あそびや昔のくらしを知るという授業での話をお願いしたり、校庭の芝生の維持管理(水遣りや雑草抜き)では、多くの方の協力のおかげで、見事「おおさか芝生優秀賞」受賞につながったようです。
 また、子どもたちが花の苗を育て、その苗を地域の皆さんや保護者と一緒に
植える「花いっぱいプロジェクト」では、自分たちが育てた花が公園や街の植栽帯に咲いているのを見て、その場所をきれいにしたいという気持ちが子どもたちに芽生え、ごみ拾いなど子どもたちが率先して行っているそうです。花を育てる体験・喜びを通して、そんな気持ちの花も咲いたのですね。
 
センター: 


校  長: 


センター:  
学校の行事・イベントを通じ、学校が地域のみなさんの交流の場になってきているように思いますが、いかがですか?

そうですね、小学校がそのような役割を担えたらと思います。 学校を介した地域づくり、まちづくりにつながっていけば、すばらしいことですね。

地域の情報発信のひとつとして、今後とも子どもたちの安全のために、御協力よろしくお願いいたします。
         取材を終えて

 「地域やPTAの方の力を感じています。」と校長先生。地域の交流の場となるべく、きっかけ作りに尽力された成果は、着実に表れているように感じました。通学路を案内していただいた際も、偶然見まもり隊の方に遭遇して立ち話。大きな街では地域の方が校長先生の顔をご存知であることって、なかなかないですよね。今までのやり方にとらわれず、「子どものために時間とお金を使いましょう。」との校長先生の声に、PTAの方も非常に協力的、積極的に動いてくださっているようです。
 
今は地域のコミュニケーションが希薄となりつつあると言われていますが、この寺内小学校区は、「地域力」、そんな言葉を体現しているように思いました。

       

 平成24年度に災害共済給付を行った事例をご紹介します。
   《医療費給付事例》 
学年 性別 事例 
小学校
3年
男子 登校中集合場所に向かう際、マンホールに足をすべらせ前のめりで転倒した。マンホールは雨で濡れており、転倒の際左手首を道路に打ちつけた。
小学校
3年
男子 学路を登校中、曲がりかどから飛び出してきた自転車と左足が接触した。自転車はそのまま行ってしまい、相手は不明である。
小学校
4年 
女子 前後左右の友人と話しながら歩いていたときに、アスファルトのでこぼこに足がひっかかり、転倒し左肘を地面に打ち付けた。
《障害見舞金給付事例》
小学校
6年
女子 徒歩で登校中、舗装されていない道でつまずき転倒した際、顔面を石に強打し、前歯を負傷した。  

 

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