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名古屋☆通信 第99号(2014.03)

伝えようみんなの笑顔(統計情報システムの活用)

~石川県白山市立蕪城(ぶじょう)小学校~

 「統計情報システム」という機能が『オンライン請求システム』に備わっていることをご存知でしょうか?
 学校の管理下における災害に関する統計情報が閲覧でき、帳票・グラフ・CSVで出力することができます。また、データを加工して保健だより等に活用頂くことが可能です。
 今回は、石川県白山市立蕪城(ぶじょう)小学校を訪問し、統計情報システムの活用方法について養護教諭の北原先生にお話を伺いましたのでご紹介します。  
 白山市立蕪城小学校概観【学校の概要】

 蕪城小学校は、石川県南部の白山市にあり金沢市からも近く新興住宅地と、白山連峰を望む昔ながらの田園風景が混在する地域にあります。平成18年に建てられた校舎は外観が重厚なレンガ積みで、内装は白山麓産の木材を使用しており、空間を多く利用した温かみのある学び舎で、775名の児童が元気いっぱいに過ごしています。

【安全の取組みについて】


 蕪城小学校は、その校舎の特徴上、廊下も広くて開放的になっており、ついつい走ってしまう児童の姿が頻繁に見受けられました。昨年度は廊下でのけがが非常に多かったので、本年度の安全の目標を『廊下歩行の徹底』と決めました。養護教諭と保健主事と体育専科の教員とが相談し、体育館から出た場所には『走るな ろうか』裏面の体育館の入り口には『走ろう体育』と大きく表示した先生方の手作りの看板を掲げました。
 先生方の手作りの「走るなろうか」の看板  「走ろう体育」の看板
 この看板は廊下歩行を呼びかけるだけではなく、『走ろう体育』の掲示で、体力アップも呼びかけています。
 月に一度の全校集会では、廊下歩行についてのお話をしたり、教職員の朝礼では近隣の学校で発生した大きなけがの情報を共有しています。また、児童にけがを減らす意識付けをするために、運動会の練習の時期であれば児童委員会が「爪を切ろう」「集中して準備運動をしよう」といった事故防止につながる放送を給食の時間にしたり、高学年の児童で構成された保健委員会が「けがマップ」の作成をしたりしています。 
 「けがマップ」とは、大きな用紙に校内の見取り図を描き、どの場所でどのようなけがが発生しているかをシールで印し、けがの多い場所には多くのシールが貼られます。シールには、けがの内容が書き込まれ、このマップでけがの多く発生する場所やけがの種類が一目で分かり、児童たちも真剣に見ています。
 けがマップを真剣に見る児童たち  けがマップのシールと内容
 また、廊下の曲がり角や、棚の突き出した場所など危険だと感じた所には、児童がポスターを作成し、掲示することで注意喚起を行っています。
 児童が作成したポスターが柱に貼ってある様子  「ろうかであそばない」の児童手作りのポスター
   
【統計情報の活用事例】

◆データ活用の効果
 北原先生は本年度4月に蕪城小学校に赴任し、引継ぎの際にけがが多いと聞き、けがの件数を感覚的に多いと把握するのではなく、数字で把握することが必要だと思い統計情報システムを使い、けがの発生率を出し、自校と全国、市とを比較しました。
 平成24年度日本スポーツ振興センター負傷発生率 小学校(全国)6.17% 蕪城小学校13.08%
 その結果、蕪城小学校のけがの発生率が全国、市と比較して突出して多いことが分かりました。また、県の10年経験養護教諭研修での発表用の資料を作るうえで、調べていくうちに、廊下でのけがと運動会でのけがが特に多いと、けがの発生の特徴を捉えることができました。
 児童の放送を使ってのけが防止の呼びかけ  廊下でのけがは本年度の重点目標である『廊下歩行の徹底』を教職員で取組んだ成果により、今のところは発生件数1件に留まっています。運動会でのけがは昨年度は練習、準備、本番で発生し、保健室への来室が多かったそうですが、今年度は児童が放送を使ってけが防止を呼びかけることで、減らすことができました。
◆今後の課題 
 『夏季期間のみであるのにも関わらず、プールでのけがが多いのはどうしてか。』プール時には準備体操をしっかり実施しており、ふざけている児童もいないのにけがが多いことに、北原先生は疑問を抱かれていました。しかし、蕪城小学校では、児童数の都合上、3クラスが同じ時間にプールを使用しています。100名弱の児童が一同に25m6レーンのプールを使用するため、混雑を避けられない現状があります。北原先生はこの現状に着目し、来年度のプールでのけがの防止対策を考えておられます。
 統計情報システムによって得られたデータを基に教職員同士で話しが出来ることは強みです。けがの件数を教職員が把握し、けが防止の意識を高め、児童にはけがを減らす意識付けを行うことで、けがの防止に繋げたいとのことです。


~取材を終えて~

 統計情報システムを活用し全国、市と比較したり、システムから得たデータを活用しその結果を分析することで、自校の災害の特徴を知ることもできます。北原先生の今後の目標は、けがの発生率が全国平均(6.17%)を下回ることだとおっしゃっていました。統計情報システムのデータを基に、自校の特徴を捉え事故防止対策を考えて実施することの繰り返しで、確実にけがが減るのだと実感しました。


【白山市立蕪城小学校における災害発生件数の推移】(統計情報システムより)
白山市立蕪城小学校における災害発生件数の推移(平成24年度、平成25年度1月給付分まで)
※蕪城小学校は、教室の間にオープンスペースが多くあり、多様な学習形態に対応する空間となっています。このオープンスペースをオンライン請求システムへの入力の都合上、廊下として入力しています。本年度は廊下での災害が5件となっていますが、そのうちの4件はオープンスペースで発生しています。 

 

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