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名古屋☆通信 第96号(2013.11)

          伝えようみんなの笑顔(熱中症予防) 

                           ~静岡市立中田保育園~

 全国各地で観測史上最高気温を記録したこの夏!
 
各園や学校でも、いろいろな対策で熱中症を防ぐために苦労したことだと思います。そこで今回は熱中症対策に積極的に取り組み、この夏を過ごした、静岡市立中田保育園へ取材に行ってきましたのでご紹介いたします。
 
静岡市立中田保育園は、周りにはマンション等も立ち並ぶ中、田園もまだ残っている住宅街に位置しています。1~5歳児まで各2クラス、0歳児1クラスの園児総数211名、職員総数57名の静岡市内最大の公立保育園です。

「熱中症予防」への取り組みのポイントとしては、大きく3つが挙げられます。

      ①園の環境改善
   ②保護者への啓発
   ③職員間の情報共有

上記のポイントを徹底し、中田保育園では、昨年度・今年度共に熱中症発生件数0を達成しています。

 では、その内容を詳しく見ていきましょう。

園庭での水遊びの様子 

①保育園の環境改善
園庭芝生化
 静岡市の4年計画(23~26年度)で、中田保育園は24年度に園庭の芝生化を実施しました。職員が芝生を養生する研修を受け、種から育てます。夏芝・冬芝と手入れは大変ですが、指導者を招きながら知識をつけ、芝生を養生していきました。
→結果
  土の園庭だと、水撒きをすると泥や水溜りとなったり、地面もすぐに熱くなってしまい、なかなか外遊びはできませんでした。しかし、芝生にしたことによって、照り返しも軽減し、子どもたちが夏に裸足で園庭で遊ぶことができるようになり、気温や天候に応じての遊びの幅が広がりました。また、芝生は柔らかいので、転倒などによるけがも減ったそうです。 

 グリーンカーテン
・グリーンカーテン
 グリーンカーテンは、中田保育園が自主的に3年程前から育てています。あさがおやゴーヤなどの植物を用い、大きなカーテンを作りました。日陰を増やしたり、葉の表面から水分が蒸発する際に気化熱を奪う蒸散化作用を利用し、周りの気温を下げることが期待できます。
→結果
 グリーンカーテンを設置したことで、日陰が増え、室内の温度を調整するのに役立っています。また、緑が増えたことによってトンボなどの虫が寄ってくるようになり、子どもたちはとても喜んでいるようです。


 
・エアコン設置
 静岡市では、乳児・幼児クラス全部屋にエアコンを設置する計画を23~25年度に実施しており、中田保育園は23年度に全部屋に設置されました。
→結果
 熱中症対策はもちろんのこと、体調維持ができる子が増えたり、除湿効果によって、とびひ等の皮膚病が軽減されたように思います。

・その他
 テントやUVシートを設置して日陰を増やしました。また、子どもたちがかぶる帽子はたれつき帽子にし、なるべく直射日光を浴びないような工夫をしました。

 ②保護者への啓発
・お便り等を配布し、熱中症予防についての知識・取り組みを共有する
・送り迎え等の保護者と対面する機会に、情報を提供する

・10月まで毎日水筒の持参をお願いする
→結果
 家庭で水を飲みたがらないため、園で検温をすると体温が高くなっている子がいました。園では水分補給をこまめに行っており、その重要性を保護者に伝えると、家庭でも水分補給をきちんと行ってくれるようになり、園で体温が高くなることがなくなったという事例がありました。

③職員間の情報共有
・毎年4月に各マニュアル(熱中症対策含む)の読み合わせを必ず行う 。
 
→公立保育園なので毎年職員が入れ替わるため、情報の共有を図ります。
 
・携帯型熱中症計や各部屋の温度・湿度計を随時確認し、職員間で注意喚起を行う。
 →数値だけでなく、体感で冷房をつけたり、窓を開けて風を通すようにしています。

・子どもを含めた集会を行い、正しい生活習慣や水分補給のタイミングについて職員が実演する。
 →実演することで、子どもたちが理解しやすいように工夫しています。

・保育課や看護師との連携を密にし、報告や連絡をする等
 →市の看護師の巡回指導の際に、個別に相談できる体制をとっています。

 園児の夏の遊びの様子(掲示物)
【取材を終えて…】
 
市の保育課や園の職員の方々の努力の甲斐あって、子どもたちは夏場でも元気に外で遊べるようになったと知り、ぜひ他の園・学校でも中田保育園の対策を参考にしていただければと思いました。また、「芝生やグリーンカーテンに接する園児たちの顔や活動を見たら手間はかかっても、努力していくことが何より大切です。」と胸を張って答える園長先生の姿を拝見し、熱中症発生件数0であるのにも頷けます。
 時には命に係わる熱中症。なってしまった後の対応ももちろん大切ですが、まずは熱中症にならないための工夫にも力を入れることの重要性を改めて感じました。


平成24年度 学校の管理下における熱中症の災害事例

事例1

保 4歳 男

保育中

死亡見舞金

保育所内で遊び中、行方不明となり、捜索していたところ、廊下に設置してある木製棚の中で意識不明の状態で発見された。救急車で病院搬送し、救命措置を受けたが死亡した。

事例2

幼 4歳 男

保育中

医療費

夏期休業中の預かり保育で体育教室を実施。小学校の体育館で行った。体育館の窓は開け、風通しはよい環境であったが、蒸し暑い状況であった。鬼ごっこやマット運動、サーキットの活動をし、途中、2度の水分補給をした。幼稚園まで徒歩で帰り、昼食の用意が始まった頃から、少しいつもと違う様子になった。座る席がなかなか決められずうろうろとしていた。体を触ると熱っぽかったので、熱を計ると38度を超えていた。

 

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