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広島もみじ通信 第57号(2015.3)

           地域とともに未来の防災を考える
             地
域自主防災組織合同防災訓練
                ‐徳島県美馬郡つるぎ町立半田中学校‐

地域自主防災組織合同防災訓練の様子

 平成26年11月30日(日)、つるぎ町立半田中学校及び、隣接する半田スポーツセンターにおいて、教職員、生徒、自主防災会、役場、教育委員会、社会福祉協議会、町立半田病院、保健センター、美馬西部消防組合消防団本団、第8分団、美馬西部消防組合消防署、徳島県西部総合県民局、つるぎ警察署、日本防火協会が参加し、合同防災訓練が行われました。
 地域とともに未来の防災について考える1日となった訓練の様子をお伝えします。
盆地に満ちる日の匂い ~半田中学校~
 早朝、朝霧の残る駅に降り立ち、学校に向かうと、半田中学校校舎写真「おはようございます!!!」と校長先生の大きく気持ちの良いあいさつに迎えられました。霧が徐々に晴れ、現れた山頂からあたたかな日が差し込み、まさに校歌に歌われている「盆地に満ちる日の匂い」の風景が目の前に広がりました。
 山々に四方を囲まれ、盆地の中心に位置する半田中学校は、平成17年3月、3町村が合併し、つるぎ町が新しくスタートしたため、北は吉野川南岸沿いから、南は八千代地区に至る広範囲の校区を抱えています。
 「創造と調和」を目標に掲げ、全校生徒93名(平成26年度)が、豊かな自然環境と地域住民の温かい視線に見守られ、のびやかに学校生活を送っています。

合同防災訓練

 合同防災訓練は、半田中学校少年少女消防クラブ員の防災意識の向上を図り、地域を守る「自助・共助」の精神を基本に行われています。 訓練で生徒が運動場に避難した様子
 8時40分、地震による火災発生という設定で避難訓練がはじまりました。生徒、教職員が校舎内から運動場へ避難し、整列、点呼、校長への伝達まで要した時間が3分8秒と、迅速に行われました。
 その後、開会式の隊列を取り、消防クラブによる訓練デモンストレーション、体験コーナー、炊き出しという流れで、一日の限られた時間の中で様々な体験が出来るよう無駄なくプログラムが組まれています。
 開会式での校長のあいさつの中で、災害の際の心構えとして「1.最善を尽くす、2.想定に囚われない、3.自分がまずは避難できること」と話されていましたが、これは十分な訓練を基盤とし、初めて可能になることだと感じました。

少年少女防災クラブ

整列する半田中学校少年少女防災クラブの生徒たち 平成22年に発足した半田中学校少年少女消防クラブは、「災害時に自分で考え行動できる生徒の育成」をめざし結成された自主防災組織で、2年生が課外活動に位置づけてその活動に当たります。年度当初、町の危機管理課、消防署の予防課を招き結成式を行い、年間を通して講習や訓練を重ね、消防クラブ員としての自覚と行動を身につけます。
 
 
 

 
 この日行われた消防クラブによる訓練デモンストレーションは、半田中学校に隣接する住宅より午前9時30分に火災が発生したという想定で行われました。
消火班によるホースでの放水訓練の様子 消防車のサイレンとともに消火班が出動し、消火器による初期消火が行われました。続いて軽可搬ポンプ隊が出動し、美馬郡西部消防組合消防団第8分団と協力し、消火に当たりました。大人でも重いであろうホースを、協力し合い、責任を持って任務に当たることで、安全確実に放水をし、消火活動に当たっていました。
 
 
 続いて、地震発生により校舎内に取り残された生徒がいるという想定で、救出活動、救急救命処置の訓練が行われました。消防クラブ員29名は6班に分かれ、竹2本と毛布で簡易担架を作り、校舎から負傷者を搬出し、人工呼吸、AED、止血などの救命処置を実施しました。
 クラブ員は緊張した面持ちでしたが、手際よく迅速にそれぞれの持ち場で動き、日ごろの訓練の成果が出ていました。消防クラブ員の生徒に感想を聞いたところ、「人工呼吸を人前でやるのは恥ずかしかった」や「緊張したが練習と同じように出来た」と言った声が聞かれました。 

 負傷者の搬出、AED装着の訓練の様子

防災ヘリ離着陸訓練見学、体験コーナー

   防災ヘリ離着陸訓練の様子

 訓練デモンストレーションの次は、防災ヘリ離着陸訓練見学です。突風と砂煙とともにグラウンドに防災ヘリが着陸し、中から隊員の方が降りて各々配置に付く姿は、ドラマを見ているようでした。
 装備の説明を受け、実際に使用されるサバイバルリングなどを装着し、救助の疑似体験をした後、ヘリの近くまで行って見学をしました。興味深く内部を見学をする様子や、隊員の方に積極的に質問をしている生徒の姿が見られました。

 防災ヘリを興味深く見学する様子
 その後行われた体験コーナーは、グラウンドでは県内唯一の起震車による地震体験、実際に火を使っての初期消火訓練、住宅用火災報知機設置促進活動、ロープワーク講習、応急担架訓練が行われ、半田スポーツセンターでは、三角巾の取り扱い等応急手当、心肺蘇生法・AED講習、DMATによる装備等の説明、防災用品展示コーナー、非常食炊き出しコーナーなど盛りだくさんの体験が用意されていました。生徒全員が様々な体験ができるよう、グループごとに時間を区切り、効率的体験できるよう計画されていました。
 起震車による地震体験、初期消火訓練等の様子
 起震車では過去に起こった大地震や今後起こるであろう南海トラフ地震を想定した震度体験をし、生徒に感想を聞くと、「自分の家で夜に起こったりしたらパニックになる」「生きている間に(南海地震が)来るなんてとても怖い」など、とても恐怖に感じたことが表情にも現れていました。起震車では過去に起こった大地震や今後起こるであろう南海トラフ地震を想定した地震体験をし、生徒に感想を聞くと、「自分の家で夜に起こったりしたらパニックになる」「生きている間に(南海地震が)来るかもしれないと思うとても怖い」など、とても恐怖に感じたことが表情にも現れていました。

炊き出しコーナー

 グラウンドで様々な訓練が行われている一方で、調理室では半田地区婦人会を中心に炊き出しの準備が進められていました。200人分のカレーの下ごしらえと、災害時に少量の水で炊飯できるご飯の準備をし、半田スポーツセンターに場所を移動して、大なべで本格的な炊き出しが始まりました。 炊き出し用カレーの下ごしらえの様子
 炊き出しのリーダーにお話を伺うと、阪神淡路大震災や東日本大震災の際に災害ボランティアに行かれた経験があるとのことでした。そこで得たノウハウを伝え、身をもって実践することで、誰もが防災のリーダーになれるようにしたいとのこと。ここでもまた、未来の防災を見据えたお話を伺うことができました。
 最後に、炊き出しのカレーを先生や生徒、地域の皆さまと一緒においしく頂き全てのメニューが終了しました。
 
        

 完成したカレーと災害時に少量の水で炊飯できるご飯
終わりに
 このたびの取材は、災害実地調査において、地域と中学校とのつながりについて伺った際に、地域自主防災組織合同防災訓練を行っているという情報を得たことから始まりました。
 早朝よりスタートした訓練は、地域や関係団体の連携協力の下、様々な体験ができるよう計画されていました。これは学校教職員の方々が受身ではなく、積極的に地域に出向き、関わりを持つことによって得られた太いパイプに因るところが大きいと思われます。
 また、地域の方々も学校に関心を寄せ、生徒達を見守っておられることが婦人会や消防団の方たちのお話からも伺えました。
 今回の防災訓練ですが、AEDや人体模型を使っての救急救命処置の訓練は、学校生活の中で起こった時にも、迷わず行動に移せる自信につながり、大切な命を守ることで学校の災害の減少にもつなげられると思いました。 
 この防災訓練の1週間後、つるぎ町は全国ニュースでも取り上げられた大雪に見舞われました。幸いにして被害は無かったとのことですが、日ごろの防災意識の大切さを痛感したと話されていました。


今回ご紹介した学校のホームページをご覧ください。
徳島県美馬郡つるぎ町立半田中学校HP

 

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