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岩上センター長のひとことコラム「散歩道でふと」

岩上前センター長のひとことコラム


07 20

投稿者: host
2011/07/20 10:00

  デカスロン(decathlon)て?耳慣れない言葉ですね。辞書で調べてみましたら、モノ(1)、ジ(2)、トリ(3)、テトラ(4)、ペンタ(5)、ヘキサ(6)、ヘプタ(7)、オクタ(8)、ノナ(9)、デカはギリシャ数字の10のようです。ご存じのトライアスロン(triathlon)は、スイム、バイク、ランの(tri―3)と「競技」を意味するathlonとの合成語、我々の身近にも、モノレール、ジレンマ、トリオ、テトラポット、ペンタゴン、ヘキサゴン、オクトパス、ノベンバー、ディセンバーなどのギリシャ数字が使われておりますが、デカスロンは、10の競技と言うことになります。

  6月上旬に、第95回日本選手権混成競技が行われました。この大会で、日本人初の8,000点を超える8,076点の日本新記録が誕生しました。混成競技って何?十種競技と言えばお分かりでしょうか?まだまだヒントが必要な方には「楊 伝広」と言えば?1960年のローマオリンピックで十種競技の銀メダリスト、アジアの鉄人と称されました。

  前置きが長くなりましたが、陸上競技男子の一種目です。一日目は、100m、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m、二日目は、110mH、円盤投、棒高跳、やり投、1,500mと二日間で合計十種類の競技を行い、それぞれの記録を得点に換算し、その合計得点で競い合う競技です。
ご覧の通り、この競技はスポーツの基本となる走,跳、投の総合的な身体能力と熟練した技が求められ、この勝者は「キング・オブ・アスリート」として称えられております。

  これまでの日本記録は、7995点(1993年)、8,000点突破に向け沢山のアスリート達が挑戦してきております。残りあと5点の壁を破るまでに実に18年の歳月を要しましたが、今回の覇者、スズキ浜松AC所属の右代(うしろ)選手は、若干24歳、身長196cm、体重93kgと体格にも恵まれており、これからが楽しみな選手、キング・オブ・アスリートの卵といえます。卵から雛にかえり大きく羽ばたいていくには世界との距離を認識し、しっかりした目標を掲げ一歩一歩前向きに努力していく気構えが大切です。

  前回、北京オリンピックの金メダリストクレイ選手(米)と比較してみましょう。クレイ選手は、1980年生まれの31歳、180㎝、84kgとこの種目では小柄ともいえます。

右 代 選手   クレイ 選手
(一日目)
100m      11秒39      10秒44
走幅跳      6m97        7m78
砲丸投      13m71       16m27
走高跳      2m06        1m99
400m       50秒28       48秒92
(二日目)
110mH      14秒93       13秒93
円盤投      43m67       53m79
棒高跳      4m90        5m00
やり投       73m06       70m97
1500m      4分35秒83     5分06秒59
合計得点     8,076点      8,791点

  一目瞭然な事は、短距離(パワー系)の100m、400m、110mHで1秒近い差が見られ、走幅跳や投てき種目(パワー+調整力+技術)の記録に大きく影響しているようです。

  日本陸連では、「混成チーム」を編成し、陸上関係者以外に器械体操などの専門スタッフの協力も得て、様々な視点から能力を開花させる取り組みを始めているようです。走力を高め、技術を磨き、あせらずに世界に挑戦していってほしいと思います。

  また、大会主催者側には、選手達のベストパフォーマンスを引き出していく工夫が求められます。マラソンは沿道からの声援が選手の励みになり、選手の背中を押していくといいます。大会翌日の朝のスポーツ番組で右代選手の競技会の映像が流れましたが、大観衆の中で行われるオリンピックや世界選手権とはいかないまでも、沢山の方々が声援を送る雰囲気の中で選手達が競い合えるように、また、選手のコンディションやリカバリーにもより配慮し、記録向上を第一に考えた運営を行っていくことも日本最高峰の大会では大切なことと思います。「キング・オブ・アスリート」は「キング・オブ・スポーツ」から生まれて参ります。

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