学校現場での取組(事故防止対策) 東京第88号(2020.03)

『映像資料(DVD)』等活用事例報告~学校法人田中学園八潮ちくみ幼稚園~
 埼玉県八潮市にある学校法人田中学園八潮ちくみ幼稚園(以下「八潮ちくみ幼稚園」という。)から、同園の水泳教室の勉強会で、独立行政法人日本スポーツ振興センター(「以下「センター」という。)が平成27年度に作成した映像資料(DVD)の「水泳の事故防止~プールへの飛び込み事故を中心に~」を活用したいとの連絡を頂きました。センターからの情報提供資料をどのような経緯で知り、どのように活用されたのか、青木理事長と青木園長先生、水泳の田代コーチにそれぞれお話を伺いました。

八潮ちくみ幼稚園について
学校法人田中学園八潮ちくみ幼稚園の外観写真  八潮ちくみ幼稚園(園児数444名)は、昭和52年4月に開園した40余年の伝統ある園で、「未来を背負う健康で明るく元気な子ども達を育成し、地域社会に貢献する」という教育目標の下、子どもたちは広い園庭、明るい園舎、充実した運動施設で目をキラキラと輝かせ、にこにこ笑顔で過ごしていました。

青木理事長へのインタビュー

Q センターの映像資料(DVD)を活用したいと思われた経緯をお聞かせください。

学校法人田中学園青木理事長の顔写真
<左側:青木理事長、 右側:センター作成の遊具事故防止ポスター>

 当園では、運動に力を入れており、水泳時の事故防止の勉強会用に、文字ではなく映像での資料がないか探していたところ、センターから配付された「学校安全・災害共済給付ガイド」を読んで、映像資料(DVD)の「水泳の事故防止~プールへの飛び込み事故を中心に~」があることを知りました。
 センターから上記のDVDを園に送っていただいて、視聴してみたところとても良い内容なので、すぐに水泳教室の田代コーチに渡し、視聴してもらいました。

Q 日頃から行っている事故防止についてお聞かせください。

朝のマラソンの様子
<朝のマラソンの様子>
 職員全員が心肺蘇生等の対応を心得ており、ソフト面では、園児の健康観察を毎日しっかり行っています。ハード面では、熱中症対策として全クラスエアコンを設置し、環境を整えています。
 園児数の割には、けがが少ないと思っています。

Q けがが少ない理由として考えられることをお聞かせください。

 運動にはけが等のリスクがあり、なるべく行わないという考えもありますが、当園では逆だと考えています。体ほぐしや体をつくる運動を行うことによって、園児の運動能力を向上させることでけがが起こりにくい体になるのではないかと考えています。
 毎朝、園児全員で持久力をつけるために10分程度マラソンをするとともに、スキップやケンケンパーなどの運動も取り入れています。さらに、水泳教室や体操教室を通年で開催しており、運動できる機会を増やすようにしています。

Q センター資料についての感想や今後期待することがあればお聞かせください。

 教材カードやポスターの内容、イラストがとても良いので、壁に貼って活用しています。要望としては、「スポーツ事故防止ハンドブック」については心停止に対する応急手当に絞るなど、ページ数を減らすことでスリム化し、文字をもっと大きくしていただきたいと思いました。また、心肺蘇生の内容で幼児向けの内容があれば追加していただきたいです。園では、けがの中でも骨折までいくと大きい事故と認識しているので、こんなけがにはこう応急処置をすれば良いという、応急処置マニュアルがあれば、けがの程度を小さくできると思います。

Q 今後のセンターの情報活用についてお聞かせください。

 事故対応がコンパクトにまとまっているので、「スポーツ事故防止ハンドブック」を新人職員研修で配布し、活用しようと思います。
スポーツ事故防止ハンドブック』(A6判24ページ)
スポーツ事故防止ハンドブックの表紙画像
↑画像をクリックするとダウンロードできます!
           
「その時どうする?」(収録内容)
 緊急時には1分の違いが状況を左右します。
「もしも」の時に的確な判断をするための重要なポイントが、状態ごとにフローチャート形式で見やすくまとめられています。
 ・突然死
 ・頭頚部外傷
 ・熱中症
 ・歯の外傷
 ・眼の外傷
☆携帯に便利なポケットサイズ


青木園長へのインタビュー

Q 重大事故が起きたときの対応についてお聞かせください。

AEDの設置場所写真
<AED設置場所、キャラクターが目印>
 こどもの意識がない等、命に関わるような場合は、すぐに病院に連れていくことにしています。救急車が来るまでは、迅速に心肺蘇生などの必要な措置を組織的かつ迅速に対応できるようにするとともに、AEDも園内通路のよく見える分かりやすいところに設置しています。

Q 園の事故防止対策についてお聞かせください。

 事前の対策が大切で、園児には普段から危ないことはしないようにルール化しています。また、園と親の間でルールをつくることもあります。例えば運動靴の大きさで、親は長く使いたいのでサイズの大きいものを準備しようとしますが、用具の要因で転倒し、けがにつながるので、お子さんの現在のサイズに合った靴を選ぶようにお願いしています。
幼児が転倒しているイラスト 

田代コーチ(水泳教室)へのインタビュー

幼稚園での研修の様子 研修でDVDを視聴している様子
<職員研修(勉強会)の様子>

Q 映像資料(DVD)の「水泳の事故防止~プールへの飛び込み事故を中心に~」を視聴した感想をお聞かせください。

 理事長から勧められて、9月に水泳教室の職員全員(7人)で視聴しました。水泳の事故について分かりやすくまとめられており、改めて危機感を持って指導に取り組んでいこうと思いました。要望としては、園児向けの安全指導の留意点もあれば良いと思いました。

Q 水泳以外にセンターの資料を活用していますか。

 毎年1回心肺蘇生講習等を受講していますが、昨年はさらに安全に関する研修として9月の水泳勉強会に加えて、10月に遠足やサマースクールといったイベントを予定していたので、追加で映像資料(DVD)の「運命の5分間 その時あなたは ~突然死を防ぐために~」、「スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応」、「熱中症を予防しよう-知って防ごう熱中症-」を職員全員で視聴しました。
 研修で共有したことは、子ども達の体調の変化に気付いて対応することの必要性を再認識し、改めて事前の対策、事故後の対応が大切であると思いました。視聴後は、プール指導で病院に行くような事故は起こっていません。

Q 特にどの映像資料(DVD)が役に立ちましたか。

 全て参考になりましたが、「水泳の事故防止~プールへの飛び込み事故を中心に~」と「熱中症を予防しよう-知って防ごう熱中症-」の内容です。

Q 今後センターに期待することをお聞かせください。

 映像資料は、視覚に訴えるのでポイントが分かりやすいので、資料を映像化及びDVD化していただければ、すぐに研修で活用できると思います。
水泳教室での指導の様子 水泳教室での指導の様子
<水泳教室の様子>

取材を終えて

 当日は、保護者参観日で体操教室を行っており、見学させていただきました。園児は元気よく側転や鉄棒の練習を行っており、逆上がりは、最終的に全員できるようになるという話を聞き、改めて運動の大切さを知るとともに、先生一丸となってこどもたちの安全を守っていることを強く感じました。

上記で紹介させていただいた、映像資料(DVD)の内容は、センターの学校安全Web内、映像資料(DVD)スポーツ庁委託事業 「学校でのスポーツ事故を防ぐために」で視聴することができます。
センターが提供する資料を活用されている学校(園)の先生方がいらっしゃいましたら、
ぜひ、各地域事務所にご一報ください。お待ちしております。            

 

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