学校現場での取組(事故防止対策) 仙台第56号(2018.09)
事故防止情報の活用事例
~山形県教育委員会~ |
1 新規採用養護教諭研修における活用
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山形県教育委員会では、毎年度、新規採用養護教諭研修を年5回に分け実施しています。今回は、平成30年5月8日(火)に山形県教育センターで開催された第2回研修の「危機管理への対応」(受講者24名)においてグループワークが実施され、資料として、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「JSC」という)発行の「学校の管理下の災害」から、災害統計データ及び事故防止の留意点を活用いただきましたので報告させていただきます。 |
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【「学校の管理下の災害」とは・・・】
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まずは刊行物を紹介します。
JSCでは、学校の管理下における児童生徒等の災害(負傷・疾病、障害又は死亡)に対して災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の支給)を行っています。
また、災害共済給付業務によって得られる事例の収集、分析、調査研究、関連情報の提供など児童生徒等の安全を確保するための支援業務を行い、研究成果の公表・普及活動を行っています。
本書は、災害共済給付を行う際に得られたデータの結果をまとめたものです。
第一編は、「死亡見舞金」「障害見舞金」「供花料」を支給した全事例を整理、分類し、発生状況と「学校生活における事故防止の留意点」を掲載しました。
第二編は、医療費(負傷・疾病)の件数について、災害傾向を把握するために、各学校種別に発生の状況と帳票を掲載しました。 |
![学校の管理下の災害[平成29年版]の表紙画像](/anzen/Portals/0/anzen/branch/sendai/mori/image/56/56-2.png) |
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【研修「危機管理について」】
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研修では、初めに学校危機管理の目的やプロセスについての説明がなされました。危機管理には事前の危機管理(リスク・マネジメント)と事後の危機管理(クライシス・マネジメント)があり、近年は想定外の災害や事件にも対応しなければならないため、非常に重要な取組となります。 |
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学校危機管理のプロセス(研修で配布された資料より抜粋) |
リスク・マネジメント
1 危機の予知・予測
過去に発生した自校や他校の事例から、原因や経過を分析・検討することにより、発生の前兆等を明らかにし、危機の
予測に努める。
2 未然防止に向けた取組
施設・設備の定期的な点検や各種訓練等により未然防止に向けた取組を行う。
クライシス・マネジメント
1 緊急事態発生時の対応
学校の危機管理マニュアルに沿って、適切かつ迅速に対処し、被害を最小限にとどめる。
2 対応の評価と再発防止に向けた取組
緊急事態発生時の対応を事態収拾後に総括し、教育再開の準備や再発防止対策、心のケアなど必要な対策を講じる。 |
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