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学校現場での取組(事故防止対策) 仙台第55号(2018.07)

 
水泳事故の再発防止取組事例
 
 学校の管理下では、プールや海での溺水事故が毎年発生しています。救助が遅れてしまうと大事故につながりかねません。
 今回の事例は、先生方の迅速な対応により、短期間の治療で学校に復帰することができ、学校ではこの事故を教訓として再発防止の取組を実施されましたので、紹介させていただきます。 
 
〈事故事例〉 小学校1年 女児
  体育の授業中に、学校外のプール施設で水遊びの学習をしているところ、水を通す素材(ナイロンメッシュ)のプールキャップを顔全体に被って遊んでいて水を大量に飲んでしまい、仰向けで水面に顔だけ出して浮いていた被災児童を教員が引き上げ、意識の確認を行った。
 すぐに、教員が心肺蘇生を行うとともに、救急車を要請した。教員の心肺蘇生で意識は戻ったが、経過観察を行うため、1日入院した。
 検査の結果、異常はなかったので、翌週から登校し現在元気に学校生活を送っている。             
 
 
◆『水遊びの学習』をするにあたり、学校で事前に定めていた単元目標と事故防止の取組 
〈単元目標〉
水の中でいろいろな遊びをして水となかよしになろう
自分のできそうな水遊びに挑戦してみよう

〈事故防止の取組〉
教職員は年1回の心肺蘇生の講習会を受講
当日のプールの水深や水温を授業が始まる前に教職員が確認
プールに入る前の教職員による児童の体調確認と危険な遊びはしない等の指導 
 
〈事故発生後の再発防止の取組
(1) 事前の指導において、してはいけないこと(呼吸ができなくなってしまうようなこと) やお互いに注意(具合が悪かったり溺れたりしている友達がいないか)して活動すること等についての確認をこれまで以上に徹底して行う。 
(2) 学習活動開始から児童がプールを上がり終了するまで、ペア・グループによる活動をこれまで以上に徹底して行う。 
(3) 児童の水泳経験等について、保護者からも確認・把握した上で、実態に応じた学習活動となるよう、グループ分けを工夫し、指導に当たる。 
(4) 引率教員のプールにおける安全面の監視やプール学習の指導等について、役割をより明確にして、指導に当たる。 
(5) 事前にプールの監視員に監視の協力も依頼し、監視の強化を図る。 
(6) 今回の事故の概要と上記(1)~(5)の再発防止策を書面にて保護者に配布した。 
(7) 災害共済給付実地調査時に配布された水泳中の事故をテーマにした『教材カード』を教職員に配布し教職員間で情報共有を行う。 
(8) 今回のような重大事故が起きた時は、教職員に事故の詳細を書いた資料を配布し事故についての検証を行う。 
(9) 夏休みに予定している教職員研修で、DVD『運命の5分間 その時あなたは』の視聴を行い、今回のような事故が発生した時に適切な対応を取ることができるようにするための知識を共有する。  
 
 
 事故防止に役立つ参考資料(記事で紹介している教材カードやDVDもあります。)
 
 ↓ バナーをクリックして「教材カード」のページへ  ↓ 水泳の事故防止をテーマとした教材カードの一例 
    平成28年6月号教材カード「水泳中の事故を防ぎましょう」PDFへのリンク 
   
↓ バナーをクリックして「映像資料(DVD)」のページへ   ↓ 学校における水泳事故防止必携 [2018年改訂]
 
   『学校における水泳事故防止必携』掲載ページへのリンク
   

取材を終えて 
 学校の管理下においては、先生方の想定していないことが起こることがあり、そのときに、冷静に判断し対応することや事故発生後の再発防止の取組が重要になります。是非、今回紹介させていただいた事例や資料等を参考に、事故防止対策を進めてください。 
 
 水泳での事故事例
 
 学校安全Webの「学校事故事例検索データベース」で検索した結果、平成17年度から平成28年度までに給付を行った小学生の障害・死亡事例のうち、水泳中に発生したものは32件ありました。いくつかの事例を紹介します。
                                                                         
死亡・障害種別  学年 性別 発生状況 
 溺死   小2  水泳の授業中、大プールに移動し自由泳ぎをしていたが、教師の目が行き届かなかった5分程の間に溺水した。 
 中枢神経系突然死   小6  体育の授業中に、プールで25mをクロールで泳いでいたところ、急に意識不明となりプールに浮かんでいる状態となった。すぐにプールサイドに救助し、意識確認、119番通報、気道確保、胸骨圧迫、人工呼吸、AEDの装着等の心肺蘇生法を救急隊が到着するまで行った。病院で治療を受けるが、数日後に死亡した。 
 精神・神経障害   小6  水泳学習中、25メートルを泳ぎ切ってゴールした後、そのまま後ろに倒れ水中に沈みかけた。すぐに水中から抱き上げ、声をかけたが呼びかけに対する反応がなかった。 
 聴力障害   小3  水泳授業中に準備運動を終えプールで水泳学習をしていた。本児童は教師の補助のもと頭を水につけてばた足の練習を繰り返した。翌朝母親に耳の痛みを訴えた。 
 外貌・露出部分の醜状障害    小1  プールサイドを歩いていて友人と接触し、膝をついて転倒した。その際に消火栓のケースに前額をぶつけた。 

◆重災害の事例を知って事故の未然防止にお役立てください。 
 
  ← バナーをクリックして
「学校事故事例検索データベース」のページへ  
      



 

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