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Web杜のたより 第53号(2018.04)

宮城県高等学校保健研究会
養護教諭部会仙塩Cグループ研修会」での講義について
 高等学校・特別支援学校に勤務する養護教諭で構成された養護教諭部会のグループにおいて、「保健室におけるリスクマネジメント」という研究テーマのもと、研修会が開催されました。独立行政法人日本スポーツ振興センター仙台事務所では、その研修会の中で講義を行う時間をいただき、事故防止のための情報提供を行いました。その様子についてご紹介させていただきます。

講義について

 今回の研修会では、災害事例を通しての講義となるよう要望をいただき、「学校の管理下における事故防止および再発防止策の取組」と題し講義を行いました。
災害は日々色々な場所や状況で起こります。事故を防止するためには実際に起こっている身近な事故を知ることからということで、はじめにどのような場合や場所で事故が多いのか、統計情報を用いて説明しました。
 
【受講の様子】

 事故防止といっても、通学中におけるもの、熱中症や転落事故に関する事故防止など、対象によってそれぞれ防止策が違いますので、はじめに先生方が取り組みたい事故防止についての情報を収集し分析することが、はじめの一歩になるかと思います。
 
学校安全Webの学校事故事例検索データベースをクリック
 センターでは、災害共済給付事業を通して得た、災害の件数や傾向、死亡や後遺障害が残った重災害の事例を提供しており、学校安全Webの「学校事故事例検索データベース」で、平成17年度から平成27年度までに給付した6,079件(※研修会開催時の掲載件数)の死亡・障害事例が検索できることを説明させていただきました。
 また、実際に発生したいくつかの事故事例をその後の再発防止策と併せて紹介したところ、大人が普段思いつかない、常識では考えられないような場所や状況で発生した災害に、講義を聞く先生方も驚かれているようでした。
事例1 小学校3年生・男子 場合:休憩時間中 場所:階段 発生状況:グラウンドに出るため階段を下りていた時に、途中から手すりに腹ばいになり滑っていたところ、バランスを崩して転落し床に前頭部をぶつけた。 措置状況:うずくまっている被災児童を発見した他の児童が保健室に養護教諭を呼びに来た。教頭・担任・養護教諭が現場にかけつけ、被災児童が鼻血を出して倒れていたため、その場で止血処理を行った。保健室に運び受傷部位を確認し、児童に目まいや吐き気等がない旨を確認した。保護者に連絡して病院を受診した。 傷病名:前頭骨骨折 その後の経過:2ヶ月間の療養を経て、現在は元気に通常の学校生活を送っている。 再発防止策:階段に細い手すりを設置し滑って下りることができないようにした。
1 人的な事故防止 教職員 安全に対する意識の向上 児童生徒 安全に対する意識付け、技術の習得、危険予測学習 地域住民 防災に対する協力要請 2 物的な事故防止 施設・設備の点検整備 安全具の使用
 そして、紹介した事故事例と安全対策を踏まえて、事故防止は大きく分けて“人的なもの”“物的なもの”の2つのタイプに分かれることをお話ししました。人的な対策については、教職員や児童生徒に対するもの、また地域住民との連携などがあり、いくら先生方が一生懸命事故防止に取り組んでも、実際にけがをする児童生徒の安全意識が向上しないとなかなか事故は減らないのではないかということをお話ししました。また、物的な対策については、危険箇所の改善や日頃から壊れている箇所がないかを点検したり、マウスガードなどの安全具を使用した運動などを方法として挙げてお話ししました。
 また、講義の終わりに「スポーツ事故防止対策推進事業」(平成26年度文部科学省委託事業)における成果物の「運命の5分間 その時あなたは~突然死を防ぐために~」と「体育活動による頭部・頚部の外傷~発生時の対応~」についてのDVDを上映しました。
【DVD視聴の様子】
【上映したDVD】

平成26年度 文部科学省委託事業 スポーツ事故防止対策推進事業 1.運命の5分間 その時あなたは~突然死を防ぐために~ 2.体育活動による頭部・頚部の外傷~発生時の対応~
 
※上映したDVDでは、心停止のサインである心室細動と死戦期呼吸についてCGとドラマで分かりやすく表現している他、頭頚部外傷の発生メカニズムをアニメーションで解説し、頭頚部外傷発生時の対応をフローチャートに基づいて紹介しています。
 
映像資料(DVD)のページへ 左の映像資料(DVD)バナーをクリックすると、「映像資料(DVD)」のページへ移動し、実際に
映像をご覧いただけます。

講義後の感想

 講義終了後に参加者全員からご記入いただいたアンケートでは、説明が分かりやすいと好評で、以下のような様々な感想をいただきました。
●今日の講話は、学ぶことも多く大変勉強になった。 自校に持ち帰り、伝えていきたい。
●たくさんの情報が提供されていることがわかった。是非活用させていただきたい。
●今日の研修で知ったものがたくさんあった。今後活用していきたいと思う。

講義を終えて

 今回の講義は、研修会の担当の先生が、独立行政法人日本スポーツ振興センターで学校事故防止のための情報提供を行っていることを知り、仙台事務所にお問い合わせいただいたことがきっかけとなりました。
 後日、担当の先生に提供内容の活用状況をお聞きしたところ、グループとして、統計情報から各学校の災害の傾向を調べて活用することを考えているとのお言葉をいただきました。また、参加いただいた先生の中には、危険箇所の点検などで事故防止に取り組まれている先生がいるとのお話も伺いました。センターとしても、提供内容の活用事例から今後の学校安全支援に活かしていきたいと考えています。
 学校の管理下では、時に大人が気付かないような場所や状況で予期せぬ事故が発生します。今回の講義が、事故防止をさまざまな視点から見直す機会となることを願っています。また、各地域においても情報提供等の機会がありましたら、仙台事務所までご一報ください。

 

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