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Web杜のたより 第51号(2017.10)

転落事故の再発防止事例

 学校の管理下では、ちょっとした不注意による転落事故が発生しています。一歩間違えれば大事故につながりかねません。多くの学校では、転落事故に対する対策が講じられていますが、その対策で十分でしょうか。
 今回は、事故防止対策が講じられていたにもかかわらず、事故が発生してしまった事例と事故後の再発防止の取組を紹介させていただきます。
 
〈災害発生状況等〉
 昼休みに清掃場所へ移動しようと、3階の階段の手すりに腰をかけすべり降りようとしたところ、バランスを崩してしまい、階段の手すりと転落防止のネットの間に、おしりからくの字になるように入った。ネットをつかみながら2階へずり落ちたが、耐えられずネットから手を離した際、2階の階段に落下し、右腕を骨折、右膝を負傷。ドクターヘリにて病院に搬送され、入院手術を行った(全治3カ月)。

階段の手すりとネットの間に、
おしりから くの字になるように転落

ネットをつかみながらずり落ちたが、
ネットから 手を放してしまい落下
   
事故発生前の転落防止対策〉
 日頃から、階段の手すりに座らないよう指導するとともに、階段に転落防止のネットを設置し、手すりの格子下部とネットを結束バンドで固定していた。朝夕の巡視の際には触って点検も行っていた。
格子下部とネットを結束バンドで固定
格子下部とネットを結束バンドで固定
格子下部とネットを結束バンドで固定
   
事故発生後の再発防止の取組
 今回の事故では、たまたま格子に固定していた結束バンドと結束バンドの間隔が若干広いところから、転落してしまったため、固定する間隔を狭めるとともに、格子の下部だけでなく上部も追加で固定し、隙間が生じないように改善した。また、手すりに突起物を付け、手すりをすべり降りられないように対策を施した。
格子上部も結束バンドで固定し、
格子上部も結束バンドで固定し、
結束バンド と結束バンドの間隔も狭めた
手すりに突起物を設置
手すりに突起物を設置

   

取材を終えて

 日頃から安全指導を行い、物理的な事故防止の取組を行っていても、事故が起きてしまうことがあります。今回紹介した学校では、転落を防止するために転落防止のネットを設置し、手すりとネットを結束バンドで固定していましたので、事故が起きた際にどうやって転落してしまったのか想像できなかったそうです。
 事故後の検証において、手すりとネットを固定している結束バンドと結束バンドの間隔が、若干広い箇所があり、そこから転落したことが分かったため、再発防止対策を施しました。日頃から安全点検を行うことはもとより、このように、事故が起きた後に、迅速に事故の検証を行い、再発防止策を施すことは非常に重要です。
 同じような事故を繰り返さないために、再度安全点検をしていただくとともに、今回紹介させていただいた取組を是非参考にしてください。
 
階段での障害事例
 学校安全Webの「学校事故事例検索データベース」より、平成17年度から平成27年度までに給付を行った障害事例の中で、階段で発生したものは80件ありました。いくつかの事例を紹介します。
                                                                                       
障害種別 学校種
学年
性別 発生状況
歯牙障害 小学校
3年生
女子  2階の階段の途中で身を乗り出すような姿勢をしていたところ、バランスを崩して1階の下段まで落ちた。
精神・神経
障害
小学校
3年生
男子  階段手すり(約1メートルの高さ)に腰をかけているところを同級生に両足をひっぱられ床に落ちる。その際、胴体を打ち、後で頭を強く打った。
視力・眼球運動障害 小学校
4年生
男子  朝清掃が終了し、教室に戻るため4階の階段の手すりに馬乗りになり滑り始めたところ、体のバランスを崩して、3階フロアに投げ出され倒れ、右腕と右側頭部を強打した。
外貌・露出
部分の醜状障害
小学校
5年生
女子  階段を降りていて、踊り場の手前3段を飛び降りた。その際、バランスを崩し、前方にあった窓ガラスに右腕を突っ込み、切創を負った。
歯牙障害 中学校
2年生
男子  清掃の分担場所に移動中、階段を降りていたときに後ろから他の生徒に押され、バランスを崩して倒れ、歯を折った。

事例を知って事故の未然防止にお役立てください。



 

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