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平成12年度 児童生徒の食生活等実態調査結果

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主要目次
児童生徒の食生活等の全体像都市部と農山漁村部との比較
学校栄養職員の配置について学校給食について食品の知識とその働きについて
食品及び料理の嗜好についておやつ(間食)、夜食について生活状況について
不定愁訴について家庭での食事状況について「食生活指針の実践」について

調査結果(詳細)[PDFファイル]


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調査結果(概要)
◆ 児童生徒の食生活等の全体像
平成12年度「児童生徒の食生活等実態調査」の目的の一つは、平成7年度調査以後の「児童生徒の食生活等に関する意識、行動等の変化を把握する」ことである。
平成7年度調査においては、児童生徒の孤食、朝食の欠食、食事の洋風化、スナック菓子の高頻度の摂取、家庭における調理済み食品への依存の高さ等が明らかになった。
今回の調査では、以下の諸点が明らかになった。
(1) 学校給食が児童生徒にとっては、友達と一緒に食事ができる楽しみの場になっている。
(2) 朝食の欠食状況の割合が平成7年度調査より高くなった。
(3) 朝食欠食と不定愁訴、学校給食の残食と不定愁訴の有症状率に関係があった。
(4) 児童生徒の生活の夜型が進んだ。
(5) 家庭における調理済み食品への依存度が高まった。
(6) 外食産業の影響が子供たちの嗜好に現れている。
(7) おやつについては、平成7年度調査と同様スナック菓子の摂取の割合が高かった。
(8) 児童生徒における3つの食品群に関する知識等について、学校栄養職員の存在の効果が正解率の高さとなって現れた。
(9) 保護者が学校給食へ望むことの第1位は、食品の安全性であり、平成7年度調査よりその割合が高くなった。
(10) 学校栄養職員の存在の効果が相関分析・多変量解析を含めた調査によって伺えた。
◆ 都市部と農山漁村部との比較について
児童生徒の起床時刻をはじめ就寝時刻など、いずれも都市部と比べ農山漁村部の方が早い傾向が見られた。
保護者の学校給食に対する要望では、「安全な食品を使用して欲しい」が、都市部は73.4%、農山漁村部は69.0%であり、都市部の方の要望が高いがいずれも第1位に挙げている。(図1)
図1 学校給食への要望《環境別》 <複数回答>
基本的な食事のマナーを身につけさせて欲しい:都市部29.6% 農山漁村部34.8%、栄養や食品についての知識を身につけさせて欲しい:都市部56.1% 農山漁村部56.8%、郷土食や伝統食を取り入れて欲しい:都市部36.2% 農山漁村部35.8%、安全な食品を使用して欲しい:都市部73.4% 農山漁村部69.0%、バイキングやカフェテリア等、選択できる食事をもっと実施:都市部25.8% 農山漁村部25.8%、献立や味付けをもっと工夫して欲しい:都市部18.2% 農山漁村部19.0%、食堂やランチルーム等を整備して欲しい:都市部17.8% 農山漁村部15.0%、食器具をもっと良くして欲しい:都市部18.8% 農山漁村部12.5%、試食会をもっと実施して欲しい:都市部11.9% 農山漁村部14.5%、学校給食の行事等にもっと配布して欲しい:都市部2.7% 農山漁村部4.3%、調理や栄養に関する資料をもっと配布して欲しい:都市部15.3% 農山漁村部16.5%、講習会や講演会等をもっと実施して欲しい:都市部1.4% 農山漁村部2.1%、給食費をもっと安くして欲しい:都市部8.5% 農山漁村部10.4%、給食費が高くなっても、もっと内容を充実して欲しい:都市部12.2% 農山漁村部11.5%、その他:都市部3.1% 農山漁村部2.6%、特にない:都市部4.4% 農山漁村部4.8%
◆ 学校栄養職員の配置について
学校栄養職員の存在の効果を、配置校、未配置校で比較をしたところ、3つの食品群に関する知識については、学校栄養職員配置校の児童生徒の方が未配置校の児童生徒より正解率が高かった。
◆ 学校給食について
学校給食が「大好き」、「好き」と回答した児童生徒は、小学校63.9%、中学校55.6%であった。その理由として、「みんなと一緒に食べられる」が小学校69.8%、中学校59.3%、「おいしい給食が食べられる」が小学校64.0%、中学校63.4%であった。(図2)
保護者にとって学校給食の評価は、「栄養に配慮している」94.2%、 「弁当を作らなくてすむ」61.9%、「友達と一緒に食べられる」49.2%、 「好き嫌いがなくなる」49.1%、「経済的である」42.9%であった。
図2 学校給食が好きな理由
おいしい給食が食べられる:小学校64.0% 中学校63.4%、好きなものが食べられる:小学校28.3% 中学校29.0%、みんなと一緒に食べられる:粗油学校69.8% 中学校59.3%、みんなと同じものを食べられる:小学校9.6% 中学校4.8%、先生と一緒に食べられる:小学校7.1% 中学校1.9%、家で食べられない料理が食べられる:小学校37.8% 中学校35.5%、栄養のバランスがとれた食事が食べられる:小学校40.2% 中学校43.2%、その他:小学校2.0% 中学校4.2%
◆ 食品の知識とその働きについて
児童生徒における3つの食品群に関する知識について、食品群別の全問(各10問)正解者は、小学校で「おもに熱や力となる食品(黄色の食品)」9.2%、「おもに体の中で血や肉となる食品(赤色の食品)」2.9%、「おもに体の調子をととのえる食品(緑色の食品)」22.6%、中学校では黄色の食品4.4%、赤色の食品4.1%、緑色の食品18.3%で、赤色の食品以外は小学校の方が正解率が高い結果となった。
◆ 食品及び料理の嗜好について
(1) 好きな料理
児童生徒の好きな料理の1位は、平成7年度調査と同様カレーライスであった。
(2) 嫌いな食べ物(食品)・嫌いな料理
児童生徒の嫌いな食べ物(食品)を5点挙げさせたところ上位10種類中、8品目が野菜であった。(図3)嫌いな料理の1位はサラダであった。
図3 嫌いな食べ物 上位10種類<複数回答>
ピーマン26.3%、なす19.8%、内臓・レバー13.8%、ねぎ13.7%、にんじん13.4%、トマト12.4%、セロリー12.0%、しいたけ10.0%、グリンピース8.8%、たまねぎ8.2%
(3) 嫌いな食べ物(食品)・嫌いな料理への対応
嫌いな食べ物(食品)を「がまんして食べる」と回答した児童生徒は、小学校で39.1%、中学校で23.6%であり、小学校の方が高く、「食べない」とする者は、小学校11.8%、中学校27.1%であり、中学校の方が高かった。
◆ おやつ(間食)、夜食について
(1) おやつ(間食)
おやつを「ほとんど毎日食べる」児童生徒は、小学校29.6%、中学校28.8%であった。1週間に2日以上おやつを摂取する者は、小学校75.9%、中学校73.4%で、男女差を見るといずれも女子の割合が高かった。
保護者では、「ほとんど毎日間食する」と回答した者は、小学校36.8%、中学校37.0%であった。
(2) 夜食
児童生徒で「ほとんど毎日食べる」、「1週間に4~5日食べる」、「1週間に2~3日食べる」と回答した者を合わせると、小学校で34.3%、中学校で34.9%であった。
保護者は、「ほとんどとらない」が、約90%を占めている。
◆ 生活状況について
(1) 起床
児童生徒の起床時刻については、小学校、中学校とも6:30~7:00に集中している。一人で自然に目がさめる者は、小学校男子が44.9%、女子32.3%、中学校男子が32.4%、女子24.4%といずれも女子に比べ男子の方が高かった。
(2) 朝食の摂取
欠食することがあると回答した児童生徒は、小学校15.6%、中学校19.9%であった。欠食の主な理由は、「時間がないから」が46.9%、「食欲がないから」が33.7%であった。
(3) 登校までの時間
登校する時刻は、7:30~8:00の間に集中しており、登校するまでの時間は、41分~50分の者が多かった。
(4) 就寝
児童生徒の就寝時刻は、小学校で22:00~22:30に約3割、中学校では、23:00~23:30に約4割が就寝しており、小学校と中学校では、ピークに1時間の差があった(図4)。また、ピークが平成7年度調査より小学校、中学校ともに約30分遅くなっており、児童生徒の生活は夜型化している。
図4 就寝時刻
◆ 不定愁訴について
児童生徒の不定愁訴について訴える者を割合の高い順から見ると、小学校では「つかれる」88.3%、「体がだるい」79.3%、「イライラする」77.0%、となっている。中学校では、「つかれる」94.7%、「体がだるい」90.3%、「イライラする」83.5%であった。
学校給食を残すことがある者とない者の不定愁訴との関係を見ると、中学校では、「つかれる」で10.7ポイント、「何もやる気が起こらない」で5.7ポイントの差で、それぞれ残すことがある者の方がいつも感じる割合が高かった。小学校でも「イライラする」4.0ポイント、「つかれる」3.6ポイントの差があり、「学校給食を残すことがある」と回答した児童生徒の方が不定愁訴をいつも感じる割合が高い。
また、朝食の欠食状況と不定愁訴との関係を見たところ、朝食を欠食する者は、「つかれる」、「イライラする」等の不定愁訴を感じる割合が高かった。
◆ 家庭での食事状況について
(1) 家庭での献立
献立を決めるときにおもに気をつけていることは、「栄養のバランスを取る」80.1%、「家族の嗜好に合うもの」78.4%であった。
(2) 家庭での調理時間、調理済み食品の使用頻度
調理時間については、朝食には、30分以内が87.1%を占めており、中でも10分~20分とする者が44.0%あった。夕食には、50分以上が47.4%あった。
家庭における調理済み食品の使用頻度は、「週4日以上」、「週1日~3日程度」を合わせると46.0%あった。
(3) 児童生徒の食事形態
児童生徒の食事形態では、児童生徒と保護者に対して同一の質問をしたところ、朝食を「家族と食べたいが一人で食べることが多い」、「家族とは別に一人で食べている」とする割合の合計は、小学校児童15.9%に対し保護者では6.9%、中学校生徒31.3%に対し保護者16.0%であった。家族そろって朝食を食べるとする割合は、保護者から見ると小学校で33.3%、中学校で26.7%であったが、同じ設問を児童生徒からみると小学校で25.2%、中学校で17.3%と両者に開きがあった。
夕食については、「家族そろって食べる」と回答した者が小学校児童で57.8%に対して保護者では64.5%、中学校生徒で52.1%に対し保護者では60.2%と、朝食、夕食いずれも両者に開きがあった。
(4) 児童生徒と作った料理
児童生徒と一緒に料理を作ることがあるかどうかについて、「よく作る」と回答した者は、小学校、中学校全体で4.4%であった。
「時々作る」と回答した者は52.3%で、小学校、中学校とも男子より女子の方が高い割合であった。子どもと一緒に作る料理の1位はカレーライス・ハヤシライス(51.9%)であった。
(5) 衛生管理
平成8年度以後、家庭での食生活において気をつけるようになったこと(複数回答)は、「よく手洗いをするようになった」が70.7%、「食品をよく加熱するようになった」が66.9%であった。
(6) 食事マナー
家庭での食事マナーについては、児童生徒の約90%(複数回答)が家で食事をするときに「テレビを見ながら食べる」としている。
はしを正しく持てる児童生徒の割合は、小学校44.4%、中学校49.9%であった。
◆ 「食生活指針の実践」について
保護者が、「食生活指針」の実践項目について、自分自身の食生活を振り返ってみて、どうであるか聞いたところ、「できている」の割合が比較的低い項目は、「栄養成分表示を見て、食品や外食を選ぶ習慣を身につけましょう」17.7%、「食材に関する知識や料理技術を身につけましょう」18.7%であった。
他の項目では、「できている」又は「できていないが取り組んでみたい」と回答した者が多かった。特に「日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう」について、「できている」と回答した者は、84.9%であり、次いで、「賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう」について、82.4%の者が「できている」と回答している。
調査結果(詳細)
調査概要 [PDF](272KB)
調査結果 児童生徒[PDF](344KB)
調査結果 保護者[PDF](220KB)
集計表[PDF](524KB)
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