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第71回 「市立学校女児死亡事故の教訓を生かした再発防止の取組み」について-さいたま市教育委員会-

 『災害発生事故後の再発防止策を積極的に行っている』さいたま市教育委員会に取材に行きました。
その取組みの様子をお伝えします。
 ■背景
 平成23年9月、さいたま市立小学校6年生の桐田明日香さんが駅伝の課外活動、練習中に突然倒れました。
 現場で指導していた教員等は、応急手当と救急要請を行うものの、「脈がある」「呼吸がある」と判断したことから、救急隊が到着するまで、救命処置を施しませんでした。救急隊が病院に搬送、治療を受けるも翌日死亡しました。
 ※「Series 地方発!我が教育委員会の取組み」より抜粋
     
センター:  「ASUKAモデル」とは?​​  体育活動時における事故対応テキスト ASUKAモデル
市教委:  
  「ASUKAモデル」とは、「体育活動時等における事故対応テキスト」のことで、事故現場で起こった事実と対応を確認・検証し再発防止のために、教育実践者(校長、教員など)の視点で、教員研修のために分かりやすく作成したテキスト(右)のことです。
 このテキストは、事故対応検証委員会の報告後、その報告を踏まえ、さらに医療関係者だけでなく御遺族の方々にも献身的にご協力いただき作成しました。
 それらのことから、この愛称がつ​いています。 

     
センター: テキスト「ASUKAモデル」の特徴とは?  (図1)
傷病者発生時における判断・行動チャート
市教委: 検証の結果、問題点の一つとして、
・傷病の状況や進行に関する判断力が不足していること、
・現状として、非医療従事者に呼吸停止状態を短時間で判断し、
 直ちに心肺蘇生の開始を期待することがかなり厳しいということ
が想定されました。
 そこで、判断に迷う「わからない」を想定して作成したのが
「傷病者発生時における判断・行動チャート」(図1)です。
 この中で「反応の有無」「普段どおりの呼吸の有無」について、「わからない」と判断した時も、「反応(意識)なし」として次の行動に進むことを明確にし、胸骨圧迫やAEDの使用などの救命処置を施すこと、現場の判断で119番通報をするなど、積極的な行動を求めていることです。      クリックすると拡大します→
   
 また、事故発生時に迅速に対応できるよう、AEDなどの「重大事故発生時携行機材等のパッケージ化」(図2)を示していることです。

 その他に、傷病者発見から医療機関への搬送訓練の実施、「口頭指導に対応する記録用紙」の活用、体育活動等の指導前後のブリーフィングの実施なども記載しています。

                 クリックすると拡大します→
(図2)
重大事故発生時携行機材等のパッケージ化
   
センター: 「ASUKAモデル」作成後の取組みについて 
市教委:  文部科学省を始め全国都道府県、政令指定都市の教育委員会等に配布しました。
 これで完成ではなく「児童生徒の健康・安全に関する検討会議」で見直し・改善を図っていきます。
  さいたま市では、AEDの使用 を含む心肺蘇生法の授業を平成26年度から全ての小学校で実施する予定です。

 ■取材を終えて 
 
お話を伺いながら、御遺族の願いを真摯に受け止め、再発防止に取り組むさいたま市教育委員会のみなさまの熱い思いをひしひしと感じました。私たちも御遺族及びさいたま市の取組みに感銘し、学校の安全を見守る「ASUKAモデル」の普及に少しでもお役に立てるのであればと思い、さいたま市のウェブページに公開されている「ASUKAモデル」をセンターウェブサイト『学校安全Web』にご紹介させていただきました。

 一人でも多くの子どもの命を守るために、「ASUKAモデル」が活用されることを願っています。

 なお、さいたま市のウェブページに公開されている「ASUKAモデル」のアドレスは以下のとおりです。
  
 さいたま市/「体育活動時等における事故対応テキスト~ASUKAモデル~」を作成しまし
   → http://www.city.saitama.jp/003/002/011/p019665.html​​​​​​

 
   【統計情報データ】
       死因別の発生件数 (
平成24年度 災害共済給付データより) 
死因別の発生件数

 

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