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第68回 インターナショナルセーフスクール認定校                        ~豊島区立朋有小学校(東京都)~

 
  2012年11月インターナショナルセーフスクール(以下:ISS)に認証された、豊島区立朋有小学校に取材に行ってきました。国内では、大阪府の池田小学校、神奈川県厚木市の清水小学校に続いて3番目の取得です。世界では、107番目の取得となります。
朋有小学校全景
 東京花子 インターナショナルセーフスクール(ISS)とは何ですか。
 ISS認証プレート   ISSとは、WHO(世界保健機関)より認証された各地域安全推進協働センターが、より安全な教育環境づくりを目指す学校であることを認める国際認証で、身体や心のけが及びその原因となる事故、いじめ、暴力を予防することによって、安全で健やかな学校づくりを進める活動です。
 東京花子  

ISS認証とは?   

 ISSに認証されるということは、けがや事故のリスクがない100%安全な学校として認められるのではなく、安全な学校づくりのための仕組みが確立され、機能していることが認められたということです。
 東京花子  

ISSに認証されるには?   

 『ISS活動推進の8指標』をクリアしなければいけません。学校だけでなく、地域との連携も必要です。
      
   ISS活動推進の8指標

   1 協働を基盤に安全向上に取り組む運営基盤が整備されている

   2 セーフスクール推進組織とセーフコミュニティに基づいた地域の推進協議会
       によって決定されたセーフスクールの政策がある

   3 両性、実年齢、環境、状況をカバーする長期的かつ継続的なプログラムを実
       施している

   4 ハイリスクのグループや環境を対象としたプログラムを実施している

   5 全ての取組みは根拠に基づいて行われている

   6 外傷の発生頻度や原因などを記録するプログラムがある

   7 学校政策、プログラム及びそのプロセスが変化したことによる効果を評価す
       る方法がある

   8 国内・国際的なネットワークへ継続的に参加している

   
 東京花子

なぜISS認証校を目指されたのですか。

   豊島区全体が安全教育に力をいれており、「豊島区セーフコミュニティ推進協議会」が組織されています。その中の重点課題のひとつとして『学校の安全』があります。本校は、池袋駅から約1kmに位置し、「繁華街が近い」「自動車の交通量が多い幹線道路が近い」などの理由から、『学校の安全』を実現するために、インターナショナルセーフスクールの認証を目指すこととなりました。
 東京花子

いつから、どのような取り組みをされたのですか。

  2010年の11月に「インターナショナルセーフスクール取組宣言」をし、認証取得を目指してきました。
 「ISS活動推進の8指標」をすべてクリアするために、けがの発生状況を踏まえて、校内及び校外におけるけがの予防対象を次のように設定し、予防活動を行いました。

           

 
   休み時間と授業時間のけがの予防として

  ・児童の危険予測回避能力の育成

  ・学校の指導体制の改善・充実

  ・いじめの防止

 ②  自転車による交通事故の予防として

  ・交通安全意識の向上

  ・自転車安全教室の実施

  ・保護者・地域の見守り活動 など
 

             

 学校・保護者・地域が一体となり、けがや事故を減らす取り組みを行いました。
 東京花子 具体的にはどのようなことをされましたか。 
  特に力を入れたのが、子どもたち自ら安全について考え、改善策を提案していけるような環境つくりです。まず、学校内でけがのデータを取ることから始めました。何となく、この時間、この場所でのけがが多いことはわかっていても、実際にデータを取って数値化し、分析することで、根拠付けができます。
 子どもたちに、そのデータを見せ、子どもたち自身に考えさせるような安全教育を行いました。
        
   保健室前けがの発生件数リアルタイム表示
    廊下の校内きけんな場所マップ
 保健室の前に、けがの発生件数をリアル
  タイムで表示しています。
    廊下には「校内きけんな場所マップ」があ
   り、けがをしてしまった危険箇所に子どもた
   ちがシールを貼り、情報共有を図ります。
 東京花子 取り組みを行う中で大変だったことはありますか。 
  保護者の協力を得ることが難しかったです。保護者はISS自体を知らないので、理解をしていただくのに時間がかかりました。取り組みを行う中で徐々に理解をしていただき、親子が協力して「交通安全・通学路安全マップ」を完成させました。しかし、まだまだ、保護者や地域の方の理解を得ていくことが必要だと考えます。
   交通安全・通学路点検マップ     保護者による掲示板 
     交通安全・通学路点検マップ    廊下には保護者による掲示板もあります。
 東京花子 どのような成果がありましたか。 
 子どもたちが自ら考え意見を出し、実践できたことがよかったです。小学校は、1年生から6年生と発達段階の違う子どもたちが学んでいますが、それぞれがどうすればけがを減らすことができるかを考え意見を出してくれました。子どもたちの改善要望をもとに、安全マットを敷いたり、階段に矢印をつけたりしました。子どもたちからは、大人の目線では気付かないような意見が出されました。
     止マットロード     矢印をつけた階段     
 校舎と体育館の渡り廊下にマットを敷きました。  階段に「上り」と「下り」の矢印を付けました。


けがの発生件数が半減!!
 取り組みを始める前の2011年度に比べ2012年度は、けがの数が半減しました。 保健室で、軽微なけがから病院に通院するような大きなけがを含め、すべてのけがのデータを取っています。
 2011年4月~2013年4月のけがの件数の推移         
 東京花子

これからの課題は・・・

  ISSの認証を受けることは、出発点に過ぎません。3年ごとに更新手続きがありますので、取り組みを続けていかなければなりません。日本は、地域で子どもたちを守ろうという意識が他の国に比べて低いように感じます。学校外でのけがも多く、地域や保護者との連携が益々必要だと考えます。また、子どもたちが、この取り組みを通して、危険回避能力を身につけ、自ら安全について考え行動できるように成長して欲しいと思っています。

 ISS合意書

ISSの認証の合意書は、認証の審査員や校長先生、教育長、豊島区長だけでなく、児童やPTAの代表もサインをします。

  ISS認証合意書                            

                         

    セーフマン                    
               
   セーフマン                                       
                                          セーフスクールロード
 

 イメージキャラクター「セーフマン」は、児童のアイディアから、誕生しました!!

      廊下には、ISS認証までの
   取り組みが掲示されています!!

  

  

  ~取材を終えて~

  校内の至るところに、安全を意識する掲示物があり、日頃から、安全について考える環境が整っていると感じました。大人や教師が強制するのではなく、子どもたち自身が考え行動することが、けがを防止する近道なのではないかと感じました。これらも活動を続けていくことは大変だと思いますが、ISSの更新を続けて欲しいと思いました。


 
ISS認証申請書より

 
 
 指標6 外傷の発生頻度や原因などを記録するプログラムがある を達成するために・・・


 学校の管理下における児童のけがや事故を把握するため、軽微なものを含むけがの記録(保健室データ)のほか、日本スポーツ振興センターに医療費を請求した記録(災害共済給付データ)も活用されていました。

 通院を要するけがの記録(表)
                               (ISS認証申請書より抜粋)
 

  センターの災害共済給付オンライン請求システムを利用して、さまざまな統計資料を出力することができます。
 児童生徒のけがや事故の状況を把握し、災害事故防止にご活用ください。
                                      <平成25年5月13日掲載>

 

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