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第45回 運動会・体育祭での災害について

 

 今回は、東京支所管下の学校の運動会・体育祭での災害のうち、平成21年度に災害共済給付制度で給付したデータを集計し、小・中・高の学校種別ごとに競技種目、負傷の種類、災害発生時間でグラフにしてみました。

競技種目について

グラフ(競技種目) 

 やはり、走る競技の短距離走・リレーでの災害が多く、小・中・高ともに20~30%を占めています。その他に、激しい競技の騎馬戦や棒倒し、大技を披露する組体操での災害も多く見られました。ちなみに、小学校で競技外の災害が多いのは、応援席での友だち同士のふざけ合いなどによるものです。  組体操
負傷の種類について

グラフ(負傷の種類)

 これらのデータは、日本スポーツ振興センターに申請があったもの、つまり医療機関にかかった災害の件数になります。おそらく、学校現場では擦過傷が一番多いと思われますが、医療機関にかかる必要がある程度の負傷で見ると、グラフの通りとなります。なお、疾病については、熱中症の他に、関節炎等も含まれています。 受診風景 
災害発生時間について

 グラフ(発生時間)  災害発生時間についても、災害発生件数に差があるものの小・中・高でグラフが同じ形をしています。やはり、午前の部の最後と午後の部の最後、運動会・体育祭の盛り上がる時間帯の災害が多いようです。皆さんが熱くなる目玉の競技が行われている時間帯だと思われます。

 運動会・体育祭の災害についてのデータは以上のとおりになります。

 今回は、この中から、すべての学校種で災害の多い、「騎馬戦」について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

 リレー
騎馬戦のどんな場面での災害が多いかを見てみましょう。

グラフ(騎馬戦)

 皆さんの予想通りでしょうか。

 騎手のけがが約半数を占めています。騎手同士の接触が激しく、またその結果、バランスを崩し、落下してしまうことも少なくありません。

 騎馬同士の接触による災害も25~30%と決して低い割合ではありません。相手の騎馬に足を踏まれてしまったり、支えることに集中するため、足元への注意が疎かとなり、足首を捻ってしまうことも多いようです。

 競技前後の騎馬を作る時、崩す時の災害はほとんどありませんでした。騎手・騎馬共に声を掛け合い、落ち着いてできるからでしょう。競技中は熱中してしまうと思いますが、声を掛け合いながら行うと、もう少し災害を減らすことができるかもしれません。

 また、騎馬の近くに先生がつくと、邪魔になってしまいかえって危険なケースもあると思いますが、大きなケガにならないよう補助出来る体制をとるなどの配慮も必要かもしれませんね。

 騎馬戦


最後に、いくつか実際にあった事例を紹介します。


〈小6女子〉

 運動会の騎馬戦に参加中、馬が崩れて地面に落ちた際に、後頭部と腰を打ってしまった。

 落下による負傷は頭や首や腰を痛める災害が多くありました。今回調査したデータでは、幸い軽傷で済んでいましたが、大きなケガとなってしまう可能性があります。バランスを崩した際に落下するため、受身の体勢が取れないことがほとんどであると思いますが、先生が補助できるようにするなど、少しでも安全な崩れ方となるよう対策が必要です。

 

〈高3男子〉

 騎馬戦で上に乗っていたが足が固定されたまま落馬し、バランスを取れず左膝を捻ってしまった。

 騎馬が崩れる時、騎手が落下しそうな時に、騎馬の人もなるべくお互いダメージが少なくなるよう、緩めたり、支えたりすることが必要です。

 

〈中3男子〉

 本生徒は騎馬の役で、全員裸足で行っていたところ、対戦した騎馬の人に右第3足指を踏まれた。

 

騎馬戦は裸足で行う学校も多いため、ちょっとした接触等でケガをしてしまう場合も多々見受けられました。騎馬となる人は靴や足袋を履いて行った方が安全です。

 

〈小6男子〉

 騎馬戦の時、後ろ足担当として騎馬を組んで勢いよく相手の方へ走って行った。前足担当の児童が止まろうとしたが、後足担当の本児童は勢いがついて止まれず、騎馬がくずれ、左手首を強く地面に打ちつけてしまった。

 それぞれが競技に熱中してしまうため、ついつい自分の置かれている状況を即時に判断し、動いてしまい、仲間が反応できないことがあります。できる限り声掛けや合図をし、騎馬・騎手一体となって動くよう心掛けましょう。

 激しい競技の騎馬戦。安全面ばかり考えるとつまらなくなってしまうと思います。皆さん、大きな災害とならないよう気を配りながら、熱く、そして楽しく競技してください。

 

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