スポーツと二人三脚

スポーツと二人三脚

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第12回 選手が安んじて猛練習できる環境がJISSにある 2006年5月25日


笠原 一也

 

  国立スポーツ科学センター センター長 笠原 一也
  かさはらかずや
1938年 埼玉県生まれ
国立スポーツ科学センター長  
和歌山県保健体育課長,文部省競技スポーツ課長,JOC事務局長、東京女子体育大学教授など歴任し現職.

 スポーツと二人三脚のコラムを連載して約1年、この辺で国立スポーツ科学センター(JISS)のコマーシャルタイムとしたいと思う。

 日本選手のみならず世界のトップレベルの選手達は、好むと好まざるとに関わらず猛練習を繰り返し、厳しい壁を乗り越えて自己の記録向上や技術を磨き世界の頂点を目指している。

 猛練習が名選手を生み出した逸話は数え切れないが、経験主義、根性重視、非科学的な練習の中で潰れていった選手も、数え切れないほど多いことも事実である。

 トップレベルの選手達、誰もが経験しなければならない猛練習が、科学的根拠に基づき、正しく、安全に、効率的で無駄のないものであれば、選手達は安心して猛練習に打ち込めるのである。

 JISSでは、スポーツ科学・医学・情報など先端的な研究のもと充実した最新施設、器具・機材を活用し、各分野の研究者、医師等の専門家集団が連携しあって我が国の国際競技力向上のための支援に取組んでいる。

 特にトータルスポーツクリニック(TSC)では、メディカル、フィットネス、スキル、メンタル、栄養等様々な観点から選手の心身状態を評価・診断する。 そのデータをもとにコーチなど指導スタッフとJISSの研究スタッフとが共に研究しトレーニング内容やコンデイショニングまでもアドバイスする。
このような科学的根拠に基づいてのトレーニングならば、トップレベルの選手達も安んじて猛練習に打ち込み、より良い成果をあげることが出来るものと思っ ている。それは昨年の水泳、レスリング、体操などの世界選手権大会での日本選手の活躍が証明してくれている。

 多くのトップアスリート達がこのJISSの施設、研究スタッフを活用し、世界の頂点を目指して更なる飛躍をしてくれることを期待したい。
日本選手がオリンピックを始め国際競技大会で活躍することは、国民に感動、感激、そして夢や希望を与えてくれるものだから。



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