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岩上センター長のひとことコラム「散歩道でふと」

岩上前センター長のひとことコラム


05 06

投稿者: host
2011/05/06 9:41

我々にとっても馴染み深い点心(飲茶)やワンタン、食は広州にありと言われる広東料理の本場において、第16回アジア競技大会が、昨年11月12日~27日迄の日程で開催されました。

ここ広州は、2008年にオリンピックを開催した北京、2010年に万博を開催した上海に次ぐ中国第3の都市、人口1千万人を超え、香港にも近く対外貿易港として経済的にも急速な発展を遂げてきております。日本との時差も-1時間、南亜熱帯気候の影響で春、夏、秋の3シーズンとのこと、滞在中は11月にもかかわらず半袖で過ごすことができました。


今回、この広州におけるJISSの役割は、馴染みが薄いかと思いますが、医・科学・情報を駆使した最前線サポート拠点としての「マルチサポート・ハウス」を設置し、実際の運営を通じて、競技者やコーチに必要とされるサポート機能やサポートの在り方を検証し、2012年のロンドンオリンピック及び2014年のソチオリンピック冬季競技大会に向けて、我が国独自のマルチサポート・システム構築の一歩を踏み出すことにありました。


この「マルチサポート・ハウス」構想は、文部科学省が、ナショナルプログラムとして平成20年度から推進してきておりますチーム「ニッポン」マルチサポート事業の柱の一つとして昨年度から位置づけられたものであります。

シドニー、アテネ、北京で開催されましたオリンピック、それぞれの目的地までの移動に伴う負担や時差、気候風土や食生活の違い等によりコンディショニングを崩し、本来の力を発揮できず悔し涙を流した選手も少なからずおりました。今後もロンドン、ソチ、リオデジャネイロと続くオリンピック、こうしたマイナス面を解消し、心身のリフレッシュを図り、競技に向けてのモチベーションを高めていく環境づくり、そのための支援が望まれております。


今回のトライアルでは、①「コンディショニング/リカバリーサポート」の視点から、医学、トレーニング、メンタル、コンセントレーション、栄養、リフレッシュ面のサポートを提供、②「分析サポート」として、映像の収集・フィードバック、動作分析等を実施、③「情報戦略サポート」として、戦況の分析、諸外国の動向調査を実施、④「コミュニケーションサポート」として、選手・コーチ、コーチとスタッフによるミーティングスペースを提供するといった幅広い機能を有した村外サポート拠点づくりを試みました。当然、こうした機能を備えたマルチサポート・ハウスが有効に効果的に活用されるよう選手村及び競技会場からの移動・輸送関係にも留意するとともに、スタッフについても日頃から各選手やNFと接しているJISS研究者・職員で対応に当たり、アウェーで生じるマイナス面を可能な限り除きアットホームに近づけるよう心掛けました。


国際競争が激化する昨今、既にアメリカ、オーストラリア、イギリス等の国々では、時差対策やトレーニング後のケア、レース間の栄養摂取と言ったパフォーマンス向上に向けての研究もなされ、その成果を具体のサポートに生かしてきております。強豪国と言われる国々の強さの秘訣は、こうした舞台裏の仕組みがしっかりしていることかも知れません。


新たな一歩を踏み出した今回の取り組み、日本選手の飛躍に貢献できるサポートシステムの確立を目指し、本番時における強化戦略を支える歯車として機能させていくためには、これからが正念場となります。


今回のサポートハウスを設置した番禺区は、市内からは車で30~40分ほど離れ、揚子江、黄河に次ぐ約2,800キロにも及ぶ珠江の恵みを受けた牧歌的雰囲気が漂う地域でした。JISSサポートクルーが一丸となって取り組みました今回のサポートが、どの程度、選手達の背中を押すことが出来たかは直ぐに答えは出せませんが、期間中2,500名を超える方々が足を運んでくれたことや‘お世話になりました’、‘ありがとうございました’との選手たちの生き生きした声は、今回の取り組みが、ロンドン、ソチに繋がる大きな架け橋となったものと確信しております。


JISS創設10年を迎えます2011年の新春がスタートしました。ロンドンオリンピックを来年に控え、暮れから正月も返上して練習に励む選手達の鼓動が西が丘を包み込んでおります。

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