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女子ラグビーの現在、そして未来

  女子ラグビーの現在、そして未来 財団法人日本ラグビーフットボール協会
 

 昨今、なでしこジャパンを代表とした女性アスリートの活躍を目にする機会が多くなっています。我々ラグビー界も一概ではなく、女子ラグビーが注目されています。

 日本における女子ラグビーの歴史は古く、1988年に日本女子ラグビーフットボール連盟が設立されるまで遡ります。当時の加盟チームは15チーム。同年には、東京・駒沢陸上競技場補助グラウンドで第1回女子ラグビー交流大会が開催されました。女子ラグビーの礎を築くべく情熱を傾けた先人たちの思いを強く感じることができます。

 その後、(財)日本ラグビーフットボール協会の関連団体として活動を続けていましたが、2010年には2016年夏季五輪での7人制ラグビー正式採用を受け、女子ラグビーの競技力向上と更なる普及拡大を目的として女子連盟を発展解消する形で協会内の一委員会として女子委員会が発足しました。現在は、同委員会が中心となり日本国内の女子ラグビーの強化・普及を担う活動を行っています。

 もちろん女子ラグビーが抱える課題も多くあります。大きな問題は2点、競技人口の確保と練習・試合環境の整備です。現在、日本における女子ラグビーの競技人口は2,355人(2月6日現在)。男女ともW杯で優勝しているラグビー先進国であるニュージーランドの女子選手は約1万人。ニュージーランドに続く、イングランド、オーストラリアもこれに近い数字です。

 練習・試合環境の整備という点では、国内の練習環境を確保することが困難で定期的な活動が行えていないチームもあります。もちろん、男子のように企業が保有するチームもなく、全国規模で争うリーグも存在していません。様々な課題を抱えていますが、上記課題を克服するために多くの活動が行われています。

 15人制においては、各地域でトライアウトや継続的な練習会を開催しています。今年度には、男子のジャパンラグビー トップリーグの前座試合として女子日本代表セレクションマッチを関東・埼玉(熊谷)、関西・滋賀(皇子山)、九州・福岡(レベスタ)で開催し、女子ラグビーの認知度向上にも一躍を買いました。今後は、定期的な強化活動を行い、カザフスタンや香港といったアジアの強豪国との戦いを制し、2014年にフランスで開催されるワールドカップ出場を狙っています。

 7人制においては、女子ラグビーの7人制ラグビーが夏季五輪に正式種目として採用されたことで強化が加速しています。タレント発掘・育成を目的としたセブンズアカデミーを始め、五輪でのメダル獲得を目指すべく多くの国際大会に参加しています。この夏季五輪の種目としてラグビーが採用されたことで、ラグビーでオリンピックを目指したいと他競技からの競技転向をする選手たちも増えてきました。これにより、高いモチベーションを持った選手たちによる切磋琢磨した中で代表候補選手の選出が可能となり、競技レベルの向上につながっています。

 全国的な女子ラグビーの知名度向上・競技人口増加へつなげ、そして、オリンピック出場、15人制W杯本選出場を目標に戦っていくには、幅広い年齢層の育成が重要になります。このため若年層へのアプローチも各種カテゴリーで行われ、高校生は2009年度より毎年12月に大阪・近鉄花園ラグビー場で開催される全国高校大会の前座で7人制のエキシビジョンマッチを開催しています。更に、今年度より㈱神戸製鋼所の支援を受け、夏の聖地・長野県菅平高原で「第1回全国高等学校女子7人制ラグビーフットボール大会」を開催し、全国から150名の女子選手を集め盛大に開催されました。花園の大会も3年目となった今年は「U18花園女子セブンズ」として名前を変え、全国各地で開催されたセレクションマッチ、合同練習会等で評価・選出された選手たちが2つのカテゴリーで東西に分かれ開会式直後の大観衆を前にして試合を行いました。

 中学生も、「太陽生命カップ2011 第2回全国中学生ラグビーフットボール大会」の大会期間中にU15女子7人制エキシビジョンマッチとして関東・関西・九州・茨城県(開催県代表)の4チームがトーナメント戦を実施し、大会を盛り上げました。

 来る3月31日・4月1日に秩父宮ラグビー場で開催される「東京セブンズ2012」の大会期間中にも女子ラグビーの試合が行われます。今後も出来る限り全国的に広範囲で女子ラグビーの試合を開催し、多くのラグビーファンの皆様に試合をご覧いただきたいと考えています。(財)日本ラグビーフットボール協会では、女子ラグビーの強化・普及を通じ、日本ラグビー界全体の活性をすべく邁進してまいります。引き続き、日本女子ラグビーに温かいご支援をよろしくお願いいたします。

全国各地で様々なカテゴリーの試合が開催されている
 
   
女子ラグビーの普及・認知度向上、
選手の環境整備が急務
7人制は夏季五輪。15人制はW杯出場を目指す

 

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