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秩父宮ラグビー場  芝張替え工事実施



 秩父宮ラグビー場では、6月7日から14日にかけて、グラウンドの芝生一部張替え作業を実施しました。作業範囲は、メインスタンド側5Mライン内側からグラウンド中央部、そして22Mラインの内側という約2000m2の範囲で、芝張りには、早期の回復を図るためビッグロール工法を用いました。
粉砕器(コロ)で表土を剥ぎ取る

◆張替えの理由

 今回の張替えには次のような理由がありました。

(1)昨年行われたジュニアワールドカップラグビーが6月に行われたために、冬芝から夏芝(ティフトン)への切り替え作業を例年より遅らせた事が、ティフトンの芽数減少の大きな要因となった。

(2)また、はっきりと検証はされていないが、除草剤(カーブ)を使用したトランジッションや、昨夏の日照不足等もティフトンの芽数減少に大きく影響したのではないかと考えられる。

 これらの結果は、昨年末に調査したティフトンとライグラスの貯蔵養分含有量測定の結果にも表れている(下表)。

 霞ヶ丘競技場、西が丘競技場と比較した場合、秩父宮ラグビー場はかなり低い数値となっていた。施肥の実績は、霞ヶ丘競技場、秩父宮ラグビー場でほぼ同等かそれ以上の作業を行っていることから見ると、秩父宮ラグビー場の芝生は、養分を蓄えるための条件が整っていなかったということが考えられる。

 さらに秩父宮ラグビー場は、シーズンに入ると、透水性を改善する作業や、土壌の固結を解消する作業が殆んどできなくなってしまうために、根の成長等に大きな影響を与え、秋から冬の生育に影響を及ぼし、それが貯蔵養分の減少につながっていると思われる。

 今後の対策としては、今回張った芝が既存土壌に定着するのを待ち、深層部のコアリングをできるだけ行うことによって、透水性の向上や、根を下層の土壌に伸ばしていけるような状況を作っていくことが必要である。

 最終的に必要なことは、芝が擦り切れて無くなってしまわないような使用の仕方を模索して行くしかないのではないだろうか。そうでなければ、秩父宮ラグビー場で日本一のチームを決める試合に出場する選手のユニホームが、泥汚れから開放されることは難しい。

 

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