H26年度の活動

トライアウト

2014年11月23日、国立スポーツ科学センターにおいてトライアウト①を実施しました。スケルトン競技で成功するためにはスプリント能力が必要です。スタートダッシュが速いことはスケルトン競技でとても有利になる為、スプリント能力に優れた選手を見つける為の体力測定評価や面談にて今後の活動に対する意気込みなども評価しました。

その後トライアウト①で選ばれた6名の選手が、2014年12月10日~14日長野市ボブスレー・リュージュパーク(スパイラル)でのトライアウト②に参加。選手は実際にスケルトン競技を体験し、滑走練習を行いました。最初は、慣れるためにコースの下の方からスタートして徐々にスタート位置を上げていき、最終的にはトップからスタートします。トップからスタートすると、それまでとは全く違うスピードが出ます。初めてトップから滑走した選手たちは、「今までとは全然違う・・・」と口々に言っていました。

最終日にはチャレンジカップ、及びJOCジュニアオリンピックカップに参戦し、国内の他の選手とのレースを経験しました。レースの結果、スケルトンを始めて数日であったにも関わらず、トライアウト②参加者がJOCジュニアオリンピックカップで優勝と3位という成績を残すことができました。

国内強化合宿

トライアウト②で選ばれた2名の選手は、12月、1月とスパイラルにおいて強化合宿を行いました。スケルトンで、実際滑走している時間は1分程度。選手たちはスタート時間に合わせてウォーミングアップを行い、イメージトレーニングなどで集中力を高め、スタート地点に立ちます。「Track is clear」の合図でソリを氷の上に置き、力強く走り出しソリに乗り込み、カーブに合わせてコース取りをしながら滑走し、ゴールまで滑り降ります。

最高速度が120kmを超えるスピードで滑りながら、選手は体にかかるGを感じ、ソリをコントロールします。時に体を壁にぶつけたり、あごを氷にぶつけたりしながら、選手たちはスパイラルで100本近くの滑走を行いました。冬のシーズンしか滑走ができないスケルトン競技において、その期間に何本滑ることができるかはとても重要です。選手たちは、できるだけ多くの滑走練習を行うと同時に、夜などにイメージトレーニングを行って、何度も頭の中でも滑走を行いました。 練習のかいもあって、12月28日に行われた全日本選手権において、6位入賞という成績を残すことができました。

海外強化

2月、3月はカナダのカルガリーのコースでトレーニングを行いました。カルガリーのコースは、初心者でも滑走可能な比較的易しいコース。長野で滑走することに慣れてきた選手たちは、カルガリーではカーブに合わせたソリの操作やスタートに焦点をしぼった滑走練習を行いました。いくつかのカーブにしぼって課題を設定し、滑走後に自分の感覚とビデオの映像やコーチからのフィードバックをすりあわせて、改善点を次の滑走につなげます。

何度も滑りながら、微調整を繰り返していきます。最初は転倒することも多かった選手たちも、練習を重ねるごとにいいラインで滑ることができるようになり、タイムも縮めることができました。 12月に初めてスケルトンのソリに乗った選手たちでしたが、スパイラルとカルガリーで150本以上の滑走練習を行い、短期間ながらパフォーマンスを向上させることができました。

カルガリーでコーチをしてくれたDuff Gibson氏(トリノオリンピック金メダリスト)からは、「1年目の選手とは思えないほどの成長だ。3年目くらいの選手に教える内容を教えている。」という評価をいただくこともできました。 初めてのシーズンを終えた選手たちは、夏の間スプリントトレーニングなどを行ない、来シーズンには国際レースへの参戦を目指します。