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JISS in Action

2008年12月26日

フェンシングサポート(映像サポート編その1)

 

白井克佳(スポーツ情報研究部)

 

 
写真1:競技会場で試合を撮影する。どの位置から撮影するか、といったことも映像サポートを実施する上では重要になる。
 
写真1:競技会場で試合を撮影する。どの位置から撮影するか、といったことも映像サポートを実施する上では重要になる。
   

 JISSでは2003年度より、フェンシングナショナルチームの サポートを実施してきました。フェンシングのような対戦型の競技においては、対戦相手の映像を選手、コーチがよく観察し、その対策を考えることが重要とな ります。すなわち、「敵を知る」ことです。フェンシング以外の競技、例えば柔道が世界中の国際大会にビデオスタッフを派遣し、すべての海外の有力選手の試 合映像をビデオに収めていることは有名です。シドニーオリンピックまでは、トランク2個分のビデオテープを選手村に持ち込んでいたそうです。これは日本に 限ったことではありません。どの大会の会場に行っても海外のチームもビデオクルーがビデオ撮影しているからです。このように世界のスポーツでは、情報戦が 当たり前のように行われています。試合の勝敗を決するのは、ほんのわずかな差であるといわれています。基本になるのは日々のトレーニングですが、このわず かな差を生み出すためにビデオによる対戦相手の情報が重要な意味を持ってくる訳です。
 そこでJISSは日本(5月)とキューバ(6月)で開催された2つのワールドカップ大会と北京オリンピック(8月)において、対戦相手のビデオ情報収集とフィードバックの支援を実施しました。

   
 
写真2:対戦相手の映像をPCで観察する太田選手とオレグコーチ。映像を見るときにコーチがかける言葉一つで映像の意味合いが変わることがある。非常に大切な瞬間。
 
写真2:対戦相手の映像をPCで観察する太田選手とオレグコーチ。映像を見るときにコーチがかける言葉一つで映像の意味合いが変わることがある。非常に大切な瞬間。
   

 ワールドカップとオリンピックでは、大会の持つ意味合いが全く異 なります。特に日本選手は3月の時点でオリンピック出場を決めていたためワールドカップ大会においては、オリンピックに出場する海外選手の映像収集と フィードバックのシミュレーションに主眼を置きました。フェンシングにおいては、常に撮影スタッフが競技会に帯同し映像フィードバックを行っているわけで はありません。特別なことを特別な大会、すなわちオリンピックで実施することは非常にリスクを伴います。例えば映像を見ることで逆に萎縮してしまうなどパ フォーマンスにマイナスに働いてしまうこともあるのです。したがって、オリンピックまでの大会においてこのような活動をシミュレートし、選手に慣れてもら うことも非常に大事な活動です。最終的には7月に大分で行ったナショナルチームの合宿においても追加で映像サポートを実施し、オリンピックに備えました。
 その結果、オリンピックまでの活動で選手の映像フィードバックに対する適正が確認されパフォーマンスにプラスに働くことが確認されたため、北京オリンピックにおける活動も実施するという決断を下しました。(つづく)

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