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JISS in Action

2005年9月5日

ゲーム分析ミーティングを通して選手の考える力を養う
~バドミントン・ナショナルチーム合宿における試み~

 

白井 克佳(スポーツ情報研究部)



  5月2日付のJISS in ActionでYONEX OPEN JAPAN 2005における映像支援を報告しましたが、ここで、このデータを用いたゲーム分析ミーティングをJISSでの合宿中に実施する予定であることを紹介しました。このゲーム分析ミーティングに関して朴ヘッドコーチにお伺いしました。

 
指導する朴ヘッドコーチ
 
指導する朴ヘッドコーチ
   
Qゲーム分析の内容と目的を教えてください。

: 基本的な分析として自分の良いところ、悪いところ、相手の良いところ、悪いところを知る、ということがあります。また、このような分析結果を踏まえたミー ティングを通して、選手とコーチがゲームプランに関するディスカッションをします。日本の選手は試合が始まってしまうと頭を使わない傾向にあります。この ようなディスカッションを通してゲームを組み立てることを学んで欲しいと考えています。このような試みの効果は徐々に上がっていると思います。具体的に は、試合前に対戦相手の映像を見て、プレーの傾向を頭に入れてから試合に臨むような選手が出てきました。しかし、選手の中にはコートでのトレーニングがす べてでこのようなミーティングに興味を示さない選手もいます。もちろん、練習が一番大事ですが、栄養学やメディカルに関する講習などを含めて付加的な部分 にも興味を持つような教育的な配慮も必要です。

Qヨネックスオープン後の合宿からアナリストが帯同するようになりました。アナリストの活動について教えてください。

: アナリストにはコートを分割してそれぞれの位置からのショットの統計と編集した映像を提供してもらっています。このような処理をすることで相手の特徴を選 手が分析しやすくなります。また、新しい分析方法を試みてもらっています。今回のようなトライアルはまだ始まったばかりです。選手、コーチとともに最も良 い分析方法が何であるのか、現在、模索している段階でもあります。アナリストには新しい分析方法を学び、どんどん提案してもらいたいと思います。

Q今後にはどのようなことを期待しますか?

: アナリストに限らず、チームを支援するスペシャリスト・チームを組織する必要があります。現状では、海外の大会にはこのようなスタッフの帯同がありません ので、選手は自分達でビデオを撮っています。しかし、選手は撮影の専門家ではありませんので、大事な試合の撮影を失敗することもあります。私が以前コーチ をしていたイングランドでは、大きな大会にはアナリストが帯同し、映像の分析・加工・提供を受けることが出来ました。今後、ナショナルチームが強くなって いくためにはこのようなスタッフを含めた環境整備が必要だと思います。

Q最後にJISSのサポートについて何か要望はありますか?

:JISS のサポートには非常に満足しています。私がコーチになって最初にJISSで合宿したときには、スタッフを含めて、どう活用していいのかわかりませんでした が、最近ではだんだん活用法がわかってきて良いサポートを受けられるようになってきたと思っています。大事なことはコミュニケーションです。今後も JISSの担当スタッフとコミュニケーションを密にしていきたいと思います。


続いて、医事・トレーニング管理部メンバーとして、主にゲーム分析活動に従事している渡辺さんに伺いました。

 
ゲーム分析を担当する渡辺氏
 
ゲーム分析を担当する渡辺氏
   

Q分析活動について、選手の反応はどうでしょうか?

渡辺:多くの選手は分析した映像に興味を持ってお り、競技力向上のためには、映像のフィードバックが必要だと考えているようです。また、映像をフィードバックする中で、このような分析をして欲しいと要望 を出す選手もいます。このような選手からの要望は、アナリストとしてのやりがいにつながります。

Qアナリストになって試合の見方が変わりましたか?

渡辺:やはり、選手からの意見などを聞くことにより、自分自身も新しいバドミントンの見方に気づくことがあります。最近は、試合を見るポイントが、分析を意識したものに変わってきていると感じることがあります。


ナショナルチームのアナリストが活動するようになって、4ヶ月が 過ぎようとしています。まだ、組織的に取り組むようになって日が浅いですが、活動自体は選手からの認知度も高く、コーチ、選手からの要求も日増しにレベル が高くなってきてるようです。このような繰り返しがナショナルチームのレベルアップに貢献していることは疑う余地がありません。北京オリンピックでのバド ミントンナショナルチームの活躍に期待したいと思います。

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