スポーツと二人三脚

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第29回 大阪の世界陸上とスペシャルドリンク 2007年11月02日

笠原 一也

 

  国立スポーツ科学センター センター長 笠原 一也
  かさはらかずや
1938年 埼玉県生まれ
国立スポーツ科学センター長  
和歌山県保健体育課長,文部省競技スポーツ課長,JOC事務局長、東京女子体育大学教授など歴任し現職.

 日本で二度目となる世界陸上選手権大会が大阪市で8月に開催された。
日本は、女子マラソンで土佐選手が唯一の銅メダルを獲得したが、全体的には体調異変の選手が続出するなど惨敗。目標のメダル5個には遠く及ばず、北京五輪へ暗雲が立ちこめたとのメディア各紙の論評であった。

 その世界陸上を有識者の一員として視察することとなり、世界記録保持者のアサファ・パウエル選手が3位となった100m決勝や期待されながらメダルに届かなかった ハンマー投げの室伏選手、日本チームが頑張った男子4×100mリレーなど興奮する競技を数多く見ることができた。その中で私にとっては、日本陸連理事で あり、マラソン選手として大活躍した瀬古氏と隣同士で声援を送る機会に恵まれ、男子マラソンの解説もされた瀬古さんを1人占めしての観戦となって、大変楽 しい1日を過ごすことができたことが何よりもの収穫であった。

 その時の会話の中で、今回の男子マラソンでスペシャルドリンクが冷えていなかったとの話があって、準備不足と指摘していたが、色々な場面で運営面が問題にされた大会でもあったといえるのではないかと思う。

 ところでマラソンにおけるこのスペシャルドリンクのことだが、この世界選手権大会でも、取りそこなったり、取りに戻ったり、落としてしまったりの姿を TVの映像を通じてだが見ることがあった。近頃、マラソン実況などではことさらこのスペシャルドリンクが話題になることが多い。

 世界陸上で、女子マラソンのメダリスト有森さんにも会う機会があったので、ドリンクを話題にしてみたら、マラソン選手にとってすごく大切なものだとのこ とであった。スペシャルドリンクによって元気づいたり、スピードアップのきっかけにしたり、色々な意味で走る調子に影響を与えているのだそうである。

 しかし、取りそこなったり、取りに戻ったり、転んだりしている姿を見ることも多く、そこに泣き笑いが生じている。また、人より目立つようにと大げさな仕掛けが目に付くこともあって、見ていてあまりスマートな感じがしない。
 選手の体調や栄養等を考えてのドリンクだと思うのだが、スポーツドリンクなど大会事務局が用意する一律のものではだめなのだろうか?ドリンクを取るための混乱もなくなり、大会運営もスムーズにいくのではと思ってしまう。

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