第84回 平成29年度千葉県高等学校体育連盟研究大会―学校での事故を減らすために―

 
 平成30年2月7日(水)に千葉県高等学校体育連盟が主催する「平成29年度千葉県高等学校体育連盟研究大会」が開催されました。この研究大会では、千葉県高等学校体育連盟に加盟している各高等学校運動部顧問の参集を得て、当面する問題についての情報交換を行い、日頃の研究成果を発表し、指導者としての資質向上を図ることを目的に実施されています。独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下、「JSC」という。)では当該研究大会において講演の機会をいただき、事故防止のための情報提供を行いました。
 また、高等学校体育連盟研究部から大変興味深い発表もありましたので、併せてご紹介いたします。 
 

JSCの情報提供 

  講演を1時間行った内容として、JSCには毎年100万件以上の災害共済給付金の請求に伴う事故報告が、データとして集計されていること。この請求データを活用し、災害共済給付オンライン請求システムでは統計情報を出力することが可能であることや、この機能を利用して場合別発生件数、負傷・疾病別発生件数について全国と千葉県の比較を行い、発生の傾向や件数についての情報を提供しました。 場合別発生件数 千葉県高等学校 各教科等2703件、特別活動(除学校行事)123件、学校行事794件、課外指導6930件、休憩時間430件、寄宿舎にあるとき5件、技能連携授業中2件、通学中(通園中)486件 
 ※全国と千葉県の事故発生を比較した結果、事故発生の傾向は変わらない。
 
  また、JSCは平成28年度スポーツ庁委託事業で「眼の事故防止」について力を入れて取り組んできました。当該事業の成果物として作成したDVD「スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応」をご視聴いただき、「眼にものが当たった時、眼の中では何が起きているのか等、眼のけがの発生メカニズム」をご紹介しました。  
DVD:「スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応」
 

 千葉県高等学校体育連盟研究部の発表

 本研究大会において、千葉県高等学校体育連盟研究部による研究「千葉県内高等学校におけるAEDの設置状況について」が発表されました。その発表内容の一部をご紹介いたします。 
 この研究は、平成26年6月21日付けの新聞に掲載された、野球部の合宿中に起きた生徒の死亡事故に関する記事を読んだことに始まります。この事故では、校舎内に設置されていたAED(自動体外式除細動器)が、夜間の玄関施錠により、校舎外で起きた本事故に活用されませんでした。
 この点に注目した千葉県高等学校体育連盟研究部は、千葉県内高等学校にアンケートを実施し、AEDの設置状況、設置場所、購入先、研修体制、管理体制に焦点を絞り調査を行いました。 
 千葉県高等学校体育連盟研究部による研究「千葉県内高等学校におけるAEDの設置状況について」の発表
 右のスライドは発表の中で実際に使用されたスライドです。
アンケート調査で「校舎が施錠されていても使用できるAEDの台数」をまとめたものです。千葉県内の高等学校では63%の学校が0台という結果になり、主に施設内での管理であるため、休日の緊急時には使用しづらい環境にあることが判明しました。 
 校舎が施錠されていても使用できるAEDの台数 0台103校63%、1台40校25%、2台12校、3台6校、4台2校
 調査結果をもとに分析を行い、広く共有することにより、各学校間のAEDの設置場所に対する意識の変化と、緊急時における応急処置を『いつでも』、『誰もが』、利用できる環境の実現を目指しています。 
 

 最後に・・・

 JSCでは心停止のサインである心室細動と死戦期呼吸についてCGとドラマで分かりやすく表現し、心肺蘇生とAED使用の必要性を認識していただく研修教材(DVD)「運命の5分間 その時あなたは ~突然死を防ぐために~」 をご用意しておりますので、ぜひご活用ください。
 また、JSCではAEDに関する情報提供(必要性、使い方、設置場所)以外にも、学校での事故を防ぐためのさまざまな支援を行っています。「事故防止について興味がある!」、「学校内研修を行いたいので資料がほしい!」といったご要望がございましたら、地域事務所 までご一報ください。 
 

 

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