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学校現場での取組(事故防止対策) 仙台第59号(2020.03)

 中学校における事故防止情報の活用事例

 
 日本スポーツ振興センター(以下「JSC」)では、学校での事故防止に活用できる教材や資料を作成し、学校安全Webで提供しています。今回は、山形県上山市にある上山市立南中学校(以下「南中学校」)で、映像資料(DVD)や災害共済給付オンライン請求システム(以下「オンライン請求システム」)から出力した統計情報などを活用しているとお聞きしましたので紹介させていただきます。
 

JSCの事故防止情報を活用したきっかけについてお聞きしました。

 近年、猛暑が続き、学校の管理下における熱中症の集団発生のニュースなどを目にします。幸い私たちの学校では、熱中症による大きな災害は発生していませんが、熱中症予防を継続していくために、熱中症予防の教材を利用し、教職員向けの研修を行おうと考えていたところ、学校安全Webに映像資料(DVD)「熱中症を予防しよう-知って防ごう熱中症-」があることを知り活用することにしました。
 また、毎年行っている教職員向けのAED講習会では、外部から講師を招き実技講習を行っているのですが、今年度は、実技講習に加え、災害発生時の指示や流れを知ってもらうために、映像資料(DVD)「運命の5分間 その時あなたは ~突然死を防ぐために~」を活用させていただきました。
 

 熱中症予防に関する教職員向け研修会についてお聞きしました。

 毎年7月下旬に熱中症予防に関する教職員向けの研修会を行っていましたが、昨年度(平成30年度)6月の猛暑を受け、今年度は5月下旬に時期を早めて実施しました。
 研修会では、映像資料(DVD)「熱中症を予防しよう-知って防ごう熱中症-」パンフレット「熱中症を予防しよう-知って防ごう熱中症-」スポーツ事故防止ハンドブックを使用しました。活動する際は、環境条件を把握し、水分補給をこまめに行うことや熱中症の症状を発症し、意識障害がある場合は、すぐに水道につないだホースで全身に水をかけ続ける「水道水散布法」や全身を冷水に浸ける「冷水浴法」などの対応について認識を深めました。
 
南中学校の熱中症予防に関する教職員向け研修会の様子
 熱中症予防に関する教職員向け研修会の様子
 
  映像資料(DVD)を視聴した先生からは、「学校を舞台にした映像だったので身近に感じられた」、「危機感を持つことができた」、「熱中症の予防の再認識と発症したときの対応を知ることができた」といった感想が寄せられました。また、今後は、生徒にも視聴させ、更に熱中症予防とその対応に取り組んでいきたいと思います。
 
熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症―映像資料の画面。学校の管理下における熱中症死亡事故は、ほとんどが体育・スポーツ活動によるもので、それほど高くない気温(25~30℃)でも湿度が高い場合に発生しています。「熱中症発生のメカニズム」、「発生してしまった場合の処置の留意点」、「熱中症予防のための5つの原則」、「学校や競技団体が実施している取組事例」等について、分かりやすく解説しています。暑くなる前に、研修等でご活用ください。
 本映像資料(DVD)は、熱中症予防のポイントのほか、熱中症を発症した場合の意識の確認の方法や意識の有無による事後の処置などを分かりやすく映像化しています。是非ご覧ください。
 

 教職員向けAED講習会についてお聞きしました。

 7月中旬には、映像資料(DVD)「運命の5分間 その時あなたは ~突然死を防ぐために~」を活用し、教職員向けのAED講習会を行いました。このAED講習会は、人工呼吸法・心肺蘇生法・AED使用法の習得と救急車到着までの応急手当の重要性を認識してもらい、自主救護能力と救命率の向上を図るため、毎年実施している講習会になります。講習会では、毎回、救急隊の方から、「死戦期呼吸」について説明は受けておりましたが、この映像資料(DVD)を見て、初めてどのような呼吸のことなのかイメージできました。
 
 南中学校のAED講習会で映像資料(DVD)「運命の5分間 その時あなたは ~突然死を防ぐために~」を視聴している様子
 AED講習会において
映像資料(DVD)「運命の5分間 その時あなたは ~突然死を防ぐために~」を視聴している様子
 
 講師である救急隊の方からは「ストーリーも分かりやすくて良い教材だと思いました。ストーリーが運動中の事故を想定しているので、生徒さんも心肺蘇生法を身近に感じることができるのではないでしょうか」といったコメントをいただきました。
 
 運命の5分間 その時あなたは~突然死を防ぐために~映像資料の画面。心停止のサインである心室細動と死戦期呼吸についてCGとドラマでわかりやすく表現しています。また、心肺蘇生とAEDの使用の必要性を認知させる構成となっています。
 本映像資料(DVD)は、心停止の際の死戦期呼吸や的確な指示の仕方などを分かりやすく映像化しています。是非ご覧ください。
 

 学校保健委員会における統計情報の活用についてお聞きしました。

 本校では、学校医・学校歯科医・学校薬剤師のほか、学校関係者で構成された学校保健委員会を毎年開催していますが、この委員会の中で、オンライン請求システムから抽出したデータをグラフ化し、当該年度の災害共済給付に係る統計情報(速報値)として報告しています。災害発生件数の多い学年や場合などの情報を取りまとめることで、自校の現状把握及び次年度の事故防止の取組課題として情報共有しています。
 もともと医療機関を受診するような災害は少ないですが、災害は年々減少傾向にあります。
 
 上山市立南中学校日本スポーツ振興センター災害給付状況。学年別発生件数。1年29人、2年14人、3年10人。負傷・疾病の種類。骨折14件、捻挫10件、脱臼3件、打撲・挫傷14件、靱帯損傷2件、挫創2件、歯牙破折1件、熱中症1件、その他6件。発生の場合。部活動35件、体育12件、他授業1件、昼休み3件、学校行事1件、その他1件。負傷の部位。頭部1件、顔部8件、体幹部11件、肘・手首5件、手首・指13件、下肢部5件、足関節3件、足・足趾6件。
 平成30年度の学校保健委員会で報告された統計情報(速報値)
 
 自校の災害の統計情報をまとめることにより、特定の部活動での災害が多いことや、特定の場所での災害が多いことなどの傾向が見えてきます。それらの災害発生状況をさらに分析することにより、防げる災害が見つかるかもしれません。どのような災害が起きているのかを把握することが、事故防止対策の第一歩となります。
 

 JSCの映像資料(DVD)などを活用してみた感想についてお聞きしました。

 ・JSCの映像資料(DVD)は、10分程度の短い教材にもかかわらず内容がまとまっていて、短時間の
 研修にはぴったりだと思います。また、口頭で話を聞くだけよりも動画で見る教材の方がイメージしや
 すくなるため、非常に効果的だと感じました。
スポーツ事故防止ハンドブックは、コンパクトで持ち運びができるのが良いと思います。南中学校で
 は、部活動の救急箱に収納して活用しています。

 

 JSCの事故防止情報に対する要望についてお聞きしました。

 ・近年、アレルギーを持っている生徒が増えてきており、また、対応によっては、重災害につながること
 もあるため、アレルギー関連の資料を充実してもらいたいです。また、感染症を題材とした資料も充実
 してもらいたいです。            
 

 ~取材を終えて~

 南中学校では、教職員全員が一丸となり学校事故防止のための取組を継続し、生徒が安心して学校生活を送れるよう知識の習得に努めるなど、みなさんの意識の高さを感じました。
 JSCで提供している事故防止情報の資料の中には、今回紹介させていただいた映像資料(DVD)や統計情報のほか、印刷するだけで使用できる教材カードなど、学校で加工しなくてもそのまま使える資料がたくさんあります。短時間の教職員研修や職員会議でもご利用いただける資料となっておりますので、是非ご活用ください。
 

 ~お願い~

 JSCが提供している事故防止情報を活用している先生方がおられましたら、ウェブサイトなどで共有したいと考えておりますので、担当地域事務所にご一報ください。お待ちしております。
 

 

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