学校現場での取組(事故防止対策) 広島第73号(2019.4)
「広島県高等学校野球連盟 平成30年度指導者研修会」での
事故防止のための情報提供 |
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平成31年2月23日(土)広島市の広島YMCA国際文化センターの国際文化ホールで開催された広島県高等学校野球連盟(以下、「広島県高野連」)の指導者研修会において、日本スポーツ振興センター(以下、「JSC」)が、高校野球での事故防止のための情報提供を行いましたので、その内容についてご紹介します。 |
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⚾ 指導者研修会の概要
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この研修会は、広島県高野連の主催で行われたもので、練習中の事故がどのような状況下で起きるかについて研修を深め、事故の予防や、選手・指導者のけがの予防をテーマとした講演がありました。広島県高野連役員、広島県高野連加盟校指導者のほか、広島県中体連野球専門部指導者や野球の指導に関わっている方々も対象としており、総勢149名が参加しました。
開会行事に続き、JSCによる事故防止の情報提供を行った後、日本高等学校野球連盟がJSCのデータ提供により制作した「中学生・高校生野球部員のケガを防止するために」の映像資料を視聴しました。
次に、元プロ野球選手で、現在は山口県の学校法人早鞆学園早鞆高等学校で野球部監督を務めている大越基氏を講師に迎えての、講演が行われました。 |
前半では、野球部の練習中の事故で裁判になった経験を紹介したのち、重大な事故の裏にはたくさんの小さな危険の積み重ねがあるとする「ハインリッヒの法則」を例に、「あの事故の前にも足や頭などに打球が当たることがあった。今は、ひやりとする場面があったらすぐに集合をかけ、子どもたちに何がいけなかったのか考えさせている」と話されました。
後半では、高校野球の指導者について、指導方法は時代とともに変わってきており、指導する上で、体罰は絶対に許されないこと、言葉のコミュニケーションでどれだけ生徒を良い方向に導けるかといった指導者の資質が問われる時代になることを熱く語られ、参加者は熱心に聞き入っていました。 |
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⚾ 情報提供について
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JSCは、大越氏の講演の前に、25分間の時間をいただき、「高校野球での事故を減らすために」の資料を用いて情報提供を行いました。
はじめに、JSCが保有するデータから、全国の高等学校の課外指導中に発生した競技種別・障害種別件数や部活動別の熱中症の発生件数について説明を行いました。
次に、平成27年度から平成29年度の3年間に、広島県の高等学校の野球部活動中に発生した災害に関する統計について、発生状況別(月別・時間別等)、負傷疾病の種類別、部位別の件数を示し、災害の現状について説明しました。
その後、事故防止のためにJSCが取り組んでいることや成果物(スポーツ事故防止ハンドブック、熱中症対応フローポスター等)を紹介しました。
さらにJSCのホームページ“学校安全Web”に掲載されている「学校での事故防止対策集」や「教材カード」等の資料の活用についても説明しました。 |
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⚾ 研修会の感想及び今後に向けて
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広島県高野連の理事長から、「今回の研修会でJSCから事故情報や事故防止の取組を紹介してもらったことは、この研修会の『大きな事故を起こしてはならない事故の予防の重要性を啓発する』目的とピタッと合致していた。野球の事故に関する具体的な統計情報では、『練習中の事故がどのような状況下で発生するか』を知ってもらい、改めて事故防止の重要性を認識してもらうことができた。今回の参加者にとって大変有意義であった。」との感想をいただきました。
JSCでは、今後もこのような取組を通じて広島県高野連の事故防止のための連携を図っていきたいと思います。
また、広島県高野連のみならず、今回のような研修会等が開催される場合は、JSCの保有する事故防止情報・資料等を紹介させていただくことで、事故防止のためにお役立ていただければと考えていますので、是非ご連絡ください。 |
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