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広島もみじ通信 第69号(2018.2)

【後援事業】第13回 教育と安全フォーラムinひろしま
~みんなで考えるこれからの学校安全“ひやり、ハッとから学ぶ
 
 日本安全教育学会主催「教育と安全フォーラムinひろしま」は、『みんなで考えるこれからの学校安全“ひやり、ハッとから学ぶ”』をテーマに掲げ、平成17年度から毎年、広島市内で開催されており、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「JSC」という。)平成20年度の第4回大会から後援をしています。 
 平成30年1月20日(土)に開催された「第13回 教育と安全フォーラムinひろしま」には、学校関係者、学生合わせて約135名が参加し、学校事故防止のための情報交換等を行いました。その様子を報告します。

会場風景
広島県内外から多くの参加者がありました

◆講演

 二つの講義が行われ、午前の東北工業大学教職課程センター教授小川和久先生による「リスクある環境への適応―交通安全教育と防災教育の共通性―」では、学校安全のリスク管理と危機管理について話されました。
 その中で、「学校安全」とは、『児童生徒の生命を脅かす事態(事件・事故・災害)の発生を未然に防ぐとともに、事態が発生した場合に被害が拡大しないための管理と教育の活動』と定義することができる。また、安全教育は、未然に生命を守ることを目的として実施されることから、リスク管理の一部として位置づけられるとしたうえで、事件・事故・災害の被害にあわないための能力を向上させていくことが目的であるなら、安全教育とは、『児童生徒自身によるリスク管理能力を育成することが大事だ。』という話がありました。
 午後に行われた県立広島病院救命救急センター長、山野上敬夫先生による「若者が遭遇しうる致死的傷病―内因性疾患と災害による傷害―」では、救命救急の現場での貴重な体験事例とともに救命の連鎖の重要性を話されました。
 救命のポイントとして、心停止予防のためには、『事故の防止や初期症状に気づくことが大切であるが、それでも発症してしまう心停止に対しては、「早期認識と通報」が必要であり、心停止かもしれないと思ったら、直ちに応援を要請し、AEDを確保することが重要。その場に居合わせた人で必ず「一時救命措置」を行って欲しい。それが胸骨圧迫と迅速な電気ショックです。』と話されたことが印象的でした。また、その中で、『救急車要請に際し、空振りを恐れないで』という心強い言葉がありました。

小川和久先生の講演風景

◆体験交流

 体験交流では毎年テーマを決め、学校生活における緊急(救急)場面や児童生徒の危険行動に直面した“ひやり、ハッと”体験を、グループに分かれて出し合い、質疑応答や意見交流を行っています。学校で「この対応でよかったのだろうか」「この課題はどう解決したらよいだろうか」など、一人で考えていたことをみんなで共有し、安全教育や安全管理を見直す機会となる学びの場になっています。 養護教諭(疑問を持つ様子)
 今回は11グループに分かれ、今年のテーマである「学校行事」の場面で、判断や対応に課題が残った事例を中心に、その対応・経過・結果、“ひやり、ハッと”した原因、気づきや課題、改善策について話し合いました。JSC職員はオブザーバーとしてグループの中に入り、学校の管理下の災害の場合別発生件数のうち、学校行事における負傷・疾病、死亡、障害のデータや事故事例などの情報を提供しました。
 
体験交流風景
 筆者の参加した「つぶあんもみじグループ」(ちなみに、各グループ名は広島らしく「抹茶もみじ」「チョコもみじ」など、もみじ饅頭の種類です。)では、体育祭のリレー中に骨折した事例や修学旅行中に発熱した事例など5例が挙げられました。
他のグループでも同様に事例を上げ、各グループで1事例を決め、今後の事故再発防止の取組の視点となるキーワードを示し、まとめたものを発表します。
最後に大学教授や有識者等の助言者から、発表に対する総評を受け、参加者全員で共有しました。 
修学旅行

◆学校での事故を減らすために

 JSCには15分の説明時間が設けられ、午前午後にわたって行われた体験交流終了後、学校の管理下における事故防止の情報提供を行いました。事故防止対策資料として、スポーツ事故防止ハンドブック教材カードの活用促進や事故事例の収集方法として学校安全Web、学校安全ナビの紹介を行いました。

配布資料
 また、「スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応」DVDを上映しました。(※You Tubeでも配信しています。)
 

学校安全支援業務の説明


「スポーツ活動中の眼の事故防止と発生時の対応」
DVD上映中
 説明と併せて、参加者に情報提供するために、学校安全Web紹介ポスター、教材カード6種を展示するJSCの展示ブースを、体験交流会場に設けました。
休憩時間中、展示物を見ていた参加者から「教材カードはわかりやすく使いやすいです。」と、感想をいただきました。
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展示ブース

◆フォーラムに参加して

 県外より初めて参加した養護教諭から「他の学校の事例や対応を聞き、事故防止について話し合う、大変有意義な会でした。自分の県でもこのような会があればいいと思いました。」との声が聞けました。また、「JSCの方と実際にお会いして、学校安全のことや災害共済給付のことが直接聞けるのでとても心強く感じます。」や「JSCで保有している事故防止の情報と医療機関と共同で、学校の事故防止につながる講習会等ができるのではないかと期待します。」など、多くの参加者の声を聞く機会となりました。
 「教育と安全フォーラムinひろしま」は学校安全や事故防止について、参加者とともに考える貴重な場であり、今後も後援事業として関わっていくことの重要性を感じました。


 

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