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主催者挨拶
主催者挨拶
本日は、「SAYONARA 国立競技場 FINAL “ FOR THE FUTURE ”」に数多くの皆様、そしてレジェンド、アスリートに、お集まりいただきありがとうございます。
この国立競技場が幕を閉じるこの時間を、皆様とともに共有することができ、胸が熱くなる思いです。国立競技場を管理・運営する日本スポーツ振興センターとして、厚く御礼申し上げます。
国立競技場は、1958年3月30日に日本を代表する国際的競技施設として建設されました。以来、56年と2ヶ月、20517日の長きに渡り、アスリートの夢の舞台となって参りました。
1964年の東京オリンピックのメインスタジアムとして、さらには、ラグビー日本選手権、全日本サッカー選手権、全国高校サッカー選手権、世界陸上競技選手権大会の会場として、また、1993年にはJリーグの最初の試合会場として、数多くの記憶に残る大会の舞台となってまいりました。
ここで多くの人々が見守る中、多くの記録が生まれました。ドラマが生まれました。伝説が生まれました。そのたびに、私たちはスポーツから力をもらい、アスリートへの感謝とリスペクトを新たにしました。
「奇跡」のように感じられる場面・時間の連続でした。けれども、私たちがこのスタジアムで目撃してきたものは、「奇跡」ではありません。アスリートと、声援を送る多くの人々が、1つになって、人間の可能性を広げてきた歴史です。
だからこそ、この場所は日本の「戦後復興のシンボル」となり、「スポーツの聖地」と呼ばれるまでになったのだと思います。単なるスタジアムという存在を超え、社会的・歴史的な意味を持つ、特別な場所になりました。
「自分たちのスタジアムとして、誇りを持てる。」
この国立競技場が見せてくれたのは、まさに、「ナショナル・スタジアム」の姿でした。
2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会や、その先の未来に向けて、私たちはもう一度新たな聖地をつくらなければなりません。
これから始まる新国立競技場の建設は、「いちばんをつくる」、作業です。
スタジアムとして、世界最高であることはもちろんですが、ここをスポーツ・文化の世界への発信拠点として、創りあげていくことに意味があるのだと思います。
あの聖火台から一旦火が消えても、私たちは希望の火を未来に継承していかなければなりません。昨年、ブエノスアイレスのIOC総会で我々は「スポーツの持つ力」を世界に訴えました。ネルソン・マンデラ氏は「スポーツには社会を変えて、国を変える力がある」と語っています。
今日はスポーツの力によって、より良い国をつくるために、日本の力を再び結集していくプロローグだと思います。
皆様のより一層のご支援とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
最後に、この国立競技場とこのスタジアムを愛してくださったすべてのプレイヤー、アスリート、そして皆様に、もう一度感謝を申し上げます。
たくさんの夢の実現を、ありがとうございました。
2014年5月31日
日本スポーツ振興センター理事長 河野 一郎
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