JISS徹底解剖~第5回~

 今回は、国立スポーツ科学センター(JISS)4階にあるトレーニング体育館・低酸素トレーニング室、5、6階にある宿泊室、7階栄養指導食堂を紹介します。

4階

【トレーニング体育館】

アスリートのパフォーマンス向上の一役を担うトレーニング体育館
トレーニング体育館

 競技者の基本的なフィットネス、主として筋力、筋パワー、乳酸性能力および有酸素性能力を向上するためのトレーニング施設です。

 フロアは、マシントレーニング、フリーウエイトトレーニング、および有酸素性トレーニングのエリアに分かれています。各エリアにはそれぞれ特徴的なトレーニングマシンが設置され、競技特異的なトレーニングから一般的なトレーニングまで実施できる設備となっています。

 専門性の高いトレーニング指導員が配置され、各競技種目のトレーニングプログラムの作成、指導およびトレーニング効果の評価が行われます。

 付帯設備として、各種専門的トレーニングマシンが設置されています。

【低酸素トレーニング室】

 低酸素合宿室と併せて、常圧下の低酸素環境条件でのトレーニング施設として利用される、11m×5.5mの床面積で天井高2.6mの空間です。

 酸素濃度は、17・4%~13・6%(高度1500m~3500m相当)の範囲で0.1%(高度50m相当)単位で設定することができます。

 対象人数は中程度の運動強度で10名まで可能です。二酸化炭素濃度の上限を設定することにより、警報ランプおよびブザーで安全管理されています。

5・6階

【宿泊室】

高地トレーニングが可能な低酸素トレーニング室
低酸素トレーニング室

 通常の宿泊室としてのみでなく、常圧下の低酸素環境条件での居住空間として利用することが可能です。低酸素濃度に設定可能な宿泊室は5、6階に72室あり、1部屋当たりの広さは、奥行き4.5m、幅2.9m、天井高2.5mとなっています。

 酸素濃度は16・8%~14・4%(高度1800m~3000m相当)の範囲で0.1%(高度50m相当)単位で設定することが可能です。各宿泊室の酸素および二酸化炭素濃度は、6階の宿泊管理室の表示盤で一括監視され、異常が発生した場合にはすぐに確認することが可能です。

7階

【栄養指導食堂】

 競技者が高度なトレーニングを行い、競技会で最高のパフォーマンスを発揮するためには、適切な栄養摂取が必要です。競技種目やポジション、トレーニング内容、身体組成、体調、シーズン等に応じたスポーツ栄養学の理論に則った適切な食事が提供されます。

 カフェテリア(一部バイキング)方式で、1日当たり4000kcal以上の食事を摂ることができるほか、減量食や補食等を提供することもできます。また、食べた内容を入力すると、その場で栄養バランスを分析することができる栄養チェックシステムが設置されており、スポーツ専門の管理栄養士による個別栄養指導を受けることもできます。


 今号でJISSの紹介は終わりとなります。ロンドン五輪まであと4か月余り。今まで本誌で紹介した施設を使って、選手は、昼夜を問わず練習に励んでおります。

 日本選手が五輪に最高のパフォーマンスで臨めるように、JISSは一丸となって選手をサポートしております。

 皆さんも応援しましょう!ガンバレ!ニッポン!!

 

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