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JISS in Action

2011年7月29日

フェンシングナショナルチーム ゲーム分析支援
 千葉 洋平(チーム「ニッポン」マルチサポート事業)

 

 

 2010年女子バレー世界選手権で32年ぶりに銅メダルを取った女子バレーでは、眞鍋監督がiPadを片手に、選手へ指示を出していることが話題にのぼりました。このiPadには分析者からのデータがほぼリアルタイムで届けられ、監督の指示や交代の決定に貢献していたようです。サッカーでは、選手の走った距離やスピードの情報が、試合中にも関わらず、すぐに公表されています。今まさに、テクノロジーの進歩・発展と共にパフォーマンスに関するデータがすぐ手に入る時代となりました。このデータをいかに活用するかが、勝敗を大きく左右するといっても過言では無いと思います。

 

 

写真1 フェンシングナショナルチーム ゲーム分析支援

 

 

 

 

 

写真2 フェンシングナショナルチーム ゲーム分析支援

 

 

 フェンシング競技においても、相手のデータを事前に知っておくことは、非常に重要な意味を持っています。選手の癖や特徴といったものは、短期間に、特に試合中に修正できることはまず考えにくいことです。事前に相手選手の癖、特徴に対して戦術を練り、対策しておくことが大きなアドバンテージを生むこととなります。私たちが選手のサポートの一つとして行っていることは、選手の癖や特徴を掴むデータを得て、選手、コーチへフィードバックすることです。2009年よりマルチサポート事業の特別支援対象種目として、男子フルーレが認定されて以来、世界大会に帯同して数多くの試合を撮影し、分析ソフト(Sports Code)を用いて試合の分析を行ってきました。味方、敵選手の攻撃について、いつ、どこで、どのように行っているのかといった情報、得点決定率や攻撃方法の割合などのデータを算出しています。

 

 国際大会前には強豪選手をピックアップして、試合の分析データと編集した映像を元に、選手、コーチと一緒にミーティングを行います。このミーティングでは、強豪選手についての対策を全員でディスカッションをしながら、イメージを共有していく作業を行っています。大会後は、日本選手の戦い方がどうだったのか、そこから出てくる課題は何なのかについて話し合いながら、次の大会へ向けての準備をする機会となります。しかし、データはすべてを語る万能なものではありません。あればあるほど良いというものではなく、必要最小限の情報を提供できるように心がけています。事前にコーチとミーティングを繰り返し、選手から情報を引き出し、何が求められているのか、どのようなものが必要なのかを考慮した上でミーティングに臨みます。

 

  この1年で分析した試合は500試合を超えました。データが蓄積されたことにより、そのデータが持つ意味も見出すことができるようになってきました。選手、コーチの関心も高まり、トレーニングや戦術立案に繋げる試みも次第に多くなってきたように感じています。データを活かすも殺すも、選手、コーチが競技力向上に繋がると決断し、活用し続けてくれることにかかっています。選手、コーチに必要なものを提供できるように、私たちも日々進歩し続けなければならないと思います。


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