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サポートのたね

「サポートのたね」では、JISSで行っている研究の報告をわかりやすくコラムとして紹介します。
ここで蒔いた「たね」が、いつの日かスポーツの世界で花開くことを願っています。

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投稿者: サポートの たね
2014/01/31 9:10

アスリートがパフォーマンス向上のために行うトレーニングのひとつに、反動をつけてジャンプ等を行うプライオメトリックトレーニングがあります。このトレーニングはジャンプ力や走力の強化を目的に、球技や陸上競技など幅広い競技種目で導入されているトレーニング方法です。
これまでの研究で、筋力トレーニングのみを行った場合よりも、筋力トレーニングとプライオメトリックトレーニングを組み合わせて行った場合の方が、ジャンプ力が向上することがわかっています。では、プライオメトリックトレーニングを行うことで、身体内ではどのような変化が起きているのでしょうか?
実際に、8名の被験者を対象に、プライオメトリックエクササイズを1セッション練習してもらい、練習前と後で筋線維の動きがどのように変化するのか、超音波装置や筋電図を用いて計測することにしました。
その結果、ジャンプ力は練習前よりも練習後の方が高くなっていました。そして、練習後の方が、筋線維の伸び縮みの量が小さくなり、筋線維と骨を繋ぐ腱の伸び縮みの量が大きくなっていました。さらに、反動動作の沈み込みから切り返しまでの局面で、筋活動が生じるタイミングが早まることもわかりました。なお、1セッションの練習なので、筋力や腱のバネ特性が変化したとは考えられません。
これらの結果から、プライオメトリックエクササイズを行うことによって力を入れるタイミングが変化し、筋線維の伸び縮みが減ることで、腱のバネ作用が強調されることがわかりました。
身体の構造上、人間は腱の動きを直接コントロールすることはできませんが、筋線維の動きを介して腱の伸び縮みをコントロールしており、練習やトレーニングによって、筋線維と腱の動きが改善される可能性が示されたことになります。今後は、今回得られた知見をもとに、トレーニング効果をより高めるための指導法などについて研究を進めていく予定です。


プライオメトリックトレーニングとは?
できるだけ反動をつけないことを原則とする一般的な筋力トレーニングとは違い、あえて反動をつけて行うトレーニング方法のことを指します。
反動を伴うジャンプ中の骨格筋の動き
骨格筋は筋力を発揮する筋線維と、筋線維と骨を繋ぐ腱から構成されています。反動を伴うジャンプでは骨格筋は一度伸ばされた後に縮みます。この時、筋線維の伸び縮みは比較的小さく、腱がバネのように伸び縮みすることがわかっています。

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