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JAPAN SPORT NETWORK セミナー

 平成26年2月27日に「JAPAN SPORT NETWORK セミナー」を開催しました。
 本セミナーは、JAPAN SPORT NETWORKに参加する地方公共団体を対象に、スポーツ政策に関する最新情報、全国の地方公共団体における取組事例、その他それぞれの事業において有する知識や情報等を共有し、今後のスポーツ推進事業に活用していくとともに、課題解決に向けた実践的取組についてディスカッションを通じて、同じ課題を抱える団体同士の人的ネットワークの構築とJAPAN SPORT NETWORK参加団体の相互交流を促進することを目的として開催しました。

■セミナー概要  ※各項目名をクリックすると記事へ移動します。
 【主催者挨拶】  日本スポーツ振興センター 理事長 河野 一郎 
 【基調講演】  演題:スポーツ庁の設置に向けた検討状況について
 講師:衆議院議員(スポーツ議員連盟幹事長) 遠藤 利明 氏
 【事業紹介】  (1)法人概要
  (説明者:日本スポーツ振興センター 経営戦略部 経営戦略課 課長補佐 清水 章敬)
 (2)スポーツ基本計画実現に向けた新たな取組
 ① 国内外のスポーツに関する情報収集・分析
 ② スポーツ資源の開発
   (説明者:日本スポーツ振興センター 情報・国際部 情報・国際課 課長 和久 貴洋)
 【事例発表】  報告  東日本大震災被災地における「スポーツの力」
     (報告者:福島県文化スポーツ局スポーツ課 指導主事 田中 邦宏 氏)
 事例① 寄附を活用した(仮称)吹田市立スタジアム建設事業 
      (発表者:吹田市役所まち産業活性部 次長 中野 勝 氏)
 事例② 秦野市の公共施設更新問題への挑戦
      -未来につなぐ市民力と職員力のたすき-
      (発表者:秦野市役所政策部公共施設再配置推進課 課長補佐 志村 高史 氏)
 事例③ 学校でのスポーツ事故の傾向
      -日本中の子どもたちの元気な笑顔につながるように-
      (説明者:日本スポーツ振興センター 学校安全部 安全支援課 主任 落合 直文)
 【意見交換】  テーマ① 寄附を活用した(仮称)吹田市立スタジアム建設事業
 テーマ② 秦野市の公共施設更新問題への挑戦
       -未来につなぐ市民力と職員力のたすき-
 テーマ③ 学校でのスポーツ事故の傾向
       -日本中の子どもたちの元気な笑顔につながるように-


【主催者挨拶】

 主催者を代表して、日本スポーツ振興センターの河野一郎理事長より挨拶がありました。主催者挨拶の様子
 記念すべき第1回のJAPAN SPORT NETWORKセミナーにあたり、「日本を一体化し、スポーツの力を社会貢献に活かしていこう」というこのネットワーク構築の趣旨や、情報の重要性について参加者の皆さんと共有いただきました。特に、JAPAN SPORT NETWORKのねらいについて、

 ①日本スポーツ振興センターが様々な事業を通じて得た情報・知見を地方自治体の皆様に共有していただくこと
 ②各自治体、各組織で行っているすばらしい事例を共有すること

を挙げ、これらを通じてスポーツの理念、スポーツ振興くじの理念を共有し、スポーツの力での社会貢献、「スポーツの力で輝く未来をともに創る」という決意を表明させていただきました。

【基調講演】

 遠藤利明衆議院議員による基調講演では、これまで遠藤氏が長く関わってこられたスポーツ政策分野でのご経験やエピーソードを交えた、貴重なお話を伺うことができました。
基調講演の様子(遠藤利明衆議院議員)
 まず、「スポーツ振興投票の実施等に関する法律」制定によるスポーツ振興くじ制度の導入に至る経緯や、収益の配分割合を決定するまでの議論など、制度導入の舞台裏をご紹介いただきました。また、スポーツ振興くじの売上増加に向けた検討の中で、スポーツ関係者からの声を受けて、くじの売上の一部を国立競技場の改築に充てる案を検討し法改正に至ったこと、また海外のリーグ戦を対象としたくじの販売、10億円BIGの発売などが一連の法改正についてお話いただきました。遠藤氏を中心とした国会議員、スポーツ関係者の皆さんの努力が、くじ売上の伸びにつながり、選手強化や地域のスポーツ振興に対して財政的に支援ができたのではないかと振り返っておられました。

 続いて、2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致活動についても触れられ、招致活動をオールジャパン体制で進められた成功要因として、オリンピック・パラリンピックをはじめとする国際競技大会の招致は国が責任を持って実施する旨を掲げるスポーツ基本法の成立が大きかったことを強調しておられました。そして東京オリンピック・パラリンピック開催が決定した今、東京だけでなく日本全体がオリンピック・パラリンピックに向けて盛り上がっていきたいという想いを熱く語っていただき、参加者の共感を呼んでいました。

 最後にスポーツ庁の検討状況について、最新の動きをご紹介いただきました。
 スポーツを推進する上で、それぞれの役所にまたがって動くよりも、もう少し一体的にできないだろうかとの考えから、スポーツ庁の設置に向けて動き始めていること、また、遠藤氏が幹事長を務めている超党派スポーツ議員連盟における検討の中で、遅くとも来年の4月までには設置したいという、具体的なお話までご紹介いただきました。ただ、スポーツ庁設置に関しては課題があり、特にスポーツ庁が一元的にスポーツ行政を担うとした場合に、どの仕事をスポーツ庁で行い、既存の省庁とのすみわけをどうするかといった整理が今後必要ということで、私たちも今後の検討の進捗を注視していく必要があると感じました。
 短い時間ではありましたが、スポーツ政策の第一線で日々活動されている遠藤氏ならではの、現在進行形のお話をご紹介いただき、今後のスポーツ推進に向けた取組を考える上で大変示唆に富む内容の基調講演となりました。

【事業紹介】

(1)法人概要事業紹介
 日本スポーツ振興センター経営戦略部の清水より、法人の事業概要について、DVDを使用して説明をしました。

(2)スポーツ基本計画実現に向けた新たな取組
 日本スポーツ振興センター情報・国際部の和久より、スポーツ基本計画の実現に向けて新たにJSCが取組を進めている情報・国際部及びスポーツ開発事業推進部の業務について紹介しました。最近の状況をトピックスとしてご紹介しながら、JSCの取組の“今”をお伝えしました。
 
 <情報・国際部>
 スポーツ基本法、スポーツ基本計画に示される日本のスポーツ政策をさらに推進していくための情報を集め分析し、提供していくというミッションのもと、情報・国際課、情報研究課、ロンドン事務所の3つのセクションで次の事業を実施

 ○エリートスポーツ政策に関わる情報の収集、分析
 ○国際協力・招致開催支援国際統括機関等とのネットワーク構築、国際競技大会の招致・開催支援など
 ○国際連携 海外の政府系スポーツ機関との持続的な情報連携イギリス、オーストラリア、シンガポール、ブラジル、香港、フランス等との協定締結
 ○政策情報 トップスポーツ以外のスポーツ政策に関する国内外の政策情報を収集
 ○ロンドン事務所 エリートスポーツからグラスルーツスポーツ、オリンピック教育、アンチドーピングなど総合的な欧州のスポーツ政策情報の収集

 <スポーツ開発事業推進部>事業紹介 スポーツ基本計画実現に向けた新たな取組
 わが国のスポーツの推進、さらにはスポーツを通じた開発、社会発展に資する新しい資源を開発していくことを目的に業務を実施。今後、全国で関心が高まっているタレント発掘育成への取組や、大学との連携による人材育成プログラム開発にも取り組む。

 ○アスリート開発 「メダルポテンシャルアスリート育成システム構築事業」(文部科学省委託事業)により、地域タレント発掘事業の成果をトップレベルまで引き上げていくためのプログラム構築に取り組む
 ○コーチング開発 国際コーチングエクセレンス評議会(ICCE)との連携
 ○スポーツ開発 「女性競技種目戦略的強化事業」(文部科学省委託事業)により、女性アスリートのパフォーマンス向上のための新しいプログラムのモデル開発に取り組む
 ○医・科学サポート開発 「チーム「ニッポン」マルチサポート事業」(文科省委託事業)により、アスリート支援とロンドン・ソチ五輪でのマルチサポートハウス設置などを実施

【事例発表】

 報告  東日本大震災被災地における「スポーツの力」

報告 東日本大震災被災地における「スポーツの力」の様子 田中氏からは、東日本大震災で多くの被害を受けた福島県の状況についてご報告いただきました。震災の被害に対する国内外の皆さんから支援として、スポーツイベントで子供たちを元気付けたいという申し出が多数寄せられたものの、現地ではスポーツ行政が麻痺しておりそれどころではなかったという実態や、今もさまざまな課題を抱える被災地の姿をお伝えいただきました。

 一方で、避難所では徐々に健康体操の実施やエコノミー症候群防止の観点からラジオ体操など軽運動が行われるようになったこと、時間の経過とともにスポーツプログラムが県内の市町村に浸透し、健康づくり・仲間づくり・楽しみの創出・子どもの体力といった課題への認識が高まったということでした。

 スポーツによって福島県民の意識が変化していく様子と、震災前までは身近で空気のような存在であったスポーツが、震災が起きたことでスポーツの存在がほとんどゼロになってしまったけれども、3年たった今、スポーツの重要性を震災前よりも多くの県民が意識されるようになったというご報告は、スポーツの力を改めて感じさせる内容でした。 



 事例① 寄附を活用した(仮称)吹田市立スタジアム建設事業

事例発表 寄附を活用した(仮称)吹田市立スタジアム建設事業の様子 中野氏からは、地域の活性化とまちの賑わいを創出していくという観点より、現在進められている吹田市のスタジアム建設事業についてご紹介いただきました。
 Jリーグガンバ大阪のホームタウンである吹田市に対し、ガンバ大阪から依頼を受けて始まった事業ということで、今回の事業スキームの特徴でもあるスタジアム建設募金団体による寄付募集の取組と、寄付を財源として建設される予定のスタジアムを吹田市が公共施設として管理するという仕組みについて、これまでの経緯をご説明いただきました。
 スタジアムを寄付として市が受け入れる際の条件提示、用地確保、関係条例の制定等議会との調整など、現在までの行政における対応状況について詳細にお話いただき、参加者の皆様も熱心に耳を傾けていました。

 今後の課題として、利用料金制の導入を考えたときにスタジアムの利用料金をどうしていくのかということを挙げられていました。
 また、今回のような事業にあたっての留意点として、

  ○寄付の見通しをどう考えるか
  ○国の制度など、寄付しやすい環境をどう整備していくか
  ○スタジアムのランニングコスト負担をどう考えるか

についてもよく考えることが大切であるとの示唆をいただきました。
 公共施設の建設は、これまで自治体が建設費を出して建設し、そのまま自治体が所有する、というのが従来の方法でしたが、今回の吹田市の取組は、建設費を個人や民間からの寄付を財源とし、任意の団体がスタジアムを建設していくという日本初の試みとして、今後も注目されていくのではないでしょうか。 



 事例② 秦野市の公共施設更新問題への挑戦 -未来につなぐ市民力と職員力のたすき-

 志村氏からは、公共施設の再配置を進めている秦野市の取組をご紹介いただきました。
 秦野市では、市長のリーダーシップの下に公共施設の再配置を進めていることや、平成20年4月から取組を始めて6年が経過しており、長い時間軸のかかる仕事であるという認識をまずご説明いただきました。
 続いて、秦野市が考える再配置計画を進めるポイントや基本的な考え方をわかりやすくご説明いただきました。

 <再配置を進めるポイント>
  ○ 『公共施設白書』を発行、定期的に情報を発信し、市民の皆さんにも危機感を持っていただく 
  ○ 行政に都合の悪い情報も、市民に都合の悪い情報も、全部包み隠さず見せる(一番重要!)  
 
 <再配置の基本的な考え方>
公共施設の床面積を減らすことにより、そこにかけていた管理運営費用を、残すべき大事な公共施設の建替え費用の不足分に充当する  

 <再配置に関する4つの方針>
 1.  原則として、新規の公共施設(ハコモノ)は建設しない  
 2.  更新には優先順位をつける(義務教育、子育て支援、行政事務スペース)
 3.  数値目標を立てる(40年かけてハコモノの31.3%を削減)
 4.  計画を進めるための5つの視点(ハコと機能の分離、公民連携の推進、複合化とスケルトン方式での建設など)

 事例発表 秦野市の公共施設更新問題への挑戦の様子秦野市における再配置計画の基本パターンは、耐用年数がきた小さな施設は廃止して機能を中規模の施設に集約し、その中規模施設の耐用年数がきたらその施設は廃止し、機能を近くの小中学校に移していくというものです。小学校区は地域のコミュニティの単位として重要な役割を果たしていることから、地域の拠点として施設の複合化を図りながらも、しっかりと維持していきたいというのが秦野市の考え方でした。
 また、こうした再配置計画が一概にサービスの低下につながるものではないということを市民にアピールするために進めているシンボル事業についてもご紹介いただきました。
 障がい者福祉施設の民営化(保育園の跡地を社会福祉法人に提供)、保健福祉センターの開きスペースを活用した郵便局誘致(郵便局による住民票等交付業務の実施)、そして現在進められている義務教育施設と地域施設の複合化(中学校の体育館・プール・武道場と隣接する公民館の再整備)です。お話を伺うことで、このような取組を通じて、市民に見える形で、サービスの向上の実績を示していくことの重要性を改めて認識することができました。



 事例③ 学校でのスポーツ事故の傾向 -日本中の子どもたちの元気な笑顔につながるように-
 
 日本スポーツ振興センター学校安全部の落合より、JSCが行っている災害共済給付業務及び学校安全支援業務の概要、学校管理下におけるスポーツ事故の状況、及び発生した事故の検証によって進められている先進的な取組みについて紹介しました。
 学校での災害の現状について、災害共済給付業務を通じて年間112万件の事故データが集まっており、加入者(18歳以下の子ども)の数は10年間で120万人減少しているものの医療費の発生件数は横ばいであり、引き続き学校安全の取組が重要となっています。 

 <具体的な事例>
 【熱中症】  死亡件数(平成2年度~平成24年度) 80件
 (特徴)
・スポーツ活動中の事故が9割
・熱中症で病院にかかった件数は平成24年度で44,971件であるが、男女差はあまりない(死亡(部活動中)の場合でみると、男子死亡率が9割)
 【突然死】  死亡総数(平成元年度~平成24年度) 3,013件のうち、突然死は1,707件(心臓系突然死1,200件)
 (特徴)
・死亡事故全体のうち突然死が約5割
・突然死のうち心臓系突然死が約7割

事例発表 学校でのスポーツ事故の傾向の様子  特に突然死については、予想・予期が大変困難であることから、応急手当の処置がポイントになります。そのため、学校安全部で作成している心肺蘇生の「教材カード」についてご紹介し、AEDの活用など迅速に救命措置を始めることの重要性をお伝えしました。
 また、平成23年にさいたま市で発生した小学生の死亡事故を教訓として、さいたま市が事故の検証を踏まえて作成した「体育活動時等における事故対応テキスト~ASUKAモデル~」に触れ、意識や反応の有無がわからいないときも、迷わず次の行動に進むことが子どもたちの命を救うことにつながると強調しました。
 JSCでは、スポーツ事故防止に向けて引き続き取り組み、児童・生徒が「行ってきます」から「ただいま」まで事故なく元気に帰るという当たり前の学校生活を実現するために業務を進めていきたいと考えています。



【意見交換】

 テーマ① 寄附を活用した(仮称)吹田市立スタジアム建設事業
 テーマ② 秦野市の公共施設更新問題への挑戦 -未来につなぐ市民力と職員力のたすき-
 テーマ③ 学校でのスポーツ事故の傾向 -日本中の子どもたちの元気な笑顔につながるように-
意見交換の様子
 意見交換は、事例発表のテーマ別に分かれて行いました。
 少人数に分かれての意見交換となったため、参加者から様々な質問や意見が出され有意義なものとなりました。
      

 

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