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Web杜のたより 第48号(2017.4)

気道異物による窒息に備えた取組

8.6分

 皆さん、これは何の時間だと思いますか。この時間は、平成27年中の救急車の現場到着までの全国平均所要時間になります(総務省消防庁 平成28年12月20日発表)。
 もし学校で児童生徒が突然意識をなくしたら、救急車が到着するまで自分達は何ができるか、何をすべきか。もしもの災害を想定し、北海道・東北地方のある学校で実施された、窒息の対処法に重点を置いた研修会を仙台事務所が取材してきました。

窒息の対処法 ~3つの柱~

 今回の研修会は、教職員を対象とした給食指導研修会の一環として行われました。この日の授業終了後、学校の体育館に約80名の先生が集まりました。講師は、地元の消防署の救急救命士を含む7名の署員の方々です。
 毎年この学校では、心肺蘇生法及びAEDの使用方法についての研修会を実施していますが、更に技術、知識を向上させるため、今回は、児童生徒が食べ物を喉に詰まらせた場面を想定し行いました。
講師の方からは、窒息の対処として、『3つの柱』が挙げられました。                                  
 ① 予防 窒息が発生しないようにあらかじめ予防する。
 (例)嚥下障害のある児童生徒が食事をするときには誰かがつく、
    食べ物を小さくする。 
 ② 気道異物の除去 背部叩打法
腹部突き上げ法(腹部突き上げ法は、乳児や妊婦には行いません。)
 ③ 一次救命処置 心肺蘇生法、AED
 このうち、気道異物の除去については、異物を奥に押し込んでしまう可能性があるため、やみくもに口の中を指で探ったりしてはいけない等の注意事項が説明されました。また、腹部突き上げ法では、傷病者が倒れたときに支えることができるように、片足を傷病者の足の間に入れ、体勢を安定させる等、大切なポイントが話され、先生方は一つ一つ動作を確認しながら、真剣な表情で取り組んでいました。
窒息のメカニズムと気道異物の除去法のDVDを視聴 胸骨圧迫をしている様子
窒息のメカニズムと気道異物の除去法の
DVDを視聴
胸骨圧迫は、強く!速く!絶え間なく!
AED研修の様子
除細動ボタンを押すときは、傷病者に
誰も触れていないことを最後まで確認

参加者の感想

〇異物がのどに詰まった際の具体的な対応について、DVDを通し、分かりやすく知ることができてよかった。
〇実際に教員同士で対応の仕方を確認できて、改めて児童の胸骨圧迫の方法を学べてよかった。
〇実際に起きたときにどうしたらよいのか焦って動けないと思うので、実技も交えて研修できよかった。 

取材を終えて

 今回取材させていただいた学校では、毎年地元の消防署に講師を依頼して、救急救命講習会を行っています。取材当日は、緊急出動後に学校に駆け付けてくださった署員の方々もいらっしゃいました。学校で大きな災害が発生し、119番通報をした際にはもちろんのこと、救急救命講習会の開催等、学校の安全は日頃から地域の消防署や警察、地域住民に支えられているのだと改めて感じさせられました。

窒息による死亡事例

 学校安全Webの「学校事故事例検索データベース」より、災害共済給付において平成17年度~平成27年度に給付した死亡種「窒息死(溺死以外)」のうち、食物または嘔吐物による窒息を抜粋して掲載します。     
学校種 学年・
年齢
性別 場合 場所 原因となった食べ物、
発生状況等
特小  1 下校中 学校外・道路 嘔吐物
特高 2 寄宿舎にあるとき 校舎内・その他 咳込みと嘔吐を繰り返していた
1 保育中 園舎外・園庭 ミニトマト
2
昼食時休憩時間中 校舎外・運動場 大福餅
6 給食指導 校舎内・教室 パン
特小 1 給食指導 校舎内・教室 ミニトマト
1 保育中 園舎内・保育室 食事終了後、
嘔吐し意識を失った
1 保育中 園舎内・保育室 カステラ
2 保育中 園舎内・保育室 白玉団子
2 給食指導 校舎内・教室 プラムの種
4 給食指導 校舎内・教室 給食を食べていたとき、
のどに詰まらせた
特小 3 給食指導 校舎内・その他 オレンジ
特小 3 給食指導 校舎内・教室 パン
特高 3 給食指導 校舎内・教室 枝豆・とろみをつけたラーメン
1 給食指導 校舎内・教室 うずらの卵
幼連 1 保育中 校舎内・教室 食事を誤嚥する


 

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