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名古屋☆通信 第102号(2014.08)

第102号 事故防止事例
-学校の管理下における食物アレルギーについて-

発疹が出ている児童のイラスト 
 第100号、第101号では、学校の管理下における転落事故について、2回に分けて紹介しました。今回は学校の管理下における食物アレルギーについて紹介します。

 近年、日本におけるアレルギー疾患全体の増加に伴い、食物アレルギーを有する児童生徒も増加しています。
 また、学校の管理下の災害の中でも、学校給食などが原因で起きる食物アレルギーがあり、重篤な災害も報告されていることから、今回は名古屋事務所管内7県(富山、石川、福井、岐阜、静岡、愛知、三重)で実施した災害共済給付によって得られた食物アレルギーの災害の傾向、災害事例と学校の再発防止の対応例をまとめました。

食物アレルギーとは?

 「アレルゲンとなる特定の食材」を特定の児童生徒が摂取したり、ときにはこのアレルゲンが特定の児童生徒の皮膚や目や口などの粘膜に付着して生じるアレルギー反応です。
 軽度なものから生命に関わる重篤なものまで多種多様ですが、その中でも「アナフィラキシー」は、最も重篤で生命の危険を伴うことがあります。

災害の現状


 平成24年度に名古屋事務所で給付を行った170,100件の災害のうち、災害発生状況及び傷病名から食物アレルギーと判断できる106件を抽出しました。

<男女別>
                  
 男女別では、およそ2/3を男子が占めています。

男女別円グラフ
<学校種別>
 小学校、中学校で多く発生しています。 
学校種別棒グラフ
<場合別>
 各教科等、特別活動、休憩時間が全体の7割を超えています。特別活動のほとんどは給食指導です。休憩時間は、昼食時休憩時間に多く発生しています。 
場合別円グラフ 
 <傷病名別>
 じんましん、食物アレルギー、アナフィラキシーが多く発症しています。食物アレルギーには、食材+アレルギー(例:そばアレルギー)の傷病名が含まれています。
傷病名別棒グラフ
 

災害発生事例

事 例 1  小5年・男  給食指導
【災害発生状況】
 給食を食べ、昼の掃除をしているころから少し呼吸に違和感を感じるようになった。掃除が終了し、昼休みになった時、我慢ができなくなり、保健室に来室した。 
 当日の給食:キムチ焼きそば・チーズ・かんぱん・大根サラダ・フルーツポンチ・牛乳
<被災児童の状態>
 ・症状:喘息発作、じんましん
事 例 2 小4年・男  給食指導
【災害発生状況】
 給食を食べた後、全校集会に参加中、頚部がかゆくなり、掻いたり手でおさえていた。 
 当日の給食:カレーライス・エビフライ・フルーツポンチ・牛乳
<被災児童の状態>
 ・症状:顔面のかゆみ、発疹
事 例 3 中1年・男  給食指導
【災害発生状況】
 給食を食べ、午後の授業で使用する植物を校庭に採取に行き、教室にもどったとき、咳が出て息が苦しくなった。
 当日の給食:チャーハン・豆腐と小松菜のスープ・フルーツヨーグルト和え・牛乳
<被災生徒の状態>
 ・症状:咳、息苦しさ、喘鳴、陥没呼吸  
 

事故防止対策事例

 ◆薬の保管場所を決めておき、食物アレルギーによる発作が出た場合はすぐに薬を飲ませ病院へ搬送することにした。
 ◆災害後は被災児童の携帯している薬やエピペンを、保健室に置いて管理するようにした。 
 ◆発作が起きた場合は一人では保健室へ来させないことと、重症の場合はその場に留まらせ、校内電話で養護教諭か教職員に連絡後、速やかに現場へ向かうよう周知した。
 ◆アレルギーは、幼少期にはなくても突然発症する可能性があることを全職員に改めて周知した。
 ◆製薬会社よりエピペントレーナーキットを借り、教職員対象に講習会を実施した。
 ◆給食時、除去食がある場合は、配膳皿に個人名を表記し、栄養教諭等が本人又は担任に直接渡すように徹底した。  

おわりに

 JSCが発行しています『学校の管理下における食物アレルギーへの対応 調査研究報告書』には、食物アレルギーへの対処の仕方やエピペンの使用方法などを記載しています。今回、紹介しました学校の管理下における食物アレルギーの災害発生事例及び災害の再発防止対策例と併せて今後の学校での災害防止対策にお役立て頂ければ幸いです。

※こちらのアドレスからダウンロードできます。
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/anzen_school/bousi_kenkyu//tabid/1419/Default.aspx

 

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